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2006.11.25

骨抜き

骨抜き 骨抜きというのは、鮭のように、1本1本、毛抜きのようなもので抜かなければならないものもあって、結構、苦労がつきものです。

 ところが、最近では、法律の改正で一気に制度を「骨抜き」にしてしまう、ホネの多い魚の缶詰化のようなものが結構あるようです。

 同僚の田中孝男氏がすでにブログで言及していますが、汚職首長への賠償請求権を議会が相次いで権利放棄する議決をしているということです(朝日新聞2006年11月20日付け夕刊)。

 これは、地方自治法改正による住民訴訟制度改正(改悪?)の審議時代から指摘されていたことで、「やっぱり」というだけのハナシですが、ことの影響は、日本国内にとどまりません。

 少なくとも、私がキャッチしている範囲内では、韓国でも日本の住民訴訟の「客観」訴訟としての機能にはかなり前から注目されているのですが、このたび、中国に行って、実際に、「受けないだろうなぁ、眠る学生がたくさん出るだろうなぁ」と思いながら、中国の教授から依頼されたテーマとして「住民訴訟」に関する講演をしたら、眠っている人はほぼ皆無で、質問も多く、関心の高さに驚きました。自己の権利利益に関係なく出訴出来る、というところに着目されているのです。

 アジアでは本家・宗家・本舗・老舗・元祖である日本の住民訴訟制度が機能喪失では、立つ瀬がないです。

 講演では、今後、日本では、住民訴訟事件数も減少し、従来ほどの機能を発揮しないだろう、と言っておきましたので、予想通りではありますが、情けない姿です。

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コメント

全国市長会の訴訟の係属状況調べによれば、4号請求訴訟については、14年を境にした顕著な変化は17年度までは、件数ベースでは、ありません。提訴内容をよく吟味する必要があります。

投稿: 田中孝男 | 2006.11.25 22:26

私が、この間、弁護士さんから相談を受けたケースのほとんどすべてで、住民訴訟改正に伴う手続の変化をご存知ありませんでした。推測ですが、住民訴訟を起こしても、こういう、首長に責任がない、と判断した監査委員が今度は原告になるというようなナンセンスな制度になっていることまで十分に理解しないで出訴に及んでいる場合が、現時点では少なくないと思います。結論的にむなしいものになることが、もっと世間に知れると件数は減ると予測します。

投稿: きさ | 2006.11.26 12:04

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