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2009年3月の記事

2009.03.28

2008年度の法科大学院の認証評価結果の公表

 独立行政法人 大学評価・学位授与機構が行った2008年度法科大学院認証評価委員会による認証評価結果が公表されました。

 今回は、前年度と異なり、東大、京大、東北大、名古屋大、阪大など16の法科大学院が評価を受けており、九州大学も対象でした。

 今回、「不適」とされたのは同志社大学と神戸学院大学です。残り14の大学は「適合」ということになります。「当該法科大学院の主な優れた点」が大学ごとに挙げられていますが、東大は7項目、京大も7項目あります。ざっと見たところ、14大学だけで比較すると、1大学だけが、この「主な優れた点」で2項目で最下位。わが大学は3項目のみですから、下から2番目ということになりますね。同じ3項目組は他の大学にもあるようですが。

 この認証評価のために、一体どれだけのエネルギーが費やされたことでしょうか。

 教員の労働強化、多忙な教員の教授会での居眠り(私も入っている。)、忙しい教員とそうかなぁというグループへの教員の2極分化の進行・・・課題は尽きません。ロー・スクールの教授会の方で軽い居眠りをしておくと、その後に続く3つの教授会はほとんど眠くないですね。隣席の同僚に、ときどき回覧物でつつかれています。

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2009.03.27

借地人、借家人に補償のない用地買収を最高裁が容認

自治体法務・政策法務  最高裁は、19億円もの用地買収事案で、その用地上に600台以上のパーキングを経営していた借地人に対する補償交渉を一切することなく、なお借地人が現に事業を経営しているにも関わらず無補償で所有権者から、当該土地を買収し、更地として移転登記する行為(契約とその履行)に違法性はない、とする判決を昨年末に下しました。

 今後、借地人、借家人は、彼らが知らない間に地主や大家さんによって土地や建物が売られても仕方がない、という判断です。

 最高裁では高裁判決を維持する、いわゆる三行半の判決ですので、高裁判決の内容が決定的に重要になります。

 これまでの用地買収の大原則と実務を根幹から揺るがす大きな影響をもつ判決です。財政危機の折、自治体は補償基準によらない安い価格で土地を買い上げることが可能になるかもしれませんし、逆に、コネのある有力者には私法契約とういことで超高額での買い取りも可能となるでしょう。他方で、借地人は居座ることが可能であれば占有権を理由に用地買収をした自治体に対して居直ることも可能ですし、弱者であれば無補償で追い出されます。借地・借家人で事実上強い立場にあれば地主や大家に超高額の立ち退き料をふっかけることも許されることになりそうです。このように、「私法契約」を理由とする自由を認めた判決の影響は、これが全国での実務の原則になっていけば、きわめて大きなものとなるでしょう。

 補償基準の根本的な書き換えが、国のレベルでも、自治体のレベルでも必要になるでしょう。

 今回、被害者である当事者の方により、ブログが開設されたようですので、事案の影響の大きさからして、とりあえずご報告をしておきます。

 全国で用地買収をされている自治体職員、国家公務員、あるいは政府関係法人、地方の土地開発公社の方などは多いと思いますので、ご意見もうかがいたいと考えています。

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2009.03.25

弁NO.92 人事異動の季節 ― しぶしぶの人事

弁No.92 “月給の順に並んで月見かな”という裁判官社会を風刺した川柳がありました。

 良心に従い裁判業務を行っているものの、常に、地裁支部から地裁支部あるいは家裁支部に異動を命じられてきた裁判官が詠んだ読んだ短歌(狂歌)として関係者の間で有名なものがあります。

 最近、必要があって、元の短歌の作者は誰か、下記のうちいずれがオリジナルの文言かを調査中です。ネットで検索すると、実にたくさんの表現に変わっています。大体、作者のメドも、元歌(?)のメドもつきましたが、皆さんもご一考を。

