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2008.03.18

広報担当は密告組織?

 過日、九大の広報室の話を書きました。広報担当者とやりとりをした直後、私のスイス・ツアー監修・同行は、「兼業ではないか」、という報告ないし届け出をすぐに本部の人事課にしたそうです。直ちに、法学部の庶務(人事問題)を担当する庶務第3係から私に連絡がありました。私は、当然に、出張手続もその他の必要な手続も取る予定でした。

 正直言って、私の身体にとっても厳しい仕事についてサポートしてくれるならまだしも、「兼業」に当たるだろうから事務方から手続をしっかり取れという、遵法意識からくる人事課への「密告」は、広報室の役割・仕事の順番からしていかがなものでしょうか。ツアーの出発前日も講義、帰国翌日もロースクール講義、ツアー中の休講は必ず補講をしなければならないのですから、こうした激務に耐えている教員を何とか少しでも支える(いたわる)気持ちはまったくないのでしょうか。

 こうしたツアーの期間中は睡眠時間は3~4時間になります。かつて1998年に『日独裁判官物語』の取材に同行した北大時代にも、撮影の全期間の1ヶ月、完全に睡眠3~4時間の日が続きました。こういう場合でも、九大だったら、「好きでやっている」としか評価できないのでしょうね。どう考えても、ツアーの期間中の7泊8日は睡眠3~4時間になるわけですから、せめて、「労働基準法上の配慮はできているのか」と言った助言か質問を、学部(研究院)の管理職にするのが、まずは筋でしょう。「広報」は、誰に、何を伝えるのが職務なのか、私には不思議に思えます。
 
 折しも、今日、このようなメールをいただきました。


> 今日、ある雑誌に依頼された巻頭言を書き上げ、
> 締め切りギリギリに提出しました。
> 昨年12月号には、木佐先生の巻頭言が載っておられました。
> 「法改革では、社会は変えられない」というメッセージ、
> とても感動いたしました。
> 法、法・・・ を強調して、自分たちから動かない現場が
> 多いですから・・・

 兼業禁止規定に違反するかもしれない、という遵法意識をもつ広報室の「コンプライアンス」精神よりも優先する何かがあるような気がします。まさに、他人の違法性を主張しても、よほどしつこく指摘されない限り自分たちが不合理なことの改革に動かないというのが卑怯な姿勢に思えてしまいます。

 ちなみに、記者会見には広報室から誰も来ることはできない、ということを何度も聞いていました。しかし、会見時間になって、本当の目的が何かはまったく分かりませんが、広報室の係長が見えました。しかし、会見内容を報道するとも、しないとも何も判明しません。感想の一言も聞けませんでした。これが、ご本人たちがまったく意識されていない官僚制というものなのでしょうね。監視しに来るのだったら、来て欲しくなかった、というのが正直な気持ちです。

 当然に、私の所属組織の管理職もご多忙ですから、会見に立ち会ったりはしません。この間ずっと観察していますと、どうやら、同僚教員の仕事は、外に宣伝したり、賞などを取るように努力したりする、ということはしない方針が確立されているようです。教員を平等に扱っていないという批判を避けるためなのでしょう。

 大学本部や学部(研究院)幹部から、「高額の研究費を取ってこい」、「社会連携活動も行え」と言われて、すなおに、何もかも、手作業、手作りでやっている教員に対する仕打ちなのかと思うと悲しいです。

 こういうことを書く私だけが、やはり異常なのだろうと思います。近々、精神病院にでも行った方がいいのでしょうね。

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