行政・自治No.132 「なごみの里」行政処分 記者会見資料をどうして入手するか(その3)
行政・自治No.132 島根県自治研究所には、北海道大学勤務時代の1997年から毎年、従って15年間も連続して、お盆直後の最も暑い時期に自治体法務の講義を中心とする研修に行っています。かつては3日間、最近では財政危機で2日間の朝から夕方までの講義です。2年以上連続で行っている職員研修はこの島根県自治研修所だけです。
今年2011年は、8月18日(木)~19日(金)の日程で、県職員と県内全市町村職員を対象とする研修に行くことになっています。ですが、このブログ記事が原因で、今年は解雇される可能性もあるでしょうね。良かれ、と思って書いているのですが、事実を書かれると、快く思われないでしょう。
いつも、研修では、島根県の行政手続条例や専決規定などもパワーポイント画像にして教材にしているのですが、まさか、情報公開制度がここまで全国最下位だとは知りませんでした。
日本弁護士連合会の 『自治体の情報公開条例の改正を求める意見書』(2010年(平成22年)4月16日)によれば、全国47都道府県のうち、栃木県,埼玉県,千葉県,東京都,石川県,島根県,広島県,香川県の8の都県では,請求権者を「何人も」と定めておらず,請求権者を制約したままとなっていること,及びインターネットあるいはファクシミリによる公開請求を認めない運用例のあることが判明した(2010年4月1日現在)、とあります。
東京都と横並びなんだから、誇ってもいいじゃない、と一瞬思ってしまいました。大間違い。
上記意見書の別表を見てみると、なんと、請求権者が「何人」になっておらず、かつ、インターネット請求もファクス請求も認めていない3点セットが揃った都道府県は、島根県だけでした。見事に最下位です。
島根県のホームページにも、「情報公開請求書等様式」、「「公開請求」や「任意公開申出」の手数料はいくらですか?」という項目がありました。しかし、正直、驚きますが、「情報公開制度」の説明・解説より一つランクが上のサイトに書いてあります。「情報公開制度」の解説部分を読めば、1枚10円のモノクロ・コピーしか取得できないし、請求書式もないと思うのが当然でしょう。
繰り返しますが、請求書式も、CDやビデオでの複写も取得できるなどということは「情報公開制度」のところには掲載されていないのです。
そこで、お隣各県との比較です。
山陰地方は財政力も弱いので、県であっても、他の全国の市町村のように電子申請の受付けの仕組みを作る予算もないのか、と鳥取県と山口県をみたら、完璧に、ネット申請もファクス申請も可能です。
鳥取県では、すでに2000年(平成12年)からファクスとホームページ上からの情報公開請求を認め、正式な電子申請は2005年(平成17年)から行っているそうです(2011年1月26日確認)。情報公開担当窓口でお聞きしました。
山口県の学事文書課山口県情報公開文書班にお聞きしたところ、ファクス、電子申請とも2006年(平18年)10月1日からの開始です。
さて、島根県は両県に挟まれて、もう10年余も遅れているわけです。この差は、どこから来るのだろうかとしばし考えるしかありません。
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