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2010.04.15

新年度最初の教授会  高齢教員のボーナス全面カットの話

 今日(0時を過ぎたので、正確には14日)は、新年度、最初の教授会。2か月前に決まっていた裁判業務のため、私自身は出席できませんでしたが、後から聞くと驚愕の報告が、新年度第1番目の研究院長報告だったそうです。

 九大では教員の定年が、63歳であったのですが、これから2年おきに1年ずつ定年が上がっていき、64歳、65歳でストップとなります。

 私の定年は、65歳定年制になってからの2年目が最後の勤務年になるはずでした。

 大学教員ともあろうものが、給料の話など書くべきではない、と、ときどき忠告を受けています。でも、誰かが何かを言わないと、この国も、この大学もどこまで行くかわかりません。

 今日の教授会報告では、大学理事会が、64歳、65歳になる教員については、夏冬のボーナスを完全にカットする方針を決める方向にあるとのこと。ある教員によると、私が一人も見たこともない理事会メンバーは大体70歳くらいだそうで、その年収は1700万円くらいだろうという話です。事実と異なるかもしれません(すぐに、当局から削除要求があるかもしれませんが、これはあくまでも伝聞です)。そうすると、私どもが64歳、65歳になろうとする年は、フルに働かされている上に、その額の半分くらいになるわけです。弁護士になって数年から5年目位の方と同じ額でしょうか。

 加えて、現在の給与は、源泉徴収票ベースでみたとき、10年前の49歳の頃を頂点として、やっとその時期の給与額に戻って来つつあるところでした。この10年間、ずっと減額続きでした。ちなみに、現在、立派な業績のある50歳前後の方に新たに教授になっていただくと、年収は800万円台です。これで来てもらえるかどうか。ボーナスカットが行われると定年前でこの水準になります。

 ある別の高齢教員は、推測として、大学側は、これから63歳、62歳と順次、ボーナスを下げていくのではないか、とも言っていました。そうなると、高齢教員だけの問題にとどまらなくなります。

 大学教員は、超例外的に学卒後、東大助手3年で助手論を書いて就職し著名大学の助教授になる方を除けば、最短でも27歳、普通は、30歳から33歳くらいでやっと定職に就けば良い方、という業界です。私のように運良く、比較的早く就職できた者で、仮に65歳まで働けたとしても、九大の給与規程にある退職金の支給月数の最高に届くことはありません。

 さすがに、今日の教授会報告に対しては、会議終了後、普段はおとなしい多くの高齢教員たちの間でも、不満の声がうずまいていました。突然、ボーナス全面カットは減少額が大きすぎます。「いつ、辞めたら実損がもっとも少ないか」と給与関係の担当者に計算を依頼し始めた教員も出ているようです。そうしたら、いくつかの職歴をもち、九大での教員歴がそう長くない方は、退職金1,000万円程度、実務家から教員になった方は、おそらく4~500万円程度、という方も。定年より早く辞めると「自己都合」退職ですから、従来の63歳定年の方が良かった、ということにもなりかねません。

 少しでも早く再就職先でも探すべきか、それとも、大学業務の徹底サボタージュを決め込むか、高齢教員たちは何かの決断をしなければならないようです。

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コメント

こういうテーマに各地の大学から1つもコメントが入らないのは悲しいですね。他大学では、本学のようなボーナスカットの話は出ていないのですか?

投稿: きさ | 2010.05.15 09:17

学生少子化等により正直現在の若手教員が定年になるころには今ボーナスカットされる予定の高齢教員ほどもらえるのかわからないのが現状。ポストをあけるためにも早くやめてもらいたいのが本音。ポスドクも皆思っていることでしょう。高齢教員になるにしたがって、学内業務、研究、全て今まで頑張ったからと逃げ腰で、高額給料もらっているわりには、働かないなという印象です。

投稿: はむ | 2014.12.10 19:46

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