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2005.04.07

弁No.16 リーガル・クリニックは、病院か?

弁No.16 私が指導弁護士といっしょに受任している事件の相手方当事者がその代理人である弁護士さんに聞いたそうです。「このクリニックというのは病院ですか?」。まぁ、考えても、私にも分かりやすい説明はできないのですが、何かを直すのでしょうね。「弁護士法人九州リーガル・クリニック法律事務所」所属の弁護士は、2週に1度くらいの頻度で事務所会議を開いているのですが、その開催場所は、大学内。教授会のある日ですから、いかに、所属弁護士といえども集まるのが難しいか分かるでしょう。
 この事務所がどのような仕事をするのか、仕事の仕方を見せるのか、おそらく福岡の司法関係者は結構関心を持っておられるでしょう。実は、所長以下、スタッフ全員が、いつも、「われわれはモルモットの心境」と言っているくらいですから、確たる方向性を明示できているわけではありません。試行錯誤の連続です。今後、若い教員の弁護士登録や、まもなく生まれる新ロー・スクール出身のスタッフの受け入れ可能性、そのための資金確保など課題は山積。今、登録している所員は、捨て石になることを覚悟しての作業を日々こなしているところです。クリニックは、自らの事務所のあり方のクリニックまでしなければなりません。
 最近、当事務所を視察ないし訪問される他のロー・スクールの先生方がいらっしゃるようですが、私は直接応対していないために、どのような関心をもって来られているのかわかりません。ただ、教員・研究者稼業(本業)と弁護士業務の両立は、生徒さんの「受験と部活の両立」以上に難しいし、まったくもって採算に合わないことだけは事実です。副業・兼業でやっているニワカ弁護士が、事務員さんの給与、事務所運営費だけでも稼ぎ出すことすら大変なことなのです。
 今のところ、新人弁護士研修を始めて以来、本業の弁護士さんとおそらく同じ頻度で、国選弁護事件やボランティア的な法律相談が回ってきます。ついに、高裁の国選弁護事件までやってきました。本業の主要な部分である研究活動の停滞が大いに気になります。

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