桜花爛漫の南西ドイツから吹雪のベルリンへ
なんと、「2006年度」の繰り越しの文部科学省科学研究費でドイツに数日ほど来ています。ずっと列車で移動だけの旅と言って差し支えありません。いくつかの電話やメールでは済ますことのできない用件によるものですが、明日(20日)の朝はもう帰国のためフランクフルトに向かいます。
ともかく海外に出かけるような時間的余裕がないのが実態で、新学期直前に講義の準備をする間もなく別件の海外出張もあります。海外にいても、毎日、ロースクール事務室から次々と各種書類の提出要請のメールが来ます。回答は、とても締め切り日に間に合いそうもありません。4泊で電話代とインターネット料金が1万円弱というのは異常ですね。これも自己負担。不正な科研費使用は厳に取り締まられますが、インタビュー相手への土産や通信費などは完全に自費。動くだけ損という世界です。
昨日(18日)と今日(19日)はドイツ西南部で桜花爛漫。見事な濃いピンクと白色の桜を見た後、6時間後のベルリンでは吹雪の歓迎に遭いました。
3カ所での打ち合わせやインタビュー内容は別の機会に報告することとして、日本では系統的な法教育が本当にないこと、幹部になればなるほど、法的観点がなくなってくること、そして、ドイツでは自治体連合組織でも非常に多くの職員が法曹資格を持っていることを再認識しました。人口120万人台の時代のミュンヘン市でも法曹資格をもった職員が200人はいました。今から20年くらい前の話です。
日本のロースクール問題、あるいは「過剰」合格者問題を考えるにあたっても、日本で3,000人の司法試験合格者の話をしたら、「えっ! そんなに少ない? たったそれだけ?」と言ったドイツ都市会議の女性幹部職員(ご本人も法曹資格をもち、1年間は弁護士勤務。その後、省庁勤務。それからさらに研究自由度の高い都市会議に応募して移ったということでした。美人ですが、ここでは写真の掲載は避けます)の言葉は、しばらく忘れることができないかもしれません。日本の司法試験合格者のソフト・ランディング策が今、問われていると思います。
いくら、「国情」が違うとはいえ・・・・。日本において「法」のあり方について根本的に考えることなくスタートしたツケがロースクール学生に向かうとしたら、政策の貧困、システム設計のまずさは、度を超えていると言っていいでしょうね。
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