弁No.93 「しぶしぶ」の歌、その後
弁No.93 過日、2009年3月25日付けのブログでご紹介というかお尋ねした「しぶしぶ・・・」の狂歌の作者とその元々の内容が分かりました。
元裁判官の下澤悦夫氏のご尽力で、かねてから作者と考えられていた元裁判官の田中昌弘氏と連絡が取れました。田中氏は、当時の事情についてこのたび書いていただいた全文を公開してもよいとのご返事を下澤氏に下さいました。
そこで、まず、「元歌」から改めてご紹介します。なお、この元歌は、速達によるお手紙で、それが私に転送されて届いたのが4月3日。10年ぶりの大改訂になる『テキストブック現代司法〔第5版〕』の校了に、あと1時間というところで間に合いましたので、同書(5月初旬に発売予定)に載ります。
元歌 「しぶしぶと支部から支部へ支部めぐり四分の虫にも五分の魂」
3月25日付けブログの〔5〕が正解であった、ということになります。私は、下澤・元裁判官と同じく、〔7〕が正しいものと記憶しており、上記の原稿に書いておりましたので、訂正を致しました。
田中・元裁判官からの下澤・元裁判官へのお手紙には、「この件について僕の名が出ることは一向に差し支えありません。」と明言されておりますので、以下、下澤・元裁判官宛のお手紙をそのまま引用させていただきます。
田中・元裁判官は、ご自身の地方裁判所支部を中心とする勤務先9箇所を列記された後、「思い起こしてみると1981年の豊橋支部のときに3連続支部を腹に据えかねて書いたのではないでしょうか。」と言われています。
そして、以下の文章が続きます。
…… 以下、手紙原文から引用 ……
「四分の虫」は「一寸の虫」の原義に対して支部と四分をかけて「身の丈に余る意気地」の意を込めたものでした。
裁判官の仕事を経て、下手な引かれ者の小唄のほかには記憶に留められる何ものもなかったというのは憮然たらざるを得ませんが、それでもこの自虐的な苦吟が人に知られて、仕事では人後に落ちないというひそかな矜持のみを支えとして、いささかもくじけることなく、終始晴々朗々と勤めた裁判官がいたことをわかって下さる人があれば嬉しいことです。
…… 続きは、さらに載せます ……
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