〔1〕 
しぶしぶと支部から支部へと支部まわり、四分の虫にも五分の魂

〔2〕
支部支部(渋々)と、支部から支部へ支部めぐり、支部(四部)の虫にも五分の魂

〔3〕
しぶしぶと支部から支部へと支部まわり、四分の虫にも五分の魂

〔4〕
渋々と支部から支部へ支部参り、支部の虫にも五分の魂

〔5〕
しぶしぶと支部から支部へと支部めぐり 四分の虫にも五分の魂

〔6〕
シブシブと支部から支部へ支部巡り,四分の虫にも五分の魂

〔7〕
しぶしぶと支部から支部へ支部めぐり,支部の虫にも五分の魂

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2009.03.24

春ですね

Dsc_0140_small ボケ、梅、、コブシ、モクレン、彼岸桜、その他の桜、何もかも一斉に咲いてしまった今年の春。福岡の裁判所周辺も今はもう桜の満開。これからは、ほとんどすべての桜は、彼岸桜と改称しなければならないようです。

 この自転車店、「空気入れ放題」の大サービス。入れすぎれば、パンクして、上の説明にあるように1,000円でパンク修理、という順序なんですねぇ。

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2009.03.23

1億1800万円の工事を街の職員が口頭契約!!

 この2008年3月19日付けの新聞によりますと、私が住んでいる街で、施設移転に伴う工事など1億1800万円契約を広告会社1社と口頭で結んでいたことが分かったそうです。

 移転先の内装の基本設計や工事について、一括して、この街に本社がある広告会社と契約を結び、口頭で済ませたため契約書もないということです。

 この街は、その職員を、2月に停職3カ月の懲戒処分にしたそうです。この1億円強の全額が、街から払われたわけではないようですが、それにしても、この程度の懲戒処分で済むものかどうか・・・

 最高裁も、2007年2月に、契約書作らずに裁判員制度のPR映画を作ってしまい、問題が明るみになってから「契約書は現在決裁中」としているようですから、上記の処分は、最高裁の事件と比較すれば、ひょっとして重すぎるかもしれません。報道によると、最高裁は「裁判員フォーラム」でも、広告会社との契約書を開催後に作成していたことが明らかになったばかり、といいますから、公共契約法違反の常習犯? 後からツジツマ合わせの契約書が作成されればいいのですね?

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2009.03.19

独日法律家協会の学会誌全部お譲りします

 1988年創立の独日法律家協会(ドイツのハンブルク事務局があります)の、おそらく日本人では登録第1号の会員でして、年2回刊行されるドイツ語の学会誌『Zeitschrift für Japanisches Recht』を、創刊号より全部持っています。現時点では第26号が出ていますが、置き場所がないために全部、焼却処分しようと思います。

 2年間の留学から帰国した1987年、その後、1988年の創立前には、設立の立役者で、その後、理事長をなさっていたグロートヘア・ハンブルク財政裁判所長官(当時は、一裁判官。その後、裁判長裁判官、そして長官に昇任)と、研究者だけの学会は意味がないからどうしたらいいのか、ということを真剣に議論し、同協会の発足前に寄付もしてきました。(日本の一部の文書にはグロテアとかグローテアと表示されることがありますが、同長官はオランダ系で、ドイツ語で言えば、「大きい」を意味する gross と Herr の2つの文字がつながっていますので、ご本人の言によっても、カタカナで書く場合にはグロテアやグローテアはちょっと違うように思います)

 ただ、九州のような辺境の地にいますと、会員身分があった期間に一度も東京での行事、いわんやドイツでの定期的な行事にただの1度も出席することは叶いませんでした。

 そこで、本棚にまったく余裕がないこともあり、この際、一切を廃棄処分します。送料をご負担いただければ、捨てる前に寄贈します。関心の在る方は、ご連絡ください。近年の各号は、大体300ページ近くの厚さがあります。年会費は、現在75ユーロですが、日本円では大体8千円か9千円だったと思います。したがって、約18万円分くらいの会費に相当する機関誌とお考え下さい。

