行政・自治No.131
日本中で、もっとも「どこにあるかわからない県」という数字が出たという島根県。
ライブドア・リサーチ(2006年調査) → こちら
Gooランキング(調査時不明) → こちら
2011年2月4日付でも、こんな質問があります 「島根県はなぜ47都道府県で最も知名度が低いといわれてるんですか? 」 → こちら
ちょっと、本気で頑張って欲しいと思います。自ら情報不開示の閉鎖社会を作っている様子を見てみましょう。
県の情報公開担当者に、「なごみの里処分に関しての記者会見資料が欲しい」、と言ったら、県政記者会見資料はホームページの「報道発表資料」に掲載していると言います。早速、見てみました。新聞の見出し程度のことが載っていたに過ぎません。
0186 特定非営利活動法人が運営する訪問介護事業所の不正事案に対する処分について
そのページに末尾に、「詳しくは別添のとおり」とあるので、別添とされるPDFファイルを見たら、わずか1枚だけ。記者会見でマスコミに配った37枚の資料の1枚目だけ。
記者会見資料という1枚ものに過ぎなかった。
これが、「詳しい」という書類の内容とは。
そこで、高齢者福祉課の担当者に電話して聞くと、37枚ものPDFファイルは、サーバの容量からアップロードすることができないから、仕方がなく掲載していないのだそうです。サーバの容量もこれほどのものしか載せることができないほど財政力も弱く、財政危機なのだ、と善意に理解。
ともかく、記者会見資料が公開されているのは37分の1であるという事実を確認してから、情報公開請求で記者会見資料の入手を試みようと、ネット上の申込み先を探しました。どんな自治体でも大体すぐに情報公開関係のサイトは分かり、ネット申し込みも今ではそう難しくはありません。
県のサイトそのものは見つかりました。
【2011年2月7日21時40分 コメント指摘を受けて補訂】
どうやら島根県のホームページには、旧版の情報公開コーナーが今も残っていて、
私はそれを丁寧に見ていたようです。コピー代20円は10円になり、その他の電
磁的情報公開の費用も今の情報公開コーナーには載っているようです。ただし、
窓口公開時間や、ファクス請求もインターネットでの請求もできないのは現在も変
わりがありません。この点などについては、(その3)で扱います。 〔補訂おわり〕
「◎基本的な考え方
公文書は公開が原則です。
個人のプライバシーは最大限尊重されます。
県民の皆さんが利用しやすい制度です。」
なるほど。利用しやすい制度、ですね。
ところが、何と、私には請求の資格がない。
「県民の皆さんからの請求に応じて県が保有する公文書を公開します。
●この制度を利用できる方
1 県内に住所がある人
2 県内に事務所や事業所を持っている人、法人その他の団体
3 県内にある事務所や事業所に勤務している人
4 県内にある学校に在学している人
5 県が行う事務又は事業に直接の利害関係を有する人、法人その他の団体
*なお、5の利害関係人が公開請求権を認められる公文書の範囲は、
利害関係が認められるものに限られます。これ以外の人からの申出に
もできるだけ応じます。」
なんと、県民に限られています。いまどき・・・・
そして、さらにびっくり
「◎利用時間/月~金、午前9時~12時/午後1時~5時
請求の方法
情報公開窓口にある「公文書公開請求書」に住所、氏名、知りたい
公文書の具体的内容などを記入して、係員に提出して下さい。
(印鑑は不要です。) 」
昼の休憩時間には請求できません。これも、いまどき・・・・
ちょっと待って。ファクスでの請求もダメなの? 県の担当者「郵送でのお申し込みだけです。」 木佐「請求の書式くらいたいていの自治体でもホームページに載せているじゃないですか」 担当者「それはご自身で」
かくして、インターネットでの請求が制度化されていない自治体でもPDFファイルで請求書式くらい載せているのがほとんどですが、それさえない!
隠しておけばいいのに、こんな記載も健在!
「人気行政資料
~平成12年度の状況~ 」
11年前現在の情報を載せて、更新なしです。ニセコ町の担当者がご覧になれば、気絶されるかもしれないです。
郵便で請求しても、特定されていないとか、請求資格がないとか、事前にコピー代金を郵便小為替で送れ、とか(ネット上に書いていないからわからない)、つまらぬやりとりで2か月くらいかかりそうです。かくして、取りあえずは情報公開請求は断念しました。
情報公開の驚愕は、これだけではありませんでした。県職員や県民の中には、こうした問題点に気づいている人もたくさんおられるだろうと思います。現に私の友人である島根県職員にはこの程度の問題に気づく人は何人もいます。全国的にも知名度の高い職員が多数おられます。でも、言えない、言ったら損、の社会・風土なのでしょう。
情報公開のお粗末さ、残念ながら、まだ続きます。
(続く)