台湾の行政不服審査の現場: 日本でも(新)行政不服審査法が施行されるが・・・
日本で行政訴訟を起こす前に申立てしなければならないことが多い審査請求(これまでは、異議申立てというのもありました)のことを、台湾では「訴願」、韓国では「行政審判」と言っています。ちなみに、中国では、「復議」と言います。
日本で、韓国や台湾で行われているレベル・内容の行政不服審査が、この( 2016年)4月1日から、果たして実行できるのか、かなり問題が多いと考えています。
この写真は、台北市役所内にある訴願のいわば審判廷(台湾の語では、審判庭)です。ここで、モニターを見ながら、不服審査が行われます。外部委員(大学研究者ら)がたくさん入っています。
本当は、4月施行の行政不服審査制度の真っ当な運用は、地方自治にとっても、肝になる大事な問題ですが、私個人は、今より立派なものとして運用されることはほとんど期待できないと思っています。今春刊行の本にも、複数の自分が行った自分の行政不服審査経験例を書きましたが、情けない運用が変わることは、無理だろうなぁ、というのが施行前の正直な予測です。
台湾の訴願について、詳しいことは、田中孝男『自治体法務の多元的統制』(第一法規、2015年)第2部・補論2に書いてあります。
| 固定リンク
「自治体法務・政策法務」カテゴリの記事
- 北海道ニセコ町 まちづくり基本条例 制定・施行20周年(2021.12.30)
- 『新訂 自治体法務入門』 を刊行しました。(2016.09.04)
- 台湾の行政不服審査の現場: 日本でも(新)行政不服審査法が施行されるが・・・(2016.01.29)
- 『任期付き弁護士の自治体勤務制度は、世界で普遍的?(3)(2016.01.28)
- 『任期付き弁護士の自治体勤務制度は、世界で普遍的?(2)(2016.01.28)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント