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2006年5月の記事

2006.05.31

サルでもわかる『自治体法務入門』?

 今日、自治体法務関連のあるMLで、弁護士の方から、以下のような投稿がありました。

 日々、自治体関連の争訟事件も扱われている方ですが、法律家として自治体行政に関わることに楽しみがないわけではないにせよ、息の詰まるような現実の多くの自治体現場を歩かれているだけに説得力があります。

 私のいう痴呆(認知症状)自治体は、全国のほとんどの地域にあります。それにしても、多くの民間企業では、社員達が必死に資格を取ったり、勉強したり、風通しの良い職場風土づくりをしているのを見聞しますが、「先端の自治体」でも、「先端の民間企業」から相当に遅れた地点を走っているのではないでしょうか。

 以下の引用文と上記の解説文は、執筆者の同意を得ております。

……引用……
私が木佐さんの研究室を始めて訪ねた頃は、自治体はもうちょっとましなものかと勝手に想像していました。木佐さんたちが書いた「自治体法務入門」を読むようになってからも、どことなく、そこそこ自治体は何とかやっているのだろう、くらいに思っていました。

それがどうしてどうして!
自治体はしっかり無法地帯。
議会はサル山状態。

マスコミ記者の無能(弁護士もですが。)が自治体や議会のひどい実態をちっとも問題に出来ない。できることとすれば、刑事事件になった問題とか不正経理とか、素人だれでもわかるようなものしか報道しない。

報道しないということは、社会的には、「そこには問題がない」という錯覚をさせる。

と同時に、自治体法務をちゃんと考え、実践しようとする職員は、煙たがられ(?)、出世しない!

間違いない!

という現実を実感するばかりです。

「サル山でも役に立つ自治体法務入門」・・・これはきつ過ぎますかね。

……引用、おわり……

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2006.05.28

九大法科大学院(ロー・スクール)の入試・カリキュラムが大幅変更に!

九州大学法科大学院では、来年度(2007年度)の入試・カリキュラムから大幅な変更を行う旨、発表しました。詳細は、まもなく引き続き発表される予定ですが、当面は、九大法のホームページ上からご覧ください。

 既習者枠が50人として設定されたのも、積極的な意味をもってのものです。

 少人数教育をいっそう徹底させる、段階的な学習を密にする、といったところにポイントがありますが、担当する教員は、おそらくトホホ状態、ヨレヨレ状態になるでしょう。せっかく慣れてきた講義内容にも大幅な変更が必要だったりして。あれもこれも、ロー・スクール学生のためです。

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2006.05.26

議会による政策法務―「意見陳述人」(3)

 熊本市議会による新たな制度である「意見陳述人」に関する条例は、3月の議会で成立しました。「議会委員会条例の一部改正について」と題する13名の提出者による「発議第1号」のかがみ、および、4ページにわたる提案理由説明を掲げておくことにしましょう。

 この種の試みが、全国のどこで行われているか寡聞にして知りません。議会の活性化のため、あるいは、本格的・専門的な議論を確保するために、このような条例制定が行われている例があれば、是非、ご教示ください。

 また、この「意見陳述人制度」がやはり違法かどうかについてもご意見をお寄せ頂きますと参考になります。

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2006.05.24

議会による政策法務―「意見陳述人」(2)

 2006年5月22日のブログの続きです。地方議会委員会における「意見陳述人」の制度に対する反対論は、どういうものなのでしょうか。要約すると、次のようです。

  「第三者を委員会に出席させ、発言させることができるのは参考人又は公聴会に
  よる場合に限る」のが地方自治法第109条の趣旨であり、「意見陳述人」は「法
  律の限界を超えた制度」で、「これに基づく支出は違法、不当な支出」との評価を
  受けるおそれがある。このことは、平成3年までは公聴会以外では、委員会に第
  三者を出席させることができず、また、条例で法律を超える制度を設けられないの
  で同年の地方自治法改正により参考人制度が追加された、という経緯からみても
  いえることではないか。

 というものです。参考人という制度がやっと近年認められたのだから、それ以外の制度で議員以外の者が意見を述べたり、討論に加わるのは違法であり、いわんや、金銭的に優遇する(?)条例上の制度は、国の法律に違反する、というわけです。次回に、熊本市議会の13名の議員の連名で提出された「提案理由説明」を取り上げることにします。

 改正案は、次のようなものでした。熊本県総務部と熊本市執行部は、違法説と聞きました。そもそも、地方議会は、憲法で保障されており、地方議会は、地方自治法に書かれたこと以外のことは、本当にできないのでしょうか。地方議会の役割をどう見るか、が問われます。もっとも、地方議会無用論もあるほど議会への批判が多いことに留意する必要はあります。議会の「政策法務」という観点から、どう評価すべきでしょう。
 
