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2005.10.31

弁No.47 メーデー行進のカーネーションを付けて裁判所内を濶歩していたあのドイツの裁判官が今、来日中!

弁No.47 時機遅れと思いつつ独日法律家協会から来ている封筒を開けました。同協会から届く封筒には、年会費の請求書か、東京で行われる会員向けの講演会の案内が入っています。
 ところが、開けてビックリ。すでに終わった講演会ではありましたが、見覚えのある講演者名。ハンス=エルンスト・ベットゥヒャー(Hans-Ernst Boetcher)氏(正確には、o のウムラウト)です。

 拙著『人間の尊厳と司法権』(日本評論社、1990年)では、17箇所以上に出てきます。ことに、172頁では、身長が190センチを超そうかという大きな普段着の彼が、ブレーメン上級裁判所の法廷にいる様子が写っています。当時、同氏は、同裁判所の判事でした。裁判官組合の組合員でもあります。ドイツ労働総同盟(DGB)のネーム入りのカーネーションを付けて、1988年5月3日に裁判所内を濶歩していました。その彼は、1991年にリューッベック地方裁判所・所長になっています。ヨーロッパ規模でも大きな活躍をし、ドイツ国内でも憲法問題財政調整問題に関わってきました。
 ドイツの裁判官は、年に1人来日して、大体、秋に約3ヶ月間、日本の最高裁を中心に司法現場の研修を行います。ドイツでは結構な競争率です。私は、こうして来日するドイツの裁判官とコンタクトをとって、彼らが見る日本の司法の長所・短所を調べてきました。今回の講演テーマは、「国家の奉仕者から市民かつ基本権の擁護者へ? ― 1945/49年から今日までのドイツの裁判官」です。相変わらず批判的トーンを前面に出しているようです。

 ドイツでは、こういうタイプの裁判官が多いのですね。彼は、『日独裁判官物語』には登場していませんが、有力な出演候補者でもありました。

 さて、驚いたのはもう一つ。独日法律家協会の案内文の日本語版を見ると、大きな誤りが2つ。1つは、彼の名前が4箇所にわたって、一貫して、「ボェットヘェン氏」とカタカナになっていること。cher が ヒェン となる訳はないのですが。2つは、彼の経歴を「ブレーメン州憲法裁判所副所長」と訳していること。stellvertretendes Mitglied des Bremischen Staatsgerichtshofes の訳語なのですが、この意味は、ブレーメン憲法裁判所代理裁判官なのです(正判事に事故ある時の代理判事。ドイツでは、法廷を構成する裁判官数が足らないと代理裁判官が担当します。ドイツでは、日本のように最高裁第三小法廷が3人で合議することがあるなど信じられません)。講演タイトルにある「Staatsdiener」は、翻訳案内にある「国家公務員」というより「国家の奉仕者」と訳した方が良さそうな気がするのですが、ここは争わないでおきます。

 ともかく、同氏が、日本の司法にどのような印象を持って帰国されるのか、興味は尽きません。17年ぶりに再会したいものです。

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