「心の機微を理解する能力のある人材をいかに辞めさせないか」
たっぷり2カ月も間が空くと、何のテーマから再開していいのか分からなくなります。当然のことながら、この間、書きたいことは山のようにあったのですが。
1カ月ほど前、ある日の午前中に、公法講座の教員全員で次年度の講義計画などを話していた際に、誰かが、あと1カ月で研究院長選挙がある、と述べました。4月1日が交代時期ですから、いささか早いのですが、12月に決めて、引き継ぎを入念にするため前倒しになったようです。
その選挙の話を聞いて、当日の午後から頭痛がし出して、翌日は終日寝込むことになってしまいました。風邪に似た症状で寝込んだのは、20年以上なかったことです。
「研究院長=学部長選挙」→頭痛、という図式は、普通の方にはわからないでしょう。国立大学が独立大学法人になってからは、教授会で選出される研究院長=学部長が、副研究院長を指名する制度に変わりました。それ以前は、選挙で選ばれる2名の評議員がいたので、新陳代謝の可能性があったのですが、いまや世襲制に近い形になり、トップの候補者を教員集団が複数人持つということが難しくなりました。
事情が分かる人だけしか分からないでしょうが、よって、私の頭痛が生じたのです。
今日(17日)の朝日新聞の夕刊に高卒後46年間帝国ホテルで接客係を務めた方の話が載っていましたが、ホテル業界の若手の引き抜きの激化について、本文末尾で次のような言葉を語られていました。「心の機微を理解する能力のある人材をいかに多くそろえ、いかに辞めさせないか。今後は、それがますます重要になる。」と。
我が支社は、問題の所在がわかっていない、という点では、もう手遅れね。
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コメント
役人でも相手の心の機微を理解することができるような人柄の人は少ない。
木佐先生、どうでしょうかね、われわれも国民だからといって役所を説明責任を果たしていないと責める前に、普通の大人として、一対一の話を前向きな気持ちで誠意をもってできるか、お互いにそういう心構えがあるかどうか、ということのほうが大事だと思うのですが。
これはすべてのことに言えるように思います。人は育てるのではなく、育っていくように仕事を通じて、周りが仕向けて成長させていくのです。それを、やる気をそいだり、どなったり、責任をなすりつけあったりの今のような大学や役所では、確かに人は育たない。つぶしているのです。
おそろしいことにもしかしたら誰もこのことに気が付いていないかもしれない、そして、大学が役所になってしまいかねないか、、、心配です。
投稿: あき | 2007.12.18 19:20