行政・自治No.142 正義に適った義援金配分を(その4)
行政・自治No.142 引き続き、RKB毎日放送の「今日感テレビ」からです。日時は飛んで、震災後約2年経った2007年1月25日放送分です。
福岡県西方沖地震の被害に対して、福岡県の配分委員会は、死者160万円、重傷(3か月以上)80万円、重傷(1か月以上)48万円、全壊32万円、半壊16万円、一部損壊3万2千円という基準を立てました。しかし、実際に何にいくら使うかは自治体の判断に委ねたそうです。重傷者にまったく渡さなかった自治体もあるそうです。この放送時点で、半数の自治体は、配分された義援金の配分先・方法が決まっていないとのことでした。
重傷者48万円という基準が県レベルでは決まったものの、何に使用するかは自治体にまかされたため、同じ重傷者でも、市町村ごとに、48万円、20万円、10万円、3万円、支給なし、と分かれたそうです。10自治体は被災者がなかったそうですが、配分はあったようです。他方で、震源地から遠かった田川市でも一部損壊家庭は出ていますが、田川市は市内の災害は大きくないとして義援金を募集しました。これはこれで大変結構なことで、集まった88万円を福岡市に送ったそうです。福岡市は、これをいったん福岡県に預けたそうです。その後、県の配分委員会は、田川市に9万6千円を義援金として交付しました。田川市では市役所のガラスの補修代として使用されました。災害後、2年以上経っているから、そういう途しか残っていないのでしょう。市民は、田川市内で取材した記者に対し「(被災地へ)行ったものだと思っていた。おかしいですね。なんでそんなことになるのですかねぇ。地震に遭った家庭に配分すべきだと思いますよ。」と言っています。
報道によれば、新潟県では、義援金に対する厳格な規定があります。県は、配分前に市町村を集め、その後、使途を明確にして情報公開をしていたそうです。情報公開が行われていると言っても、支給された人の固有名詞があがっているわけではないので、本当の正確なところまではわかりませんが。
ちなみに、福岡県の義援金配分委員会は、2007年の放送時点では、
日赤福岡県支部事務局長
福岡県社会福祉事業協議会長
西日本新聞社社長
NHK福岡放送局長
福岡県保健福祉部長
福岡県保健福祉課長
福岡県国保・援護課長
福岡県県民情報広報課長
福岡県消防防災課長
福岡県出納事務局総務課長
でした。今は、委員構成は変わっていると思います。
このブログの読者の方々は、このメンバー構成で、正義に適った義援金配分ができると感じられるかどうか・・・・
私が、テレビでコメントした内容です。「配分のポイント・基準が問題。メンバー構成にも問題。具体的な基準は災害の種類、性質によって決めるべき。長年災害ボランティアをしている方、被災地代表の市町村長なども入るべき」。
善意に応えるためには、情報公開をはじめとしてさまざまな課題があることがわかります。
アナウンサーの締めくくりの言葉。「次の災害のための対策のうちの一つに、義援金の問題を入れておかなければならないのではないでしょうか」。かくして、今回の大震災につながっていきます。
思い起こせば、この頃には、福岡県の副知事らと県町村会との癒着問題が同時進行していたのですね。
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