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2011.02.07

行政・自治No.131 「なごみの里」行政処分 記者会見資料をどうして入手するか(その2)

行政・自治No.131

 日本中で、もっとも「どこにあるかわからない県」という数字が出たという島根県。

 ライブドア・リサーチ(2006年調査) → こちら

 Gooランキング(調査時不明) → こちら

 2011年2月4日付でも、こんな質問があります 「島根県はなぜ47都道府県で最も知名度が低いといわれてるんですか? 」 → こちら

 ちょっと、本気で頑張って欲しいと思います。自ら情報不開示の閉鎖社会を作っている様子を見てみましょう。


 県の情報公開担当者に、「なごみの里処分に関しての記者会見資料が欲しい」、と言ったら、県政記者会見資料はホームページの「報道発表資料」に掲載していると言います。早速、見てみました。新聞の見出し程度のことが載っていたに過ぎません。
 
0186 特定非営利活動法人が運営する訪問介護事業所の不正事案に対する処分について
 
 そのページに末尾に、「詳しくは別添のとおり」とあるので、別添とされるPDFファイルを見たら、わずか1枚だけ。記者会見でマスコミに配った37枚の資料の1枚目だけ。

 記者会見資料という1枚ものに過ぎなかった。

 これが、「詳しい」という書類の内容とは。

 そこで、高齢者福祉課の担当者に電話して聞くと、37枚ものPDFファイルは、サーバの容量からアップロードすることができないから、仕方がなく掲載していないのだそうです。サーバの容量もこれほどのものしか載せることができないほど財政力も弱く、財政危機なのだ、と善意に理解。

 ともかく、記者会見資料が公開されているのは37分の1であるという事実を確認してから、情報公開請求で記者会見資料の入手を試みようと、ネット上の申込み先を探しました。どんな自治体でも大体すぐに情報公開関係のサイトは分かり、ネット申し込みも今ではそう難しくはありません。

 県のサイトそのものは見つかりました。

   【2011年2月7日21時40分 コメント指摘を受けて補訂】
   どうやら島根県のホームページには、旧版の情報公開コーナーが今も残っていて、
   私はそれを丁寧に見ていたようです。コピー代20円は10円になり、その他の電
   磁的情報公開の費用も今の情報公開コーナーには載っているようです。ただし、
   窓口公開時間や、ファクス請求もインターネットでの請求もできないのは現在も変
   わりがありません。この点などについては、(その3)で扱います。 〔補訂おわり〕


 「◎基本的な考え方
  公文書は公開が原則です。
  
  個人のプライバシーは最大限尊重されます。

  県民の皆さんが利用しやすい制度です。」


 なるほど。利用しやすい制度、ですね。

 ところが、何と、私には請求の資格がない。

 「県民の皆さんからの請求に応じて県が保有する公文書を公開します。
   ●この制度を利用できる方

 1 県内に住所がある人
 2 県内に事務所や事業所を持っている人、法人その他の団体
 3 県内にある事務所や事業所に勤務している人
 4 県内にある学校に在学している人
 5 県が行う事務又は事業に直接の利害関係を有する人、法人その他の団体

   *なお、5の利害関係人が公開請求権を認められる公文書の範囲は、
   利害関係が認められるものに限られます。これ以外の人からの申出に
   もできるだけ応じます。」

 なんと、県民に限られています。いまどき・・・・
 
 そして、さらにびっくり

 「◎利用時間/月~金、午前9時~12時/午後1時~5時

  請求の方法
  情報公開窓口にある「公文書公開請求書」に住所、氏名、知りたい
  公文書の具体的内容などを記入して、係員に提出して下さい。
  (印鑑は不要です。) 」

 昼の休憩時間には請求できません。これも、いまどき・・・・

 ちょっと待って。ファクスでの請求もダメなの? 県の担当者「郵送でのお申し込みだけです。」 木佐「請求の書式くらいたいていの自治体でもホームページに載せているじゃないですか」 担当者「それはご自身で」

 かくして、インターネットでの請求が制度化されていない自治体でもPDFファイルで請求書式くらい載せているのがほとんどですが、それさえない!

 隠しておけばいいのに、こんな記載も健在!

 「人気行政資料
   ~平成12年度の状況~ 」

 11年前現在の情報を載せて、更新なしです。ニセコ町の担当者がご覧になれば、気絶されるかもしれないです。

 郵便で請求しても、特定されていないとか、請求資格がないとか、事前にコピー代金を郵便小為替で送れ、とか(ネット上に書いていないからわからない)、つまらぬやりとりで2か月くらいかかりそうです。かくして、取りあえずは情報公開請求は断念しました。

 情報公開の驚愕は、これだけではありませんでした。県職員や県民の中には、こうした問題点に気づいている人もたくさんおられるだろうと思います。現に私の友人である島根県職員にはこの程度の問題に気づく人は何人もいます。全国的にも知名度の高い職員が多数おられます。でも、言えない、言ったら損、の社会・風土なのでしょう。

 情報公開のお粗末さ、残念ながら、まだ続きます。
                                         (続く)

