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2011年3月の記事

2011.03.23

日本脱出放射能付帯便とガラガラの帰国便

Dscf1525a Dscf1535a Dscf1536a Dscf1540aroad Dscf1705_r  毎年1回ほど講義(講演)に行っている関係上、今年は、3月17日(木)~20日(日)の予定で北京に向かう予定でした。そこへ東北関東大地震。出発前日午後3時までは、キャンセル料はかかるものの、一応、半額程度の出費でキャンセル可能ということで、ギリギリまで出発の決断を延ばしていました。

 私の懸念材料は、もしも福島第1原発の4基または6基が爆発した場合ひょっとすると各国からの救援機やら国内の飛行機の待避場所として福岡空港が駐機場として満杯になり帰国便が着陸できない恐れがある、という点でした。帰国翌日には、多人数を動員する責任ある用事が1件入っていたので、絶対に20日中の帰国が必要でした。

 最後は、この災害情報だらけの日本を、外から見るのもいいかと、思い切って出かけてきました。

 乗り継ぎの仁川(インチョン)空港では、「検疫」が出迎え。巨大な北京空港第三ターミナルは開港日に到着した経験がありますが、今回はさらに国際化の進展をみせる案内掲示板を見て、一見、日本か、韓国か、中国か錯覚にとらわれるほど。

 午後4時過ぎに到着したのに、黄砂の影響なのかその他の大気汚染によるものか判然としないものの太陽は黄色。翌日の朝も快晴だ、というのに、100メートル先もはっきりとは見えない有様。今後の中国での大気汚染や各種公害による患者の増大を考えると、放射能汚染並に深刻なものを感じます。予め原稿を用意していた今回の講演テーマは、奇しくも「公害防止協定」に関するもの。 → 中国人民大学のホームページ上の案内
 帰国の際の、仁川空港福岡空港の機内では、乗客は1割にも満たない感じ。この写真を発券してくれた日本の旅行者の方に送ったら、思わず笑ってしまったとか。福岡→仁川の飛行機は満席もいいとこでした。

 ちなみに、九州内の知人の話では、3月30日までの中国行きの飛行機は、日本国内からは全便満席というのですが、本当かどうか・・・と疑いますが、その知人の友人夫妻は、3月30日の中国帰国用チケットをやっと確保したという話です。

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2011.03.13

行政・自治No.137 緊急! 「みんなでつくる震災被災者支援情報サイト」

行政・自治No.137 自治体職員の方の提案で、また、職員の方々を中心とするボランティア作業により地震発生日の夜から、「みんなでつくる震災被災者支援情報サイト」が立ち上げられています。普段の災害対策のためにも極めて有用だと思いますが、各自の知見で、このサイトを充実させていくことも重要でしょう。

 この種の災害情報総合サイトは、これだけのようです。

 作成者からは、ML経由で、拡散希望とのお知らせをいただいています。ツイッターでも相当数の方が発信されているようですが、被災地に知人がいらっしゃる方は、そうした方々にお知らせいただきますようお願いします。

 ちなみに、関西方面の電力会社関係者から、携帯メールを通じて、夜間に電力が首都圏などに送られるので、関西以西・以南の居住者もできるだけ節電を、という拡散依頼が来ています。我々も節電に努めたいと思います。


 補足: (スタッフからのご連絡です)

 …… 転載 ……

みなさまからの情報をお寄せください。
ホームページにどんどん一元化して掲載いたします。

情報提供先はこちら
↓↓↓

メールならこちら
minnadetsukuru@yahoogroups.jp

ツイッターなら
@K_Sigetter

までご連絡ださい。

 …… 転載、おわり ……

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2011.03.11

ロースクール(法科大学院)が抱える切実な課題

 私の職場の教員用メーリングリストでも、岡山大学法科大学院 井藤公量教授(司法修習45期、弁護士)が運営される公式サイトで報告された「安念節炸裂! 来年度の授業を前に読み返してみました。」の紹介があり、早速、全文を読ませていただきました。

 この通知というか知らせがなければ、ツイッターにつきあっていない私は、全く知らずに過ごすところでした。

 安念潤司教授は、北大時代の元・同僚ということになり、その語り口は、十二分に理解しているつもりですから、文字で読んだ内容はそのまま同教授の生の言葉として耳に入ってきます。ロー・スクール生と、その教育労働者群が置かれた状況を見事に語っておられます。

