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2010年10月の記事

2010.10.29

第9回 東アジア行政法学会が開催されます

Eastasia_gyoseiho3klein 第9回 東アジア行政法学会が、この2010年12月4日(土)および5日(日)に、東京・学術総合センター 一橋記念講堂 で開催されます。

 晩秋をイメージしたとても美しい案内状(チラシ)が完成しました。印刷用のチラシは、こちらから開いてください。 → PDF版  

 この学会は、2年に1度、日本韓国中国台湾の順に開催されているもので、日本での開催は、8年ぶりの3回目ということになります。地方自治と行政統制がメイン・テーマです。

 過去2回は、事実上の創設者と言える室井力教授がいらっしゃった名古屋大学の皆さんの多大のご尽力で、名古屋を会場に開催されていましたが、今回は東京となりました。行楽シーズンを避けるという意味もあり、また、多数の学会との競合を避けるという意味もあり、この時期になりました。日本以外の国で行われるときは、官庁、裁判所、各種団体も加わり、極めて盛大・大規模な大会ですが、日本は貧しい国なので資金集めからして手作業に近くなります。今回は、小早川教授と山田教授が大車輪で、準備に当たっておられます。

 書かなければならないことが、多々ありますが、とりあえずのご案内です。参加手続は、上記 PDF の下部に記されているWEBサイトから、電子入力で行っていただくことになります。

 学会といいつつ、会員の制度はありませんので、わずか2,000円の参加費で全講演・質疑を聞いていただけることになります。
 ( 日本側は、小早川光郎、芝池義一、山田洋、安本典夫、紙野健二、木佐が理事としてお世話をしています )

↓ 下にコメントがあります。昨日は1になっていましたが、2010/11/02 08:45現在、反映されていません。数字が0になっていますが、1です。

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2010.10.28

バラック建て、青写真、小作農、土地改良、入会と財産区・・・

 3日前の火曜日、公法訴訟実務というロー・スクールの科目で、非常勤のベテラン弁護士講師による講義・演習が行われていました。とても貴重な講義です。こういう場で、行政法の最新の判例を理解するには、戦後直後辺りの裁判例に出てくる用語の知識も必要です。

 講師は、「処分性」の話をしながら、「バラック建て」、当時の九州のかなりの家には屋根がなかった、青写真が・・・とか、いろいろと学生の理解を助ける話をしながら、要領よく解説をしてくださっています。

 講義がそろそろ終了する時点で、私が、最後列の席から、不規則発言。受講者で「バラック建て」という言葉の意味が分からない人は手を挙げて、と言ったら、ほぼ全員が挙手

 今や、タイトルに書いたような言葉、それらは、行政法の基本的判例で良く出てくるのですが、言葉の意味も、その実物のイメージもできないまま、「事業計画」だの、「入会(いりあい)」だのを、勝手に(?)想定して、自己解決をしているのですね。もう、「小作農」も、実感的にはわからないでしょう。

 北九州市の中心部付近でも、戦後直後は、イタチも出てくるし、ネズミが家の中を走り回っていて、それを「ネズミ取り機」で捕獲して猫の餌にやって、蛇もネズミを飲み込んで、とかハナされて、今の里山みたいでしたよ、と言われても、今度は、「里山」の共通イメージがない・・・

 里山(さとやま)と里道(りどう)、赤道(あかみち)と赤道(せきどう)、青道(あおみち)と赤道(あかみち)、青線(あおせん)と赤線(あかせん)・・・。字の読み方から始まって、30歳前後も珍しくないロー・スクール生に伝える方法はいかに・・・

 以前にも書きましたが、講義中に説明すべき前提的事実が、日々増えてくる感じです。

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2010.10.27

弁No.109 九州の弁護士25名が阿久根市長を告発

弁No.109 2010年10月25日に、九州内の弁護士25名が、阿久根市長を告発しました。理由は、違法な専決処分で仙波氏を副市長とし、給与を支払っていること、東京の2大学で行った竹原市長の講演は私的なものであり、その出張旅費を公費で支払ったことは背任行為に当たるというものです。

 これについては、「行政関係事件専門弁護士ネットワーク九州ぎょうべんネット九州)」のホームページに、告発文全文(全弁護士名付き)や新聞各紙の報道も掲載されていますので、ご覧下さい。

 告発した弁護士は、上記ぎょうべんネットの役員や市民オンブズマンをしている方々です。特に、愛媛県警の裏金告発に関する問題で、仙波氏のための弁護団の一員であった弁護士も今回の告訴人に加わっていることが、特筆に値します。