  熊本市議会委員会条例
  第5章の2 意見陳述人
  第30条の3 委員会は、調査のために必要があると認めるときは、当該調査に
   関する事項について高度の専門的な知識経験又は優れた識見を有する者の
   出席を求め、当該知識経験等に基づく意   見を聞くことができるものとする。
  2 前項の規定により委員会に出席し、意見を陳述する者(以下「意見陳述人」
   という。)には、その旅行に要する費用として、熊本市職員等の旅費支給に関
   する条例(一部略)を準用する。
  3 前項に定めるもののほか、意見陳述人に対しては、当該意見の陳述につい
   て、1時間までごとに7,500円(一部略)の範囲内でその都度定める額に基
   づき算定した額の対価を支払うものとする。
  4 (略)

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2006.05.23

行政・自治No.52 熊本市のスキャンダル・リスト(暫定版)

行政・自治No.52 誰でも、自分の住んでいる街のことを良くしたいと思っているでしょう。私もその一人です。しかし、ずっと住んでみて、よくなる気配はほとんど感じません。今回、人事課そのものに不祥事の臭いを感ずる私は、思い切って、これまでのコレクションを公開することにしました。

 なるべく、全国の方に、見て欲しいと思っています。こうした「自治」体もあるにはあるのです。自治体を応援する立場の地方自治法研究者としては言いにくいことですが、「日本の自治体に自治は無理かな」と思わせるほどの迫力のある「量」です。

 この3~4年間の熊本市新聞記事コレクションです。私自身が、コツコツと集めたものです。記事そのものをスキャナーで読み込んでいますので、新聞社に使用料を払って、PDFファイル形式で公開しようとしましたが、新聞社は、特定の目的で集めた記事は、仮に使用料を払っても掲載を許されない、ということでしたので、断念しました。
 したがって、エクセルで、新聞記事につき、新聞社名、日付、見出しを整理しました。若干の発行新聞社がわからないものがあります。

 この掲載記事のすべてが「不祥事」ではなく、解説に属するものも入っていますが、大部分は「不祥事」と断言できるものです。記事の多くには、「人事課」が、「以後、○○○(改善、指導、徹底など)をします」という発言を載せていますが、その人事課が、もしも、仮に、問題のある組織だとすれば、下級の職員の腐敗・不祥事はなおも続くでしょう。

 興味深いことを3点だけ:

① 現市長が若くして当選された直後しばらくは、本当に、不祥事が紙面から消えました。これは、不祥事記事が隠されたのではなく、本当に、庁内に新しい風、雰囲気が瞬間的に流れて、不祥事が起きなかったからだと思います。誰かが、止めることができたのではないでしょう。

② この不祥事一覧で逮捕されるなどの行為をした職員の大多数は、いわば下級の職員だけと言っても過言ではありません。言い換えれば、普通の自治体であれば、幹部に逮捕者が出て当然の質と量の不祥事なのです。本当に不思議なことに幹部には不祥事がないようなのです。つまり、本当に、不祥事を起こさない幹部がたくさんいながら、部下なり下級職員の不祥事に歯止めをかけることが出来ない、という実態を、この一覧表は示しています。普通、部下は、上司の行動を真似て成長していくものなのですが・・・例外的な自治体もあるものですね。

③ この一覧表を、北海道ニセコ町の職員の方に見てもらい、同町でも1件くらいあるのかどうか聞きました。サラ金苦で退職するようなケースも含めて、本表に上がっているような事件は、この10年間、1つもない、とのことでした。結局、原因は、組織体質のようですね。

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2006.05.22

議会による政策法務―「意見陳述人」

 地方自治法では、議会の委員会の求めに応じて参考人として出席する学識経験者には、実費弁償として、鉄道賃等の交通費、宿泊料及び日当のみが支給されます。

 熊本市では、市内在住者には、条例の規定により交通費・昼食代なども込みで、日当の3,300円しか支給されません。ところが、議会の会議に出席した議員や教育委員会委員等には、市内在住者であるものの、日当プラス旅費相当の経費から構成される費用弁償が、俸給のほかに、1日8,000円支給されるのです。

 私は、数日の徹夜をして、パワーポイント画像を200枚以上準備して、パソコンなど重装備でタクシーで出かけたところ、実質的に1,000円ほどしか残らなかったのです。幹部職員と議員と多数のマスコミが並ぶところで、議会史上始まって以来の異例の会場レイアウト。パワーポイント上映のためです。数時間の拘束ののち、私の極度の疲労の対価が1,000円ほどでした。昨年春のことです。市議会は、さすがにまずい、ということで、参考人制度とは別に、「意見陳述人」等の名目で出席を求め、ささやかな対価を支給するという方針を決めました。