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コメント

某自治体職員です、先生の政策法務研修を過去に受講しました。今回のなごみ問題は行政処分の適否が問われていることから興味を持ってウォッチしています。全体にいろいろ考えるところはありますが、今回は2点事実の指摘のみ。

島根県のサイトを覗くと、申請書様式は掲載されているようです。でも先生の記事を読むと、県情報公開担当者自身がそれを知らずに誤った説明をしたということでしょうか。それはそれでお粗末な……。

http://www.pref.shimane.lg.jp/admin/pref/johokoukai/koukai_hogo/koukai/zyorei/j_youshiki.html

もう一点は、上記URLの記述に依れば、島根県民以外にも「任意公開」の道は開かれているようです。でもお隣の広島県サイトを見ると広島は「誰でも」請求できるようで、条例公開と任意公開の区別をしている島根は確かに自由度が狭いように思います。ここから先は推測になりますが、敢えて県民以外からの情報公開請求を行政処分から外すことで審査請求対象から除外する意図があるのかな……と直感的に思いました。仮にそうであるとして、その事をどう評価するか。地域住民とそうでない人の請求権(実際にはその救済権)に差異を設けるなぞ後進的でケシカランということに直ちに結びつくのか、それとも限られた行政リソースの適正配分として島根県自身の判断を尊重する余地があるのか。この辺りで議論が分かれるかも知れませんね。

投稿: でーれんどー | 2011.02.07 19:56

 ご指摘、有り難うございました。あとで、本文に書きますが、島根県庁のホームページには、情報公開について、2つの異なるサイトがあるようです。下記の2つをご覧下さい。私は、上の方をこの間、ずっと見ていました。コピー1枚20円を始めとするおかしなことを次回に書く予定でした。しかし、ご指摘を受けて調べたところ、1枚10円という記載もあります。しかも、CDやDVDの電磁的記録の料金表もありますね。私がいくら調べてもみつかりませんでした。2つの別の情報公開サイトがあるとは、およそ想像だにしなかったものですから。

http://www.pref.shimane.jp/section/koukai/sikumi.html 2011年02月07日現在
費用は公文書の閲覧は無料ですが、公文書の写しを受け取るときは1枚につき20円(白黒)をいただきます。写しの郵送を希望される場合は、郵送料の負担が必要です。


http://www.pref.shimane.lg.jp/admin/pref/johokoukai/koukai_hogo/koukai/shikumi.html  2011年02月07日現在

公文書の閲覧は無料ですが、公文書の写しを受け取るときは1枚につき10円(白黒)をいただきます。写しの郵送を希望される場合は、郵送料の負担が必要です。

 今でも、http://www.pref.shimane.jp/section/koukai/naiyo.html では、平成12年度の人気行政資料が出てきます。ホームページの設計は、どうなっているのでしょう?

投稿: きさ | 2011.02.07 21:17

 任意公開制度の件についてのコメントを忘れました。当然、旧バージョンの情報公開コーナーにもありました。私は、今夜も掲載されている下記のホームページ内の請求権者を見て本文を書きました。この旧バージョンには、請求書式は載っていないと思います。

「5 県が行う事務又は事業に直接の利害関係を有する人、法人その他の団体

*なお、5の利害関係人が公開請求権を認められる公文書の範囲は、利害関係が認められるものに限られます。これ以外の人からの申出にもできるだけ応じます。」

 無理矢理、理屈を付ければ、「なごみの里」事件に「利害関係を有する人」に該当する、と言えるでしょう。しかし、拒まれたときの決着のため、不服審査や裁判に持ち込むほどのヒマもお金もありません。ご指摘いただいた現行バージョンのサイトの記載でも、「できるだけ応じます」というに過ぎないわけですから、私が弁護士業務で情報公開請求をしたすべての自治体とは異なった扱いになっています。
 いまどき、請求権者が「何人」になっていない都道府県はいくつあるでしょう → 2時間あれば、自分で調べるのですが。

投稿: きさ | 2011.02.07 21:35

 かつて職場のHP管理に関係していたものとしては、耳が痛い話ですね...
 島根県のトップページを見ると、(いつの時点かは確認できませんが)lg.jpドメインに移行したことがわかります。旧サイトがそのまま残り、アクセス可能状態が続いていたと言うことなのでしょうか。こういうとき、担当者としては、リダイレクトをかけたことで安心してしまうのですが、思わぬところでひっかかってしまうことがおきるんですよね。
 ただ、「島根県+情報公開」でgoogle検索しても、新しい方しかみあたらないようですが、どうして先生が旧サイトにたどり着いてしまわれたのかが気になります。ご自分のブックマークからアクセスされたのでしょうか、それとも何かのリンク集からのリンクでしょうか。
 一般に、HP管理者にとって、古い情報の処理は本当に悩ましい課題です。削除してしまうのは簡単ですが、それとして貴重な価値がある古い記事を削除してよいか判断は難しいですし、そもそも一つ一つの記事の削除の可否を判断するだけでも膨大な時間がかかります(公文書管理と同じ構造です)。私の職場でもリニューアル時、担当者が大変苦労しておられました...
 ちなみにどこかに旧所属校の厚意に甘えてWeb頁をそのまま残してもらっているわがままな教員がいたような気もしますが....(苦笑)。

