【2009年8月14日23時28分頃 追加】
2009年8月14日付け以降の拙ブログに、本件に関して連続で若干のコメントを載せます。これまで、ロー・スクールの期末試験等で、この点に関連する思い、考えの原点について触れる余裕がありませんでした。
【2009年7月11日23時30分 追加】
施行日の見方を誤った記事として、多くの方からご指摘を受けました。まだ、未確認の六法が残っているので、学生諸氏が指摘した施行日との関係での整理は、火曜日(7月14日)にならないとできませんが、調査不足により、施行日の基本的な理解に誤りがあったようで訂正をさせていただきます。
法律・政令にもミスがあると思っているのは、著名な年金法問題のみではありません。現に地方自治法施行令のミスでかなり時間を奪われた経験もあったのですが、その実例は別の機会に(資料が見つかれば、すぐにでも)挙げることにします。
まだ理解できないことがありまして、施行日の採録基準です。各六法の「凡例」欄に記載がありますが、必ずしも、各社(各六法)作成の基準通りではないようなケースもあるように思います。
【最初に書いた文。削除部分は 削除部分 として表示】
ロー・スクールの講義中に、ADR法の施行日が気になることがありました。そこで、学生諸氏に手元の六法で施行日を言ってもらったら、なんと、同じ年度(平成21年度)用の六法なのに、施行日に違いが・・・
「判外紛争解決手続の利用の促進に関する法律」(ADR法)施行日に関する顛末を述べますと・・・
▲有斐閣 判例六法 平成20年版 ADR法なし
▲有斐閣 判例六法 平成21年版 ADR法なし
▲有斐閣 ポケット六法 平成20年版(2008年版) 2007年10月4日刊
第1条 この法律は、公布の日から起算して2年6月を超えない範囲内において政令で定める日〔平19.4.1―平18政185号〕から施行する。
▲有斐閣 『六法全書』平成20年版(2008年版) 2008年3月19日発行
(施行期日)
第1条 この法律は、公布の日から起算して2年6月を超えない範囲内において政令で定める日〔平19.4.1―平18政185号〕から施行する。
一般社団・財団法人法及び公益法人認定法の施行に伴う関係法律整備法
(施行期日)
この法律は、一般社団・財団法人法の施行の日〔平20.12.1〕から施行する。
▲有斐閣 『六法全書』平成21年版(2009年版) 2009年3月19日発行
(施行期日)
この法律は、一般社団・財団法人法の施行の日〔平20.12.1〕から施行する。
▲有斐閣 『判例六法Professional』平成21年版(2009年版)
(施行期日)
第1条 この法律は、公布の日から起算して2年6月を超えない範囲内において政令で定める日〔平19.4.1―平18政185号〕から施行する。
一般社団・財団法人法及び公益法人認定法の施行に伴う関係法律整備法中経過規定(平18.6.2法50)
(施行期日)
①この法律は、一般社団・財団法人法(一般社団法人及び一般財団法人に関する法律)の施行の日(平20.12.1)から施行する。
▲岩波 コンパクト六法 平成20年版(2008年版)2007年10月5日刊
(施行期日)
第1条 この法律は、一般社団・財団法人法の施行の日〔平20.12.1―平19政275号〕から施行する。
▲岩波 セレクト六法 平成21年版(2009年版)
(施行期日)
第1条 この法律は、公布の日から起算して2年6月を超えない範囲内において政令で定める日〔平19.4.1―平18政185号〕から施行する。
▲岩波 基本六法 平成21年版(2009年版)
(施行期日)
第1条 この法律は、公布の日から起算して2年6月を超えない範囲内において政令で定める日〔平19.4.1―平18政185号〕から施行する。
▲三省堂 デイリー六法 平成21年版(2009年版)
(施行期日)
第1条 この法律は、公布の日から起算して2年6月を超えない範囲内において政令で定める日〔平18政185により平19.4.1〕から施行する。
三省堂 模範小六法 平成21年版(2009年版)
非掲載
さて、〔総務省・法令データベース〕 (2009年4月23日現在)では以下のようになっています。
裁判外紛争解決手続の利用の促進に関する法律 (平成十六年十二月一日法律第百五十一号)
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して二年六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
(木佐・注) 従って、私は、今まで、遅くとも平成19年5月1日には施行と思いこんでいました。ところが、次の附則が入っています。
附 則 (平成一八年六月二日法律第五〇号)
(施行期日)
1 この法律は、一般社団・財団法人法の施行の日から施行する。
一般社団法人及び一般財団法人に関する法律 (平成十八年六月二日法律第四十八号)
この法律は、公布の日から起算して二年六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
(木佐・注) これにより、遅くとも平成20年12月1日という日が出てきます。
(木佐・注) →つまり、ADR法は、一般社団法人・一般財団法人法施行日との関係で、遅くとも、平成20年12月1日になります。結局、上記の各社六法のうち、平成21年版でも、平成19年4月1日施行と書いてあるものは、ミスなのですが、岩波のように逆転しているのは論外としても、有斐閣の六法であっても平成21年版を買っていない人は、平成19年施行済みと思うわけですね。講義や出先に六法を持参するときには薄いものを携帯する場合もありますが、岩波と三省堂の小型版の平成21年版を持って行っていたら、完全に誤った施行日を学生に教える、ということになります。
何を信じたらいいのか・・・。 かつて、施行令にもミスが結構あることを書いたような気がしますが、「信ずる者は、救われない・・・」?