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2009.06.04

弁No.96 初めての最高裁上告審

弁No.96 今日は、ロースクールの講義を2コマ終えて上京です。

 「大阪国際空港事件」の空港は、伊丹空港のことか、関西新空港のことか、とロースクールの講義中に問いかけても「わからない」という若い世代の方に講義をすると、本当に講義時間がなくなります。大阪国際空港訴訟上告審判決と言っても、27年前の判決です。大多数の学生は生まれていません。

 過日、成田市内の公立高校を出た公法学者が、成田空港事件を大学院に入ってしばらく経つまで知らなかったという話を書きましたが、いまや、前提認識を共通化できない話が多すぎるようになりました。明治時代の官僚の方が、今よりも清潔だったかもしれない、という話をしてもピンと来ないようですし。

 このような学生諸君が無記名で自由に書ける講義のアンケート調査が今週一斉に行われています。結果は、遠慮会釈無く、公表されます。教員で退職者も自殺者も出ないのが不思議です。私のような気の弱い人間は、こういう無差別評価、年から年中続く入力作業が続くと、1日も早く教員を辞めたい、というより、年から年中、いつ、ロースクール教員を辞めることができるか、だけを考えているのが正直なところです。

 で、一見関係ないのですが、明日は、福岡高裁第三民事部平成19年3月22日判決(平成18年(ネ)第547号)(多くの判例データベースに載っています)の上告審口頭弁論が開かれます。一審で敗訴していた事件を、二審でひっくり返し(ここで、「宝塚市パチンコ店規制条例事件の最高裁(調査官)判決の限定解釈が行われていた)ていたのに、その判決をまた逆転させるための弁論です。もっとも、上告理由を読む限り、高裁判決のどの部分について、どのような観点から最高裁は見直すつもりなのかさっぱりわからないので、おそらく数分間で終わるであろう上告審の現場を見るしかありません。

 今まで、外国の憲法裁判所判事をお連れしたり、最高裁判事との面談のために、それぞれ異なる入り口から何回も入ったことのある最高裁ではありますが、明日は、当事者としての入り口から入ることになり、長官用、普通の最高裁判事用、職員用、当事者用といろいろある入り口の3つ目の門を味わうことになります。

 今日は、ロースクール学生に、講義中に、アジア諸国・地域の憲法裁判所の外観や内部写真もパワーポイントで見手続もらったところですが、おそらく先進国中もっとも閉ざされている最高裁の一つに、初めての角度から臨むことになります。

 弁護士登録をしてから約5年が終わろうとしています。この間、自分が関わった事件のうち、最高裁まで行ったのは刑事・民事で3つ目。今でも、刑事事件は無罪と信じています。あたかも、今日、足利事件で受刑者がDNA鑑定の結果、釈放。私が担当した被告人も、おそらく無実なのに2年近く刑務所に入れられました。軽微な事件だから裁判員制度の適用はあるはずないのですが、もし、市民が裁判官として入っていてくれたら確実に無罪だったでしょう。連絡をとってくれないので、シャバに出ているはずの彼の今の感想を聞く術はありません。

 もう1件の最高裁まで行った事件は、今、このブログの冒頭に紹介しているものですが、誤判だろうと思います。というより、上告された事件が最高裁判事の目に届くより前に、調査官(それとも書記官?)によって、三行半の決定が行われているのでしょう。

 明日の上告審法廷の自己印象は、また、載せることになるでしょう。

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