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2005.12.05

法教育No.4 私に対する法教育

法教育No.4  中山研一先生の昨日夜に書かれたブログに、日本法制史の熊谷開作先生(元・大阪大学)の思い出話があるというメールを知人からいただきました。熊谷先生のお人柄がわかる感銘深い文章でした。私が、研究者という職業の魅力を感じたこと、歴史的研究から入っていくという手法は、島大で受けた熊谷先生の「日本法制史」集中講義の影響です。もとより、川島武宜教授、渡辺洋三教授のご著作の影響は、それに先行して大きいのですが。このことは、ちらっと、木佐ゼミのホームページでしゃべっております。
 大学3年生の時に、先生のご希望で、島根半島のある村に入会慣行に関する調査にお連れした後で先生がお書きになったのが、「入会慣行の形成とその現代的意義(1)(2)――大正9.6.26判決を素材として」『法律時報』44巻11,12号(1972年09,10月)です。
 ( ちなみに、法学研究者や法科大学院の学生さんは、下記のデータで、この判決を閲覧・印刷できます。TKC【文献番号】 27523080 【文献種別】 判決/大審院(上告審) 【掲載文献】 大審院民事判決録26輯933頁   第一審 松江区裁、 控訴審 大正6年12月27日松江地裁)

 中山先生のブログにも書かれているように、熊谷先生の奥様が京都大学瀧川事件瀧川幸辰先生の次女に当たられる方であって、私(木佐)も熊谷先生が当時住んでいらっしゃった山科のお宅(瀧川幸辰先生のお住まいでもあった)に何回かお邪魔しました。まだ、大学4年生か修士1年のときだったのでは、と思います。このお住まいは、実に品のいいお宅でした。その後、京都市内では西に属するお宅も伺いました。先生の没後、京都市内のお墓には数度お参りしましたし、奥様から形見分けでネクタイも頂戴しました。司法改革関連の弁護士会行事で各地を講演で歩いていた頃です。
 今日、たまたま学生さんに手伝ってもらって研究室の片づけをしたところ、偶然に先生のご著作『歴史の中の家族法』(酒井書店、1963増補再版)が出てきました。古書店で300円で買ったもののようです。定価は350円。今と違いますね。

 法制史に関心を持っていたので、最初に書いた論文も歴史物でした。北大に拾っていただく前に、故・遠藤博也先生に初めてお会いしたとき、「君は、専攻は法制史ですか、行政法ですか」と問われたのも、北大での採用人事の際に、西洋法制史石川武先生が審査委員に選出されたのも、背景には、こういう事情があったのです。ちなみに、私の博士論文の審査委員には、刑事訴訟法がご専門の渡部保夫教授が選出されており、常に、異分野の先生に見張られていたという過去を背負っております。

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