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2005.06.08

行政・自治No.7 「電子メールを送ったから読んでね」みたいな・・・

行政・自治No.7 報道によると、最近、ファクスの送信ミスで、誤送信先に他人宛のファクスが送信されるという事態が、少年事件関係の組織や弁護士事務所で相次いでいるようです。
 私も、弁護士業務を始めた頃に、今や研究者同士ではほとんど使うことのないファクスが、法曹界では「我が世の春」を謳歌している?ことに、まずもって驚きました。
 そして、その次に、事務員さんが、法律相談センターであれ、弁護士会や裁判所、検察庁であれ、1件1件、「弁護士○○の事務所の者です。さきほどファクスを送りましたが、届いておりますでしょうか」と確認の電話をしているのを見て、なんという無駄なことかと思っていたのです。しかし、それがいかに重要なことであるか、すぐに分かりました。確かに、1つのボタン数字の押し間違えで、全く異なったところに着信するわけで、翻ってみれば、私の自宅にも、稀におよそ心当たりのない工事発注書や注文一覧、見知らぬ人宛の通知文書などが届きます。こういうケースの多くは、頭書きがないために、誤った送信者に連絡のしようがありません。
 手動で電話番号を押す方式でファクスを使う以上は、注意力を強化するしかないでしょう。電子メールも送信先を間違えればどうしようもないので、問題は似たり寄ったりでしょうが、認証システムや文書の暗号化技術なりのノウハウの修得が遅れていますから、この業界での安全な送信は容易ではないですね。個人情報保護だらけの文書をファクスで送るのは当分仕方ないでしょう。

 ここで次なる問題だと思うことは、多くの役所や事務所で、いまもってファクスの送信先番号が手作業で入力されるということです。私の自宅は、当然のことながらデジタル回線で、ファクスは、作成した文書を直接に送り状を付してパソコンから送信します。しかし、大学は今もってゼロ発信のアナログ。どうもパソコンからはうまくいかないのですが、そのことを考えると、もっと巨大な「日本の行政組織の欠陥・無駄」というテーマにぶつかっていきます。そのことについては、次回に。

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