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2006.06.14

行政・自治No.55 こんな行政不服審査の運用が欲しい ― 内部告発警官復帰

行政・自治No.55 この6月6日に愛媛県人事委員会は、裁決で、捜査費不正支出問題を内部告発した巡査部長(57歳)が県警により不当な職場に配置転換された処分を取り消しました。13日には、元の鉄道警察隊に復帰されたようです。
 裁決で人事委は、県警が訓令を改正して新設した役職に異動させたことを「本末転倒の決断で恣意(しい)的だ」と指摘して、「公益目的で会見する者に対して不利益を与えないよう慎重な配慮をしなかった。異動は妥当性を欠く不利益処分」としているようです。

 実質的には知事部局に属するとも言える人事委員会が、県職員のほとんどが県の執行機関とは思っていない公安委員会=県警の不服審査事案について、考えようによっては、知事部局の事案より審査しやすかった?のかもしれません。いずれにしても、不服審査制度が機能した、しかも、人事案件での申請認容の裁決とは、本来は当たり前のことではありますが、信じがたいほど珍しいことのように思えます。

 この事例は、これからあっという間に行われるであろう行政不服審査法改正にもなにがしかの影響を与えていいでしょう。

 国、自治体、民間であれ、内部告発者が、ほとんど知らない間に退職あるいは左遷を余儀なくされている日本社会の中で、内部告発者の保護をしたという点でも、記念碑的な裁決でしょう。しかし、同氏に対する次の人事はもっと要注意です。マスコミや社会の目も監視を緩めるでしょうから。

 ところで、公益通報者保護法(2004年6月18日公布。この4月1日から施行されています)では、国家公務員や地方公務員が内部告発を行ったために受ける免職その他不利益な取扱いの禁止については、「第三条から第五条までの規定にかかわらず、国家公務員法(一部略) 及び地方公務員法の定めるところによる」(保護法7条)となっていますが、具体的にどういうことなのでしょう。国や自治体(の任命権者)は、「第三条各号に定める公益通報をしたことを理由として一般職の国家公務員等に対して免職その他不利益な取扱いがされることのないよう、これらの法律の規定を適用しなければならない。」(7条)としていますが、そのようなことを知っている行政機関の幹部職員はどれほどいるのでしょうか?

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