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2012.04.27

弁No.121 一部の議員の政争絡みで、大学は懲戒処分をするハメに

弁No.121 長崎県立大学教授懲戒停職処分無効確認(地位確認)訴訟で、大学側が敗訴する一審判決が出た2週間後に開催された平成23年12月13日の「平成23年11月長崎県議会定例会予算特別委員会(文教厚生分科会)」に証人として呼び出された大学専務理事(処分時の事務局長。長崎県学事文書課長からいわば処分執行を業務内容として出向していた人)が、百条委員会を設置して問題を作り上げた議員らから追求されている場面です。

 原告の教授側から、甲294号証として高裁に提出された証拠からの引用です。

 原告(被控訴人)の証拠説明書:「控訴人専務理事らが、長崎県議会の委員会に参考人として呼び出され、第1審の主張について非難を受けるとともに、本件裁判について県議会議員が控訴人を強く後押しをしていること及び控訴人が、被控訴人の兼業による大学業務への支障がなかったと認識していることを答弁していること等。」

 その中でも傑作なのは、次の部分=県議会委員会議事録 です。


小林克敏議員:

 「私は、率直な話だけれども、この久木野氏に付いている弁護士は、まれに見る腕の利く弁護土だ、これは。正直に言って。」

 「裁判所の認定の仕方がおかしいのか、要するにあちらの弁護士の腕がいいのか、それともこちらの戦い方が、失礼だけれどもちょっと弱いのかと。」

 「裁判というのは、私は幾らか経験をしているから言うんだけれども、やっぱり戦略だよ。戦略をきちっとやっでいかないといかんよ。だから、そうやって高裁まで控訴したことが事実になったわけだから、もっと主張すべきところは主張して、相手の弁護士に負けないぐらいの体制を組んで、これは、もうただ帳面消しで議会から言われてやっているんじゃないんだから、あなた方がこうやって無断欠勤ということを認定したがゆえに、こうして訴えるに値するということで、訴える価値があるということの中でやっているわけだよ。まだ事実関係について争うべき内容を、主張すべき内容を主張していないというところに正直言って不満を感じる。」


 この小林議員が、「幾らか経験をしている」裁判という裁判の内容は、「小林克敏」と「裁判」または「逮捕」で検索をすると、よくわかります。

 同氏は、最近、長崎県議会にまたもや設置された百条委員会でも活躍中です。その百条委員会の委員長と小林議員は、2012年3月10日付け「長崎新聞」「諫早入植問題で証人が百条委員ら提訴」によると、強要未遂と傷害の疑いで長崎地検に刑事告訴され、同時に、実質的に両名(形式的には県も被告)に計1100万円の損害賠償を求める訴訟の被告となっています。

 教授も、損害賠償請求をするだけの立派な資格がありそうです。1日8時間近く正面から、あるいは至近距離から数社のテレビ・カメラが写し続けている中で、ただただ、反問権もないまま、質問者の納得がいく発言が出るまで続けている拷問のようでしたから。私も、教授が証人となった長崎市と長崎県の百条委員会の全時間に補佐人として付きましたが、大変に疲れました。いわんや当事者をや。

 今回の労働裁判事件は、実は、地方自治のあり方大学の自治、が根本から問われている事件でもあります。

 ちなみに、大学側はただちに上告する旨の発表をしています。最後まで正義の主張を貫くことは大事ですが、すでに膨大な額になっている弁護士費用をさらに支出することは県民や県立大の学生の目からみていかがなものでしょう。もし、この大学が法人化しないで公立学校法人になっていなければ、住民監査請求から住民訴訟も起きたでしょう。合計4つの裁判を起こし、今まで8つの判決・決定をもらった私の方は、法律事務所に着手金も報酬も全くもらっていないのですが(原告が起こした大学ベンチャー事業が倒産し、連帯保証をしていた原告も個人破産手続を取ったため無資力)、負けても多額の報酬が事務所に入る方をうらやましく思いますね。

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