50日ぶりですが、生きています
50日間も、このブログを更新しなかった(できなかった)ため、さすがに、生死を問い合わせてくる方も出てきました。とりあえず、生存していることのご報告です。
4月1日にロー・スクールの講義が始まり、この7月30日に期末試験。昨日から3クラス分の採点を始めたものの、次々と入る雑事に追われ、どこかに逃亡でもして一気に採点しなければ8月9日正午の入力締め切りに間に合わない可能性があります。その入力も、大学の研究室からでないとできないので実質、あと3日間もありません。小レポートや、3回の小テストの結果、その他の要素を点数化して、エクセルで処理し、100点満点に換算し、上位者から順位を間違いなく付けていく作業があります。
世間は夏休みがあるようですが、8月20日まではロー・スクール関係で拘束続き。このあとも、修論審査、新司法試験のバーチャル試験の答案採点、すべてPDFにして保管されるロー・スクール学生答案に関する学生への質問回答、そして、すぐに、秋の大学院入試。北大時代には夏の2ヶ月間でかなりの研究上の仕事ができたのに、ここでは、ほとんどゼロ。
私の唯一の夏らしい行事は、8月1日の夜、(福岡市内の)大濠公園で行われた大花火大会に出かけ、外国からの留学生を招待して、少数のゼミ生といっしょに、ビールとつまみを持ち込んで、過ごした数時間で終わりました。この花火見学の場所は、とても遠いところで、法律事務所から歩いて5分でした・・・。桜が咲いたと思っていたら、期末試験の日は、土用の丑の日。今日、外を歩いていたら、もう、赤とんぼが飛んでいました。
それにしても、この4ヶ月間、完全に、司法試験予備校教師に成り果てました。そして、疲れ果てました。一体、だれがこんな制度を作ったのでしょう。今、わがロー・スクールでは、学生と教師、双方のメンタル・ヘルスのあり方が真剣な課題になっています。当然ですね。まじめにロー・スクールの担当をしている教員で、病院・医者へ行っていない同僚が果たして何人いるのでしょうか・・・
昨年度から大型科研費が当たっているというのに、この1年半、研究グループ代表としての私の研究作業はまったく進んでいません。今年度の研究計画にいたっては、まだこの時期に及んでも白紙です。文部科学省がロー・スクールに要求していることと、科研費受給者に要求していることと、通常の教育・研究のすべてを平均的にこなすには、3人分の能力と時間が要ります。一度、文部官僚も、全員、この苦痛を味わってみたらいいと思いますが。同省が国立大学法人に要求していることは、無責任であり、実際にはできないことや、論理矛盾のことがいっぱいです。
ブログを書けなかったこの50日間、信じられないほどの不祥事、不可解なできごとにぶつかりました。もとより、大学内の出来事です。自浄力はほとんどありません。九大の本部と法学研究院の場合、相当の内部告発をしても、絶対に私を処分できないような先例がたくさん蓄積されましたので、私も安心して、これから書くことにします。
もう、世間の方々に治していただくしかないと思います。自民党、社会保険庁、コムスン、消滅する某大監査法人などの不祥事も、今の私どもはとても批判・非難できるような立場にはないです。まったく同種の、しかし、ささやかな規模の腐敗は、着実に進んでいます。果たして、何十回連載したら、一応終わるのでしょうか・・・。コンプライアンスなど絵空事、というと言い過ぎでしょうか。
| 固定リンク
「日々の出来事」カテゴリの記事
- また,Wikipedia 改ざんが始まりました。(2020.03.20)
- Wikipedia の 木佐茂男 の項目について(2019.12.26)
- 『日独裁判官物語』DVDで復刻版 販売開始(2019.12.12)
- くれぐれも違法コピー・違法PDFが出回らないように(2016.04.09)
- 阿部泰隆先生によるコラム 「木佐茂男九大教授の最終講義」(2016.03.31)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント
>一体、だれがこんな制度を作ったのでしょう。
学者でしょ。
制度が発足してから愚痴って、卑怯ですよ。
投稿: dda | 2007.08.13 02:35
仮に、「学者でしょ」と言われても、私は、制度創設に発言力のある「学者」ではありません。私は、このロー・スクール制度創設に関しては、何の関わりもない単なる研究者です。責任はまったくありません。ちっとも卑怯ではありません。法人の一従業員として、業務命令に従って忠実に仕事をしているだけです。ちなみに、「学者」という言葉は、個人的には好きではありませんので、使わないことにしています。
投稿: きさ | 2007.08.15 00:37
2chから来ました。
この続編を期待しております。
九大の腐敗を世界に告発してください。
投稿: 九大生 | 2007.08.17 14:51
世界に告発する、などという大げさなつもりはなく、自分の勤務先を良くしたい、という思いだけからです。確かに私どもの職場は、法律を共育(教育)対象にしている、もっといえば、「正義」を売り物にしている職場ですから、教職員はきちんと発言しなければならないと思います。でも、どういうご事情からなのかは不明ですが、皆、沈黙なさるのですよね。個人的に話すと、(私が個別面談をしている教職員の範囲内では)、まず誰もがおかしい、と思われているのですが。ただ、私が「個別面談」をしていない教職員も、半数を超えますから、統計的には、「全員が」などとまでいう気はありません。今の世の中、すでに、「唇寒し」ですから・・・。言っただけ損です。でも、私、特段、失うもの、ないですから。
投稿: きさ | 2007.08.17 23:00
卑怯ですよ。仮にもそのポストに居座ってるんだからさ。
私は博士持ちニートですが、仮に九大の誰かに酷いことされたら、
自爆覚悟での秘策はありますよ。卑怯な人には言わないけどね。
ポスト無いので、これからも無いんだと思えば痛くも痒くもないです。
私は「学者」って名乗りたいな。
投稿: 洋子 | 2007.08.22 02:30
唇寒し、とも、卑怯とも、どちらもそんなことはない、と思いますが。。。
LSがいかに研究活動の重しになっていることについて、すでに学術会議からリポートが出ましたよね。 研究・教育・LS教育・学内行政 etc... 一人の教官が受け持てる上限ははるかに超えていると思います。
そんな状況のなかでも、研究者には、若い時から指導教官の修練のもと、学問的な素養を通して「志」と「良心」とが、そなわって、今の姿があるのだから、唇寒しなどということはないと信じています。だから、今の信条をとおしてほしいのです。 木佐先生、負けないで!
投稿: あき | 2007.08.28 22:44
分かってるんなら行動に起こしてくださいよ。
学生には無い、発言できるだけの「ポスト」があるのでしょう?
投稿: あつし | 2007.09.01 20:22
ブログを書けなかったこの50日間、信じられないほどの不祥事、不可解なできごとにぶつかりました。もとより、大学内の出来事です。
>> そう思う・そう気づくということは、木佐先生が世間一般人から見て常識的である、ということではないですか。 でも、それを一気に書いたら大学が崩れそうな感じ!?ですから、「こんなものいらない○○ 」を期待しています。いや、できたら単行本で。
投稿: あき | 2007.09.03 00:05