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2008.10.20

弁No.82 ネットで『司法統計年報』を見ると

弁No.82 私のパソコンでは、今、最高裁のホームページにある『司法統計年報』が全く見えません。白い別画面が出てくるだけです。私のパソコンだけ?(その後、見えるようになりました。原因は不明) 急な必要があって、統計グラフを作りたくて、特に見たいときに限ってこういう状態。

 それにしても、平成12年(2000年)をもって、『司法統計年報』の厚さが5分の1くらいになったのは何故でしょう? 平成11年(1999年)5月に、「行政機関の保有する情報の公開に関する法律」ができたことと関係しているのでしょうか? ロッキード事件の関係者の不起訴を容認した「宣明書」の写しやアメリカ側との交渉記録など重要文書の公開を都内の団体職員が最高裁に請求したのが2001年。そして、最高裁が保管していないことが判明し、そのことが報道されたのが、平成16年(2004年)3月22日。
 文書を請求した人は、「最高裁が文書を隠している」と言っているようですが、最高裁は「文書は存在しない」と裁判の中で主張し続けていました。最高裁の言っていることが正しいのでしょう。つまり、廃棄した(捨てた)、という可能性ですね。

 そして、もう一つの、私にとって20年来の謎。『司法統計年報』の行政訴訟データと『法曹時報』の例年9月号に載る行政訴訟のデータが、毎年、微妙に違うのは何故でしょう。いずれも最高裁で作っているはずです。正確にいうと、前者は最高裁事務総局の編集で、後者は最高裁事務総局行政局の名義ですから、そこで違いが出てくるのでしょうか。

 外国の司法統計は、容易に発見、分析できるのに、日本の司法データは簡単に分析できない、というのは情けない話です。

 9年ぶりに全面改定の『テキストブック現代司法』(第5版)作成中の1コマです。

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コメント

こういう大事なテーマにもコメントが付かないって、寂しいですねぇ。

投稿: きさ | 2008.10.22 23:03

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