 ところが、これは、地方自治法109条違反である、というのが県庁と市執行部の見解です。市民は「協働」精神に基づき、あくまでもただ働きが原則、ということなのでしょうか。それとも、純粋に、地方自治法の厳密な法解釈に基づくものなのでしょうか。

 この続きは、次回。提案理由説明書A4サイズ4枚も読めるようにしようかと思っています。市議会の政策法務は、実現なったかどうか・・・

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2006.05.14

行政・自治No.51 ショッピングセンター誘致で市長選

行政・自治No.51 昨日付の朝日新聞大分版に、私の意見が載りました。(超)大型ショッピングセンター誘致をめぐる住民投票条例制定問題から、これを争点にするため市長が辞職。これを争点に市長選があるならと、条例制定はなしに。そして、市長選が今日14日に始まる、という別府市の件についてコメントをしました。今のうちなら、大分版限りのコメントですが、読むことができるでしょう。熊本市は、大型SC設置を長期間の議論の末、認めない、という結論を出したところです。こちらは、行政訴訟に展開する可能性がありますが、別府市も同様でしょう。両市において企業がすでに投下した資本は相当のもののはずです。私の田舎でも、合併に伴い大型スーパーが撤退という話を聞いており、どこでも買い物の場が一瞬のうちになくなってしまう危険性をもっています。もうすでに、都市中心部でも田舎の地域でも、高齢者や障害者にとり「日用品・食品の買い物をする権利」についての議論が必要になっていると思います。

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2006.05.09

行政・自治No.50 メダカの楽校のホームページが更新されています

行政・自治No.50 熊本市の管理職(課長級)昇任試験に関する情報公開・個人情報開示異議申立事件ホームページが更新されているようです。
 私も、少しずつ勉強して、この事件を根底から、分析し、追いかけていこうと準備中です。
 今日は、取りあえず、更新情報の提供までです。地方自治法の建前では、執行機関多元主義が原則のはずで、人事課(市長)と人事委員会は職務・機能を別にするはずですが、ホームページに公開されているものを読むと、なりふりかまわず、両者は共同作業を進めているようで、両者は、いわば一体的組織であることがわかります。Aさんや弁護士さん(私は、代理人ではありません)は、おそらく、情報公開・個人情報の審査会(なぜか、熊本市では審議会という名称)における意見陳述や、後の裁判のことを考えての戦術面から、具体的問題点は明かされていませんが、ホームページに載せられた書類を分析するだけでも、相当に勉強になります。インターネットで同市の例規集を調べても、また、各種の書式の掲示箇所も、ひな形として挙げられている書式の数も、改正漏らしのある条例そのものも含めて、貧相な法務(法無)の姿が見えてきます。
 次回は、私が住み、愛する熊本市のために行った議会での公聴会において参考人として出頭した経緯、その実態から、この3月に議会が規定改正を行ったこと(議会による自主立法議会による政策法務!!)、その内容が、県庁と熊本市市長部局からは「違法」と言われているようですので、そのことについて、書こうと思います。

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2006.05.06

弁No.64 世間は、ゴールデンウィーク!

弁No.64 今年は、10連休にも近いゴールデンウィークなのに、ロー・スクールの講義準備や貯まりにたまった仕事の片づけで、まったく「行楽」などとは縁のない生活です。

 昨年は、ゴールデンウィーク直前に、控訴審の国選弁護事件が割り当てられました。被告人は1日も短い刑期が目的ですが、控訴理由をまったく書く余地のない無茶なものでした。親族や内縁の配偶者などに法律事務所に来てもらい、拘置所通いも重ねて、なんとか量刑不当の控訴趣意書でも書こうとしたのですが、いかなる文献・前例を見ても、書きようがありません。全国各地の先輩弁護士(年齢は私より若いけれど、経験のある方々)にいろいろとうかがって、さらには、過去に提出された控訴趣意書などまで見せて頂いて、書き上げたのですが、ゴールデンウィークどころか、その後の時間もつぶれました。そうして、時間を費やしたものの、5月末には、勝手に本人が拘置所から控訴を取り下げていました。担当の高裁第○部の裁判長は、旧知の方です。いい加減な控訴状を書くわけにはいなかないのですから、必死で書いたものの、結局、お蔵入りです。

 先輩の弁護士の方々は、数知れず、こうしたすっぽかし事件とでも言うべき事件に付き合っておられるのですが、弁護士としては、事前に手抜きの可能な事件かどうかはまったくわかりませんから、全力投球です。それにしても、徒労感だけ残る連休でした。今年は、ロー・スクールの準備や、論文書きが中心ですから、徒労ではありませんが、休息がない状況だけは、少し離れてみたいものです。毎年、毎年、講義のない日々(夏休み・冬休み・春休み・その他の連休)は、こうして時間が過ぎていきます。

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