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2010年2月の記事

2010.02.26

『経済学は会話である』と言われてみて

 毎日、書いておいた方が良いなぁ、と思うことが多々あるものの、なかなかその時間がありません。この時期、学生は授業がないから教員はヒマだろう、と世間では推測されているでしょうが、学期中に劣らず、書類に追われてばかり。

 いざ、久しぶりに書こうとすると、いいきっかけになりそうなものが見つかりません。

 今日は、こういう文章の引用から。

 以下、引用:

 「経済学者を自認するみなさん、あなたの会話が如何に奇妙かを考えたことがあるだろうか。経済学者が経済学語で日常生活を説明すれば、例えば、スーパーマーケットで洗剤を買っている女性に向かって「あなたは市場で交換を実現したのです。ある制約条件の下で、あなたはあなたの選好満足度を最大化したのです。」と言うようなものである。」

 後藤和子「『経済学は会話である』を紐とけば」(『評論』177号(2010年2月号)(日本経済評論社)4頁)より

 果たして、法律学では、どうなっているのでしょう。

 ちなみに、後藤氏は、こうも書いておられます。
 「アカデミックな世界に入るためには、その世界の適切な文献を読み、適切な人々を知り、複雑な概念を使って、他の人々の会話に貢献しなければならない。アカデミックな世界では、人々は論文を書き学会で発表し注目されるように努めるが、本当に注目を集められる学者はごく一部である。」

 なかなか複雑な文章です。皮肉も入っているようです。いろいろな読み方が可能に思われ、この文自体を大学院の演習ででも取り上げて、しばらく討論するのもいいかと思います。『経済学は会話である』という(翻訳)書物自体が、人文科学、社会科学にも問題提起をしているということです。

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2010.02.10

弁No.105 長崎県立大懲戒処分事件 仮処分決定文 公開

弁No.105 長崎県立大懲戒処分事件について、長崎地裁が下した仮処分決定のほぼ全文が公開されました。

 同事件を考える会のホームページにリンクされています。若干の解説も付いています。

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2010.02.09

行政・自治No.105 議員バンドとシンポジウムの組み合わせ 大成功

100206giinbanddscf0651_3100206iizukacsymposiumdscf0663a行政・自治No.105 去る2010年2月6日に飯塚市で開催された議員有志主催による自治基本条例のシンポジウムは、第1部と第2部の間に議員4人の器楽演奏と、元議会事務局職員のボーカルによる生演奏で、大いに盛り上がりました。この種の「お堅い」企画では出色のものと言って良いでしょう。アンケート回収率も驚くほど高いものでした。

 議員バンドの特訓期間の間に、歓楽街に一定の経済的効果もあったようで、バンド出演者(の一部)には花束も届いたりしました。特訓の中心人物は、いつしか「親方」と呼ばれるようになり、猿回し劇団のように「訓練すればできる」、「やればできる」という実践が実を結びました。

 シンポジウムも、隣接市の市民代表の方を始めとして光る発言も多く、最初は会場からヤジも飛ぶ事態でしたが、最後の段階では、その方なども含めて拍手の嵐になっていきました。貴重な経験ができました。

 市民と議会が近づく、ということには、いろいろの手法があることを痛感させられたできごとでした。

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2010.02.08

弁No.104 長崎県立大学懲戒処分事件 仮処分認容決定出る!

弁No.104 今日、2010年2月8日の夕方に、長崎地裁長崎県立大学教授懲戒処分事件に関する給与支給仮処分申立事件認容決定が出たそうです。明日、記者会見が行われると聞いていますので、早ければ夕刊、遅くても2月10日朝刊には、これに関連する記事が載るでしょう。

 長崎県内版だけではなく、せめて九州全域版に載るといいのですが。

 決定文は、はっきりと、懲戒処分が「違法、無効」であることを述べています。この決定は、民事事件として提起されている3つの事件のうち、もっとも中心的な訴訟である地位確認訴訟にも大きな影響を与えることでしょう。

 …… 決定文 ……

主 文

 1 債務者は,債権者に対し,平成21年9月15日から平成22年3月1 4日まで,毎月21日限り,20万円を仮に支払え。

 2 債権者のその余の申立てを却下する。

 3 申立費用は債務者の負担とする。

 …… 引用、おわり ……

 

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2010.02.03

行政・自治No.104 全国知事会・会長県の直近・副知事逮捕、全国町村会長逮捕!

