« 弁No.4 独日法律家協会の設立経緯から学んだこと | トップページ | 弁No.6 新人弁護士の研修 »

2005.03.08

弁No.5 登録とロー・スクールとの関係

弁No.5  たまには、日本の話を書かないといけませんね。ドイツの話から、いったん離れて、弁護士登録を考えた事情を、とりあえず簡単に書いておきます。いずれ、書き足さなければ行けないでしょう。
 まず、弁護士登録は、私の場合、いわゆるロー・スクール(法科大学院)設立とはまったく関係ありません。関わりがあるのは、ただただ、「独立大学法人化」、いわゆる「独法化」です。2004年4月1日に国立大学から独立大学法人になりました、と言いたいところですが、正式には国立大学法人になりました。「独立」性はなくなったというでしょうか。この法人化は、国家公務員減らしの一環としての政策によるものですから、法人化によるメリットはほとんどないだろうと予想していました。現に大学予算は減少の一途で、講義やゼミで配布できる資料は、2004年の10月からA4サイズで1枚の表裏2ページ分のみとなりました。教育環境は激変です。図書予算も縮減し、研究費はないに等しい状況です。私の場合、東京へ1泊で2往復するだけの旅費(14万円)が、1年間の研究費と旅費のすべてといっていいでしょう。研究費は自分で講演、原稿、研修などで「稼ぐ」しかありません。「独法化」を利用するとしたら、新しい仕事の形態の模索のみです。それが、私にとっては、理論と実務を結びつけるチャンスとしての弁護士登録でした。従って、弁護士登録が大学本部で認められないかもしれないというリスクを冒した上で、登録手続を始めたわけです。当時は、大学側でも、法学研究院でも正確な方針は決まっていませんでした。

 私は、ロー・スクールの教員ではありません。専任教員でないのはもとより、2005年度後期までは兼任教員でもありません。いわんや実務家教員でもありません。単に、在来の法学部と法学府(大学院)で教育と研究をするのが本業です。従って、ロー・スクールの建物に入ったのはこの1年の間に4回ほどに過ぎません。ロー・スクール内で、図書室がどこにあるかも知らないし、ロー・スクール棟に入るための磁気カードも配布されていないし、シラバスや各種案内などロー・スクール学生に配布されているはずの資料も、何一つ持っていません。ロー・スクール学生が使えるデータベースの利用資格もありませんし、ロー・スクール教員用のメーリングリストにも入っていません。こういう次第で、法科大学院と私の弁護士登録は全く無関係なのです。しかしながら、私が手続を進めているのと同時進行で定まっていった規則では、九大の教員は、弁護士九州リーガル・クリニック法律事務所に所属しなければ弁護士活動ができないことになりました。正確に言えば、手続面での遡及効はないから、私に適用はないはずです。しかし、従順な(?)私は従うことにしました。結果としては、目下のところ、事務所に所属できたことは、大変幸運だったと思っています。

 もっとも、弁護士登録したことで、弁護士会費や新人研修などにともなう支出は大幅増加、研究時間は超減少、講演・研修、執筆活動などの機会も激減。経済生活と生活時間はいっそう悪化。どこでバランスを、何でバランスをとるか、思案のしどころ。登録前後のことも含めて、それらについては、また続きを。

|

« 弁No.4 独日法律家協会の設立経緯から学んだこと | トップページ | 弁No.6 新人弁護士の研修 »

Libra の弁護士日記」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。