「ガラパゴス化」 「ガラパゴス現象」 「初めて」 「例がない」
「初めて」、「最初」という言葉や、「これまで(例が、一例も、事例が etc. )ない」という結論や表現には、非常に慎重であるべき、と日頃から自戒していますし、学生にも論文執筆などの際には注意するように伝えています。
目下、この「最初」という言葉をめぐり、やりとりが2か月が経ちました。
2010年3月5日のことです。同年2月20日第1刷発行の吉川尚宏『ガラパゴス化する日本』(講談社新書)の「はじめに」が発端です。
筆者・吉川氏が「日本が克服すべき課題は何なのかと研究テーマのモチーフについて思いめぐらしていたところ、出会ったキーワードが「ガラパゴス化」であった。(改行)もともと、このガラパゴス化という言葉は、筆者の同僚であった北俊一氏が「日本は本当にケータイ先進国なのかガラパゴス諸島なのか」という問題提起を行った論文(野村総合研究所『知的資産創造』2006年11月号)で使ったのが最初である。」
とありました。
えッ? とんでもない。ここ数年、ケータイ電話との関係で日本のガラパゴス化が言われているのは、私も知っていましたが、やっと理系の領域でも気づいたのか、というのが私の感想であって、「ガラパゴス化」の語が初めて使われたのが2006年、というのは初耳(初読み)です。
私は、2000年5月18日の参議院法務委員会でも、日本の司法のガラパゴス現象については公言しており元をただせば、一連の司法改革論議の中で使っていました。活字になったものはあまりなく、当時は、ガラパゴス現象、あるいは、シーラカンス現象、と称していました。文字通り、「ガラパゴス化」を使ったのは、本多勝一氏の『週刊金曜日』にあり、そのコピーは、法務委員会でも委員に配付されています。
この件、また、追って。
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