行政・自治No.104 衝撃的です。鳩山首相や小沢幹事長の金銭問題が億の単位であるのに対して、100万円の便宜を図ったということで、全国町村会・会長山本文男・添田町長と、全国知事会会長を務める麻生福岡県知事の側近中の側近と言われた副知事(事件発覚後辞任)が逮捕されたというニュースが、九州の新聞ではトップです。

 昨年から福岡では報道されてきたこの問題は、全国的にはほとんど知られていないと思います。

 私は、主要マスコミ(といっても、すべてが九州地域を仕切る福岡在住ですが)の問い合わせには、全国の地方六団体は、まだ第二次大戦が終わっていない状況にあり、世界的には例のない組織体制である、ということにヒントがある、と言ってきました。しかし、いかんせん、この事件のスタートが警察事件だったもので、いわゆる「サツ回り」の記者の方々の問題意識、取材方向からは想起できない論点が伏在していると考えていましたが、内政、県政クラブ、市政クラブ、司法クラブの記者たちも遡るべき問題点の発端にさえ、行き着くことはなかったのでしょう。

 日本の地方六団体が、例えばドイツのそれといかに異なるか、については、さしあたり、拙著の『豊かさを生む地方自治』144ページ以下(1996年刊。第7刷で絶版。左記リンクでは同書の「はしがき」や「あとがき」を掲載)や『ドイツの自治体連合組織』(現物全ページにリンクが張ってあります)をご覧下さい。

 この事件は、日本社会全体が第二次大戦を終えていないことを象徴しているものと、最初から考えています。

 福岡県では問題が明るみに出てから「識者」からなる調査委員会が設置されましたが、県の関係者ばかりではないか、というマスコミ報道などもあって、「外部」からの「識者」も加わった委員会になりました。しかし、日本の地方六団体体制の世界的に特異な体質のことをご存知の方はいらっしゃらなかっただろうと推測します。もとより、私が委員に呼ばれるわけはありません。

 問題は根深く、単に贈収賄事件で終わって欲しくはありません。でも、贈収賄事件として終わって、また、旧・内務相時代の体制は続いていくのではないでしょうか。ほぼ間違いないと思います。この六団体体質が改革されることがあれば民主党政権の大金星だと思いますが、しょせん、この国では無理な希望でしょう。

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第49回 九州自治体法務研究会のご案内

 添付ファイルの通り、第49回九州自治体法務研究会が熊本県山江村で開催されます。

 この村の魅力はたくさん。特に、に関するものがたくさん。山江サービスエリアの売店では、栗のまんじゅう店には行列ができています。

 締め切りは過ぎていますが、参加希望の方は、本ブログ管理者までご連絡ください(連絡先IDは、ホームページ部分の mail 欄にあります)。

 

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2010.02.02

200,000人余の訪問者にお礼

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 アクセス・カウンターで20万人目の来訪者は、普段のアクセス頻度から判断して、昨晩になるだろうと思っていました。そこで、後、何人くらいか、という軽い気持ちで17時ちょうどにアクセスしてみたら、なんと自分が20万番ピッタリでした。

 初めてのキリ番です。

 ということで、自分に何かを謹呈するしかありません。

 アクセス・ログを見ますと、大学研究室のすぐ近いところから狙っていたからもいらっしゃるようですし、遠隔地の方もいらっしゃったようで、申し訳ありません。今になって、前後賞を設けておけば良かったと思います。悔し紛れに、もしも199,999の方、200,001の方で画像を保存している方がおられましたらご一報ください。前後賞を考えます。

 なお、アクセス数のカウント方式ですが、実は、この20万という数字は、ブログの訪問者だけの数字です。また、いくらブログ内を多数めくっても1つとしてしかカウントされません。この基準をはずせば、すぐに1日数百名の訪問者になります。

 また、ホームページ自体はまったくカウントの対象になっていません(ブログのカウンターが、ホームページ・トップにも貼り付けてあるだけです)。従って、ブログに立ち寄らずに,ホームページ上のデータだけをご覧になっている方が少なくありませんが、まったくカウントされていません。そう言う点では、めくられたページ数で言うなら、おそらく100万件とか150万件、あるいは200万件というアクセス数になっていると思います。

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2010.02.01

議員がバンド演奏も。自治基本条例に関するシンポジウム

 本日、このブログの訪問者が200,000人目になる見込みです。該当者は、スクリーン・プリントにて画像又はPDFファイルを管理者までお送り下さい。かつての節目と同様に、その方にとって記念になるものをお送りしたいと思います(かつての記念品は、管理者の著書などでした)。

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 もうすぐですが、2010年2月6日(土曜日)に、福岡県飯塚市で、議員有志の主催により、自治基本条例に関する講演やシンポジウムが行われます。

 その案内チラシです。後で、差し替えがあるかもしれませんが、とりあえず掲載しておきます。

 同市議会の議員現員は33名ですが、そのうち24名が「自治基本条例を考える議員の会」のメンバーです。首長主導(マニフェストなど)で作成されることの多い基本条例ですが、この市の場合には、まずは議員が主体的に毎月1回、勉強を重ねてきたということです。

 第1部(講演)と第2部(シンポジウム)との間に、議員だけが楽器奏者になる生バンド演奏が行われます。その名も、「ギインズ」。
 案内チラシには特訓風景(特訓ステージ)も載っています。

 この町では、右のような「太郎ちゃん まんじゅう」も売っていました。初めて買いましたが、名物として大量に売るには、中身のまんじゅう(形や皮の部分)にもう一工夫あってもいいような。あんこはとてもおいしいものでした。

 こんな ブログや、ズバリ、まんじゅう製造店舗の紹介 も。
 

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