 ぎょうべんネット九州の役員で、上記25名に入っていないのは私だけのようですが、これは、研究会・勉強会・現地調査の際に、たまたま他の出張が重なっていて現地へ行けなかったという事情によります。

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2010.10.22

それでも気になる 赤い水

Dscf1099_r_2  大学院生だったら普通は10時間や15時間は平気で大学内の研究室で過ごすでしょう。院生が研究室に用事で来たので、「院生・助教の長屋でも赤い水が出るの?」 って聞いたら、「いいえ」という返事。「こんな色の水、出ないの?」、と追い打ちをかけても、「いいえ」。

 法学研究院の教員がもっとも多くいる建物では、「こうなんだけど」と、水を出してみたら、ちょっと驚いていました。最近では、廊下を通っている飲み水専用と称する水道管でも赤水が出る、という農学部からの問い合わせがあるという事務発信の一斉メールで連絡があったのですが。

> Date: Thu, 7 Oct 2010 09:14:36
>   箱崎地区
>    各安全・衛生部会長 殿
>              箱崎地区安全・衛生委員会委員長
>              大学院○学研究院長
>                            ○ ○  ○
>           水道水の現状調査について(照会)
>  8月24日開催の箱崎地区安全・衛生委員会におきまして、飲料用と
> 表示された水道からも赤水が出ることについて問題提起がありました。

 廊下に設置されている「飲料用」の上水道を使って顔や手を洗ったり、歯磨きをしている同僚教員を見たことは全くないので、ともかく、この水を使ってわれわれは研究室内で手を洗い、歯磨きをしたりを毎日しているのです。健康にどの程度影響があるのものか、知りたいものです。このところ、科研費申請書作成の関係もあり、土日まで含めて約4週ほど超長時間、ほとんど研究室にいたものですから、不純物質の蓄積度が気になります。2010年10月18日撮影。

〔補足〕
 しばらく前にも、この水のことは本ブログに書いています。
  その1  その2

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2010年度の日本公法学会

 それこそ、22か月ぶりに上京し、改めて、羽田と浜松町の間に林立するマンションを見て、震災の時にどうするのだろう、と人ごとながら、モノレールから窓の外を見ていました。
 今回の学会会場校は、上智大学。立派なホールで、初日の様子と、2日目午後のいささか人数の減った第1部会。半分は第2部会にいるわけですからスキマが目立つのも当然です。

 この秋もあっという間に過ぎました。それにしても、よもやキンモクセイの香りを嗅いだのが、東京の真ん中である上智大の校門だけだったとは。10月10日が雨という珍しい年。花も一気に落ちていました。いつもなら、大都会でないところで金木犀に出会いますが。

 大学の職員の方々、これで確かに出張して、学会会場にいた、と認めてもらえないですかね。別人が撮った写真ではないか、となおも疑う余地がある?

 各写真は、クリックすれば、大きくなります。
Dscf1083_r  Dscf1088_r  Dscf1093_r


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2010.10.13

弁No.108 Mac PC上で文書ファイルの最終文書更新日時を改ざんすることは可能でしょうか?

弁No.108 このところ、大阪地検のFD改ざん問題がずっと大きく紙面を取っていましたね。週刊誌も大変な騒ぎようです。この中で、過日、木谷明・元判事が裁判官側にも問題があるという趣旨の貴重かつ正当な主張を新聞紙上でされていましたが、全く同感です。私も、始めて当然に単独で手がけた国選刑事事件が最高裁まで行きましたが、今でも無罪を疑っていません。簡裁事件でしたが、副検事と簡易裁判所判事は、あうんの呼吸で、どう考えても無罪としかいいようのない事件を簡単に有罪にしてしまいました。簡易裁判所ではなくて、簡単裁判所かな、と思ったものです。

 この1か月近く前、西日本一帯を配達区域とする新聞に「地域主権と住民主権」という言葉の相違についてコメント記事が完成していて掲載日が決まっていたのですが、上の木村局長事件(大阪の検察の事件)と尖閣列島事件、さらに北朝鮮世襲人事が入って、ついに、ボツになりました。元々、無料のコメントに何時間もおつきあいした上にボツですから・・・。
 私の人生最初のテレビ・デビューは、韓国の航空機007がソ連軍に撃墜された事件で、撮影済みにものが飛んでしまいましたが、まぁ、よくあることです。