 九大図書館(付属図書館・文系図書室とも)は保管場所がないため、所蔵は無理だと思いますので、寄付(寄贈)する予定はありません。ご希望の方を1週間程度待った後、もし複数のご希望があった場合には、公共的な機関を優先して寄贈させていただきます。

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2009.03.15

こういう会議のあるところ

 次のようなデジタル・メモと印刷物が見つかりました。いつ保存したかわかりませんし、どなたの作品かわかりません。著作権をお持ちの方、無断引用、ごめんなさい。

 『下衆(げす)の会議

 ・呼んで集まらず

 ・集まって合せず

 ・合して議せず

 ・議して決まらず

 ・決まって行わず

 ・行って責とらず

 その結果がガラパゴス現象だったり、シーラカンス現象だったり・・・。

 身近でみるのは、「合して議せず」、「決まって行わず(決まったことを意図的に異なった内容で行う)」、「行って責とらず(自分に責任のある問題であること自体に気づかず、 または、責任をとることが起きているのに気づかず)」という部分ですかねぇ。こういう状態にまで至ると、本人は幸せですね。

 大学の中がこういう状態であるはずはない、と信じていますが。

 かつて、『日独裁判官物語』に登場された現職裁判官が、裁判所の中では、「見ざる、言わざる、聞かざる、考えざる」の4猿ですね、と言われていたのと似ているのか、違っているのか・・・

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2009.03.10

行政・自治No.101 ルビ文化 あるいは フリガナ文化

行政・自治No.101 以前のブログや全国町村会『町村週報』の「閑話休題」で、ルビが振ってない挨拶文を読んだために、一種のスキャンダルになった首長のことも書きましたが、最近、また同じようなことにぶつかりました。この件、まずは2009年1月7日付けの「ブックスタート」に飛んでいただき、そこから閑話休題のPDFファイルに行ってください。

 ある役所で、トップの発令になる辞令をもらいましたが、その辞令を代読した幹部は、「きさしげお」と書かれたポストイットを付けたままで交付してくださいました。

 ちょっと、何か・・・変な感じが。

 例えば、小中学校の校長先生が卒業式で卒業証書を渡すとき、ルビを振ったものとか、フリガナを付けた別紙を横に置いて、証書を読んだりはしないですよね。

 記念に、ピンク色のポストイットの貼ってある白地の辞令をしばらくは大事に保管しておくことにします。ここで、PDFファイルにしたものか、JPG写真で公開するのは簡単ですが、さすがにはばかられます。

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2009.03.05

『行政法研究の途半ばにして ― 間田穆教授を偲ぶ』

 「行政法研究の途 半ばにして」亡くなられた故・間田穆(まだ・あつし)教授追悼文集に寄稿しました原稿を載せました。 → こちら

 同教授のことについては、グーグルでもヤフーでもあまり載っていないようです。追って、少し書き込みをさせていただきます。今日のところは、とりあえず、PDFファイルの掲載のみです。

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2009.03.03

『また、時は流れて ― 追想の今村先生』

970926tsuisonoimamurasensei 今村先生追悼文集刊行会また、時は流れて ― 追想の今村先生』に寄稿させていただいた原稿をアップロードします。 → こちら
 延べで81名の寄稿者です。著名な先生方をまったくの順不同、基準なし、敬称略で挙げれば、佐藤功、芦部信喜、園部逸夫、正田彬、小山昇、五十嵐清、深瀬忠一、室井力、小早川光郎、濱秀和、中村睦男、厚谷襄児といったお名前がすぐに目に入ります。