投稿: かどまつ | 2011.02.08 18:58

わがまま さん へ

 コメント、有り難うございました。なぜか、九大法へ誘導される某氏の紹介サイトのことですね(笑)

 lg の存否でサイトの新旧の区別はつきますが、これは業界人でないと常識ではないでしょう。

 今回の本題は、うっかりひっかかってしまった旧サイトよりも現在のサイトの内容にあります。

 私は、検索語を忘れましたが、1発目で見事に旧サイトに大当たりしたみたいです。

 年賀状は4等が少し当たり、昨年は追突事故に当たりましたが(今でも腰痛続き)、今回は年始めに旧サイトに当たったわけです。もう少し良いものに当たりたいです。

投稿: きさ | 2011.02.08 23:29

今回も、島根県旧サイトのトップhttp://www.pref.shimane.jp/をみれば、変更が告知されているわけですが、いちいちここにさかのぼって確認というのは現実的でないですよね。

大昔、「リンクは必ずトップぺージに」というのが、ネットのマナーとして語られていた時代がありましたが、検索エンジンの発達により意味をなさなくなっています。ただ、利用者の立場としては、必ず当該サイトのトップページを見る習慣をつけた方が賢明なのだな、と今回の件で勉強させていただきました。

>かくして、インターネットでの請求が制度化
>されていない自治体でもPDFファイルで請
>求書式くらい載せているのがほとんどですが、
>それさえない!

http://www.pref.shimane.lg.jp/admin/pref/johokoukai/koukai_hogo/koukai/mado.html

に書式が明らかにあるのに、担当者がどうしてないように受け取られる答えをしてしまったのか、少し不思議ですね。まあ、窓口担当者とHP担当者が別れている場合、起きうるミスではありますが。

ただ、その上の先生と担当者のやりとりを拝読すると、「Faxやネットでできるか」という話と、「書式をHPに載せているか」という話がすこしこんがらがってしまったのかもしれませんね。

ちなみに、島根県に情報公開をしようと思っている人が、このエントリだけを読んで、書式はあがっていないと諦め、そのためだけにわざわざ県庁に足を運ぶことになっては困ると思いますので、その点を付記していただけるとよろしいかと思います。もちろんより新しいエントリを読めばわかるわけですが、エントリ単位で検索に引っかかり、そこだけ見る人もいるのが現状でしょうから。

>私は、検索語を忘れましたが、1発目で見事に旧サイトに大当たりしたみたいです。

「島根+情報公開」で検索して、一番上のデータベースからいらっしゃったのでは?あのデータベースも現在どなたが管理しておられるのか存じませんが、かつてはあれにどれだけお世話になったことか....

私も旧稿を新サイトに移行する作業を順次進めてはいるのですが、なかなか進みません。旧サイトのリンク集に至ってはほとんどネット上のゴミと化しているような気がします。反省です。

投稿: かどまつ | 2011.02.09 09:13

あらすみません、URLと文を続けてしまったので、島根県旧サイトにリンクした部分が変になってしまっています。

>http://www.pref.shimane.jp/

>をみれば、変更が告知されているわけですが、い
>ちいちここにさかのぼって確認というのは現実的
>でないですよね。

投稿: かどまつ | 2011.02.09 09:14

 「なごみの里」問題が、旧知の間柄の者同士のホームページ論や情報公開論に発展するとは思ってもいませんでした。
 日本の役所の情報公開はおもしろいですよ。依頼者、代理人、事件とは全く無関係そうな知人、マスコミ、それぞれがちょっと視点を変えた情報公開請求を何年かにわたって行いますと、出てくる行政資料が異なっていたりするので、次第に事件の全容がわかることがあります。また、1つの件ではなく、複数の対象について一括請求すると、公開担当者は「めくらまし」をくらったかのように、役所内では隠すはずのところも隠さずに出してきます。さらに、数年後に請求しますと、担当者が変わっているので隠すべきはずだった「お約束」が引き継がれていないために、「あれッ?」と思うほど率直に出してくることがあります。逆に、ある人には出していたのに、事件の本人が請求をすると出さないということもあります。かくして、「めくらまし」で入れておいた請求対象項目で、私も、思いがけず入手した「宝物的爆弾」を持っております。現在も価値があります。

 ことほどさように、現実の情報公開は九州でも杜撰です。長崎県では、情報公開担当課長が公開対象資料に関係している県議会議員に、誰が請求したかをお知らせする、という「親切行政サービス」を行っていたことが新聞報道されました。課長は、「今後しない」と約束(誰に?)した旨、新聞上では書かれています。ですが、私も同県に請求したい案件があるものの、おそらく開示請求者名は漏れるでしょうから、知られたくない情報の本来の持主の仕返しが怖いので、数分あればネット請求できるのですが、実際にはできません。
 また、脱線しましたね。

投稿: きさ | 2011.02.11 11:46

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