法教育No.10 うっとおしい季節
法教育No.10 この時期、しばしば、最終回の講義の直前あたりから「単位を落とした」ときの救済措置を求める受講生の声が届きます。最初は、出席カードで、そして、成績発表の直後からは、電話や電子メールで。
就職や進学が決まっていながら、毎年、わずか1科目を落としたために、企業、両親、本人などから、「ナントカ卒業させてくれ」という悲鳴や、ときに、脅し(?)が来るのです。昨晩は、友人の手になる「嘆願書」なるものが届きました。あれほど、講義中に、この種の単位計算ミスや、うっかり不合格があるから、注意するように、と言っているのですが、実際に、例えば「海外卒業旅行から帰ってみたら単位が足らなかった」というミスをやってしまうのは、大体、講義にも出ていない人たち。要するに、普段、教室で、単位のとり方から、単位の危機管理の話をしていても、聞いてくれているのは、その種の対策が必要でない受講者・・・という大きな矛盾。
ホントに聞いておいて欲しい学生は、その場に来ていなくて、あとからとんでもない時間を我々教員から奪っていきます。そして、困るのが、こうした場合における各教員の対応がバラバラであることです。「A先生は、救済レポートを書かせてくださいました」、「B先生は、答案を見直して採点結果を変えていただきました」といった類の情報作戦が始まります。早い時点でいさぎよく自己責任として卒業できないという覚悟を決めた学生だけが馬鹿を見るという結果になりはしないか、心配です。粘り勝ちがいいとは思えません。
こうして、1年間の教育の面でもっとも嫌な、うっとおしい季節が、この2月から3月の試験結果の発表時期ですが、実は、もう1回、大きなヤマがあります。卒業予定者発表の当日です。このときに、初めて自分の要卒業単位が足りていなかったことを知る強者もいますから。
どうしたら、この憂鬱から逃げることができるのでしょう。この種のトラブルは、憲法の講義を担当した年度を振り返ると、ある理系学部に集中して起きます。多くは進学ができなくなるというケースと、教員免許が取れないというケースです。履修指導がちょっと違っているからなのでしょうか。よくわかりません。
| 固定リンク
| コメント (2)
| トラックバック (0)