 北大のホームページの中に、「キャンパス探報 今村先生の歩いた路」という写真付きの記事があり、そこには、北大で売られている「北大に咲く花」という絵はがきシリーズの撮影者が今村先生ご自身であることなどが書かれています。このHP記事には、この絵はがきシリーズが、「北大の誇るべき小さくも珠玉のような文化遺産のひとつであるといって言いすぎではない。」とも書いてあります。

 ある教え子の方の文章には、遠藤博也先生が危篤になられたとき、同じく北大病院に今村先生が入院されていたことも書いてありますが、そういえばそうだったし、そのこととの関連で・・・と、また思い起こすことがありすぎ、また、語りたいことも多く思い出されて困ってしまいます。

 ネット上で見る限り、上記のサイト以外には、本書について書かれた記事はないようです。本書は若干の古書店で売られているようですが、もともと非売品です。
 

 付け加えますと、本書は、全国の24大学にしか所蔵されていないようですが、九大法にもあります。
   請求記号: 九大 法 Aj 15/I/2 015111997024371

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2009.03.02

弁No.91 小学生の将来の職業像 ― 弁護士・政治家・大学教授?

弁No.91 李芝妍 二〇〇九年開学を迎える韓国の法学専門大学院をめぐる動き」『法律時報』2009年3月号84頁を読んでいると、韓国の小学生の将来の職業希望ベスト・スリーは、弁護士、医者、政治家である、と書いてありました。

 日本でそんなはずはない、というのが直感。早速、調べてみました。2007年2月現在の内閣府調べによるものだそうですが、予想通り、日本でも医者は挙がったものの、弁護士や政治家はありません。

 まぁ、当然ですね。
 日本の場合、弁護士は少なすぎて、見たこともないし、イメージもできないし・・・ということでしょう。政治家は、たいていの人は汚い職業と見ているでしょうから、あこがれの業ではない・・・。一生のうちで政治に関わらなかったことを自らの誇りにする人の多いことか。

 小学生男子で5位に「大学教授・科学者」が挙がっていますが、これは、理系を念頭においた上で、かつ、大学教授・科学者の処遇の現実を知らないから、挙げることができるのでしょう。九大大学院の法学府(法学部の修士課程・博士課程)の公法分野(憲法・行政法)では、2009年度の研究者志願者は、日本人は1人もいませんでした。合格者が1人もいなかった、というのではなく、志願者・受験者も1人もいなかったということです。学生は、大学に入った後、現在の大学教員の現状を見ると魅力を感じないのは当然でしょうね。教授会のときでも、出席しているうちの何割かは、明らかに研究や教育で過労の表情を現しつつ、服装はホームレスの方のように見えるのです・・・。服装、履き物からも教員の生活水準、研究者になった場合の姿が分かるのでしょう。数年後以降には、団塊世代の大量退職により、膨大な人数の憲法・行政法の教員が必要になるはずですが、どの大学にも研究者志望の大学院生はほとんどおられないようです。

小学男子の将来就きたい職業

1位 スポーツ選手 33.6%
2位 医者、歯科医、薬剤師 4.8%
3位 学校の先生 3.7%
4位 会社員 3.5%
5位 大学教授、科学者 3.3%
6位 警察官、消防士、自衛官 3.0%
7位 自動車整備士、自動車などの運転 士 2.6%
7位 コック、調理師、栄養士 2.6%
7位 コンピュータ関係 2.6%
10位 パン屋、ケーキ屋、栄養士 2.0%


 〔小学女子の将来就きたい職業

1位 獣医師、動物飼育、ペット屋など 11.0%
2位 幼稚園・保育園の先生(保育士) 9.9%
3位 パン屋、ケーキ屋,栄養士 9.2%
4位 看護師、介護福祉士 6.2%
5位 作家、アニメ作家、マンガ家 6.0%
6位 歌手、ミュージシャン、俳優など 5.3%
7位 学校の先生 5.1%
7位 スポーツ選手 5.1%
9位 画家、デザイナー、写真家 4.8%
10位 医者、歯医者、薬剤師 4.6%

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