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2006.06.11

行政・自治No.54 国家官僚と闘うための自治体連合組織創立

行政・自治No.54 日本の自治体連合組織がもともと、高知県関西で、自治権を守るために生まれたことは、随分前から知っていました。全国町村会も然りであることを今朝方、改めて確認しました。

 かつて三重県度会郡に生まれた大瀬東作は、1920(大正9)年三重県町村長会を創立した後、官憲(高等警察など)に監視されながら、「官僚政治と官僚思想」への対抗から、全国を奔走し、大正10年に1道3府43県を網羅する全国町村長会(後の全国町村会)を創立し、副会長に就任しました。37歳のときです。彼は、54歳のとき病没しましたが、「疲れたからもう眠る」と一語を残して昏睡に入り、そのうつつの中で親友に「日本はひどいことになる、軍部が政治を・・・」と口にして逝ったといいます(佐々木仁三郎『大瀬東作伝』(三重県町村会、1971年)217頁)。この頃の自治体連合組織には、事務局に天下り官僚がいる、ということは論理矛盾だったのですね。創設時と今とは思想が違うようです。

 今も、真に地方自治確立に動けば「官憲の監視」があるだろうと思います。現在の日本で、こうしたリスクを厭わず市町村自治の確立にどれだけ本気になっているのか、危機感はあるようでありながら、その実、「何とかなる」という楽観論が過ぎていなければいいのですが。一方で、地方財政は危機である、といいながら、日々の新聞には、各地域の楽しい行事がいっぱい載っています。どっちが本当の姿なのか・・・

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コメント

今の官僚と地方自治と似ています。まさに大正時代の考え方がそのまま残っているように思います。
官僚が行なうことはすべて正しいと言う考えは基本的に変わっていません。
象徴的な存在が、公害であると思います。官僚はなかなか公害を認めようとしません。これでは地方の住民や地方公共団体はたまったものではありません。
法的には国家と地方が同列に置かれていますが現実は、大正時代そのままなのです。

投稿: 未来 | 2006.06.11 07:59

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