 「第6回法科大学院(法曹養成制度)の評価に関する研究会」で安念教授が話されたことの「 議事録」(P22~35)からの引用です。

 全文引用したいくらいですが、下記の部分が私にとってももっとも切実です。

 「私は別に自分で司法試験の採点をする立場ではありませんから、自分の書いたことが正しいのかどうかわかりません。そこで、ぜひお願いしたいのは、実際に司法試験の問題を出している人に、模範答案というのを幾つか出してほしいんです。そうでないと、もう学生たちは疑心暗鬼です。断片的な講評の類は法務省のホームページにも出ていますが、断片的なので、かえって疑心暗鬼になるんです。「法務省のホームページにはこう書いてありました、じゃあ、ほかの書き方だめなんですか」って、それは受験生だからそう言うに決まっているじゃないですか。ならば、3つか4つ、こういうのがいい答案の例ですというのをぜひ示していただきたい。自分で書くのが嫌なら、司法試験の優秀な答案、あるいは中くらいの答案、すれすれの答案、だめ答案、これを出していただきたい。そうでないと、学生たちの疑心暗鬼は高まる一方です。その精神的な負担は実際には非常に大きい。ぜひそうしていただきたいと思います。」

 ロー・スクール生は、「合格」以外の文字や言葉には、ほとんど関心を持てないのだと思います。先日も、500万円、900万円などの奨学金借金を抱えている修習生に何人も会いました。私だって、この金額、とても月々の月給から貯めていくことは容易ではないですが、ロー・スクールを卒業した後、結果的に失敗をする方などは、この額を返しながら、さらに結婚資金でも貯める、など夢の世界の話でしょう。

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2011.03.10

弁No.114 飯塚市(旧・筑穂町)産業廃棄物施設に関する義務付け判決→上告→上告却下→特別抗告

弁No.114  福岡県飯塚市(旧・筑穂町)の産業廃棄物処分場産廃処分場)につき、2011年2月7日に福岡高裁は、違法な廃棄物の撤去など必要な措置を業者に命じるよう県に義務づける判決義務付け判決)を言い渡しました。このこと自体、行政訴訟法業界では相当の話題になっています。

 議論するにも、判決文がないとどうしようもないので、地元から頂いた判決文をPDFにしました。一部ブログにマジックインキ墨消し版のようなありますが、それ以外には私の力では見つかりません。アップロードするものにも墨消しに漏れがないか、心配です。控訴した住民グループは2つに分けられていますので、当方も「Aら」と「B次郎ら」に分けています。ご注意下さい。 → 判決文PDF

 なお、この高裁判決は、一審判決のコピー判決のため、原審判決がなければほとんど意味が通じません。原審判決もアップロードしたいのですが、何しろ101頁もあり、墨消し作業も個人では簡単ではありません。ボランティアの方でもいらっしゃればいいのですが、自分では限界です。

 この高裁判決につき、県は2月21日、福岡高裁判決を不服とし、最高裁に上告しましたが、翌日に県議会が上告取下げを求める議決をしたことから、福岡高裁は2月28日に上告上告受理申立て却下しました。これまた珍しいことですが、自治体が上告するには議会の議決が必要であり、不適法であると判断したと報道されています。

 この高裁却下決定に対して、福岡県は3月7日、県の上告を却下した福岡高裁の決定を不服として、最高裁に特別抗告したそうです(各紙)。

 すでに、ブログ上では、この高裁による上告却下問題の考察が行われています。私が下手な見解を書くよりも、こちらの方がはるかに詳しい考察です。県庁内部でも深い議論が行われたことでしょう。

 福岡高裁の上告却下と地方自治法96条1項12号についての覚え書き Kfpauseの日記

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2011.03.07

弁No.113 全部が原告敗訴の判例雑誌特集号?

弁No.113 『判例地方自治』337号(2011年2月号)を見て驚きました。

 第4事件の原告代理人の方は面識がありませんが、その他の方々は、行政法関連の事件では全員著名で、個人的には面識や何らかの接点のある弁護士。これら全5件は、いずれも行政を相手方として争って、すべて敗訴判決。このような特集号(?)は、さすがに珍しいのでは?

 第1判決 住民訴訟事件
  濱 秀和 弁護士

 第2判決 固定資産評価決定取消請求事件
  山下清兵衛 弁護士

 第3判決 住民訴訟事件
  井上善雄 弁護士
 

 第4判決 指定事業所設置許可取消訴訟
  二瓶紀子 弁護士

 第5判決 圏央道事業認定・収用裁決取消訴訟事件
  越智敏裕 弁護士
  斉藤一好 弁護士
  榎本信行 弁護士 (その他160名以上の弁護士。知人も多い)

 もともと、原告勝訴はあり得ないような事件だけだったのかどうか・・・

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