 さて、今日、グーグル・アラートからメールが入りました。

 長崎県立大学教授懲戒停職処分事件で、被告大学側が、「PC画面キャプチャーファイルに表示される日時は,パソコンに内蔵された時計の日時に基づくものであり,誰でも簡単に希望の日時を表示できるものである・・・」という主張をしているようです。

 同事件の訴訟に関するホームページには、マッキントッシュのパソコンでは、簡単に文書作成日の日付などを変えることができるのかどうかを問う「パソコンに詳しい読者にご質問です。」という記事が掲載されています。

 専門知識のある方は、是非、「長崎県立大学懲戒処分事件を考える会」に、専門的技術情報を教えてあげていただきます幸いです。

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2010.10.06

おのぼりさん

 暑い夏がまだ残っているような感じですが、もう「秋」。この週末は、日本公法学会が東京であります。

 札幌で勤務していた18年間は、10月半ばの秋の学会から戻ると、雪虫が飛んで、冬が近いことを知るのでした。ちなみに、5月のゴールデンウィーク過ぎに行われる春の学会が終わって大学に行くと、タンポポが一面に咲いて花園のようでした。北海道に暮らす者にとっては、春と冬の境目に学会があるのです。

 さて、私は、なんと1年と10か月ぶりに「上京」します。振り返れば、過去、30年間、1年に1回も「上京」しなかった年など全くなかったと思いますが、今や22か月も東京へ行かなかったとは。国際空港も開港したという羽田などは、どうなっているのか、気になります。

 東京で用事がないという事実について、『町村週報』に過日、下記のように書きました。

> 1994年の晩秋、私は、地方分権推進
> 委員会設置前の衆議院地方分権に関する特
> 別委員会でこう発言していた。地方分権が
> 実現すると地方間の航空路は充実し「東京
> 行きの飛行機のチケットがとりやすくなり
> ます」と。事態はまったく逆である。東京
> 線だけが太っていく。この1年10か月の間、
> 「上京」する用事が皆無の私は、地方分権
> の犠牲者なのか実践者なのか?

   → 本文は、こちら 「〔閑話休題〕「異聞〈地方分権〉10年の現実」 の末尾

 今や、「地方分権」改革もなんのその。何もかも東京に集中しつつあります。まもなく秋恒例の科学研究費の申請が締め切られますが、今回私が提出する申請書では、研究会の開催場所を東京にする、という原案になりそうです。東京以外で開催しようとしても、忙しすぎる研究者たちは全国各地から集まりようがないですから。

 東京で用事がない、ということは、現実には、「干されている」ということにほかなりませんね。科研費が当たらなかったら、この次の「上京」の機会はいつ来るのでしょう?

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2010.10.02

2交代制の法学部? 美しい慣習法!

 このところ、朝8時前に研究室に来ますと、同じフロアーの教授が退出されるところに出会います。「徹夜でしたか? これからご帰宅で?」「ええ」「お疲れ様でした」。朝から「お疲れ様」というのもなぁ、と思いますが、ほかに適切な言葉なし。

 20時過ぎに、私が帰宅しようとすると、その教授はすでに出勤されています。まるで、2交代制の職場に勤務しているようです。

 お昼もだいぶ過ぎようとする時間に、研究室のドアをノックする音がします。「今から、お湯を沸かしますが、そちらは大丈夫ですか」。別の隣室の教授の声です。
 実は、このところ、頻繁に、突然、ブレーカーが落ちて、書きかけのパソコン上の文書もあえなく消滅し、電話中の音声は突然とぎれ、もとより、沸かしかけのポットも切断、おまけにプリンター、ファクス全部シャットアウトです。ときに、初期化するものもあります。ただ、天井から来ている配電は生きているので、冷房や蛍光灯は付いたまま。

 ほとんどの場合、昼休みの時間帯にこの現象が起きます。原因調査と復旧のために4つほど棟が離れた用度係に学内電話をしますが、昔と異なり、今の時代は電源なしでは固定電話はつながらないようなので、携帯電話で用度係に連絡をします。職員も昼休みで離席中が多いですから、しばらく経って来てもらえます。係の話では、すでに法学部棟の配電図も残っていないとか。数度の停電の原因をさぐってみると、私の部屋と隣接の教授の部屋だけで、特定時間に停電が起きることがわかりました。要するに、お昼に弁当を食べるために両名が同時にお湯をわかすと、ヒューズが飛んでしまうことが判明しました。以後、お湯を沸かすときには、お隣に声をかけて確認するという美しい慣習法ができあがりました。これは日本法制史に残る慣習法になるでしょう(学部内ネタ)。
 2つの研究室ごとに1つのヒューズになっていることがわかりました。

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