書くつもりは全くなかったのですが・・・交流会のこと
前エントリーの続きです。
一昨日の朝日新聞夕刊(2016年3月18日付け)の社会面に「九大教授、研究費で退任パーティー」、「600万円、職員に指示 返還請求に応ぜず」という結構大きな記事にかかわっての話です。この新聞報道の内容が、事実かどうかは、未確定です。ただ、私も同種行事を行った手前、私にも疑いがかかることがあっては正直なところ迷惑ですので、全く予定外ですが、敢えて書かせていただきます。 (スピーチをしていただいているのは、韓国・建国大学名誉教授・金鐵容先生)
上記の件が事実とすればということで、以下の計算を記します。どの研究院(学部)の教授か分かりませんが、理系なのだろうと推測します。記事によれば、約280人が出席し、720万円ほどの経費がホテルに支払われたようです。1人当たり、2万5千円ですが、すごい額です。この総額のうちの600万円が研究費だというのです。にわかには信じられません。出席者のうち約80人が、計約120万円を負担した、ということですが、それが事実なら、1人当たり、1万5千円の会費ないし参加費だったことになります。この額もまた、私には途方もない数字です。
フェイスブック上でも、東京の大学だったと思いますが、最終講義後の記念パーティーの会費が1万1千円というのを見ました。私ならそういう多額の負担を参加者にはかけたくないと考え、そもそも開催しません。
それでも、小中高校の校長の退職記念行事などでも7000円~8000円程度の会費はよくあることらしいので、驚く私が世間知らずなのかもしれません。
新聞に記事が出た翌朝に、私のもとへも、私の最終講義後の交流会は、会費2000円にしては豪華な食事と酒類が出たが「研究費からなどではないだろうな」、という心配をした方からのメールがありました。
確かに、すでに、フェイスブック上でも、私の交流会で、「料理もあの会費でこれだけのものがよく出ますねというくらい良いものが出ました。特に生協の食堂という場所代がいらない所為か料理が絶え間なく補充され、中でも豚の角煮や牛肉のワイン煮込みの味は一流ホテルの味でした。」と書かれた方がおられます。
あるミニコミ誌でも、「この交流会、学内の食堂で、しかも安い参加費という事でお料理にはあまり期待していなかったのだが、会場に着いてびっくり。刺身の舟盛り、ローストビーフ、スモークサーモン、オープンサンド、中華料理、和食、洋風料理と盛り沢山。そんじょそこらのホテルのビュッフェより、よほどおいしくバラエティーに富んでいた。」とあります。確かに、「九州大吟醸」(清酒)、米、麦、芋の各種銘柄焼酎、ワインも1本ずつ異なる銘柄、エトセトラ。
もともとは、私の退職にあたって何か企画をしてくださる母体があるわけではありませんので、自分が発案した行事です(ただし、私のゼミ生であった方々は、別途、退職記念の会を開いてくださいました)。
無事に長年の勤務が終わったことで、お世話になった方々、今後さらにお世話になるであろう方々を、会費を無料にして、私がご招待したいという気持ちからスタートし、「交流会」という会合名にしました。しかし、無料だと何名来られるかわからない、という懸念がありますので、当初1000円案としましたが、同僚教員により案内状(フライヤー)では会費を2000円とする案に変更されました。
誤解されても仕方がないのですが、まず、会場が生協で国立大の施設だから安くできる、というのは全く事実とは違います。
実は、生協食堂との打合せ段階で、生協食堂には、演壇、音響設備、電源ケーブル、グラス、皿、(なんと!)箸(も)は全くなく、すべて依頼者(発注者)が「自分で購入する、ないしレンタル・ショップからレンタルする」しかないことが判明しました。グラスや陶器までは買えませんでしたので、紙のコップ、紙の皿を使用したことは、私の財源との折り合いによるものです(その後、相当の時間が経ってから、九大生協にも皿が1000枚、グラスが酒の種類に合わせて計数千個はあることを生協トップ層から聞くことになりました)。
生協担当者によれば、テーブルクロス使用料は、1枚1200円とのことでした。当日、立食パーティーの際には使用しない積み重ねた学生食堂(普段の学食風景は、写真参照)としてのテーブルや椅子がほぼみえないようにきれに隠すためには、この額のレンタル・テーブルクロスでは、何十枚あっても足りません。妻が、55メートルもの長さの1反の布を専門店で買い取り、自分でまる1日かけて、複数のサイズの異なるテーブルに合わせて裁断しました(参加された方、不使用のテーブルや椅子の山にあまり気付かれないよう、結構、上手に隠したでしょ?)。家内がこの綺麗とは言い難い学生食堂にちょっとおしゃれなテーブルクロスを敷き、そこに、フラワー・アレンジメント、蝋燭をおいて、少し雰囲気を出しました。
最終講義の際の大きなフラワー・アレンジメントと、交流会の各テーブル上のフラワー・アレンジメント12個も、家内の手作り。各テーブル上の花は、デパートや専門店で買うと4000円程度にはなるようですが、すべて女性参加者にお持ち帰りいただきました。ひな祭り後まで花が鮮度を保ったとのお話しを数名の女性から聞きました。蝋燭ももちろん持ち込みです。演壇のレンタル料が1万4000円というのも初の経験でした。
結局、参加者には、実経費の約3分の1を会費としてご負担いただき、残りは私が好きでやったことですので、私個人が負担しました。私の仕事と無関係である方で、当日、種々の作業をしていただいた皆さんの分、ドタキャン分も当然に私がもたせていただきました。こういうことは、書かないつもりにしていましたが、私も会費額と実際の料理や酒類の内容と質にかなりの齟齬があるため、今回の新聞報道を契機に、決して研究費などで補填してはいないということをあえて弁明をさせていただきました。
ブログやフェイスブック、その他、私信でいただくメールを拝読する限り、交流会は所期の目的を達したようです。いろいろな分野の方々とお話ができて良かった、とお聞きすると、無理して実行してよかったな、と思う次第です。
「講義」と名が付くとはいえ、法学部、法学府(修士/博士課程)、法科大学院の学生は、多くても5~8名程度ではなかったかと思います。
あとは、全員が各種分野の大人の方々。パワーポイント画像のサブタイトルとして、「最終講義(= 市民公開 最終興業)」とした由縁です。講義レジュメの冒頭には、「この最終講義ならぬ「一般市民公開講座」の趣旨と説明」と書いておりました。2つの企画を通して、九州自治体法務研究会の幹部メンバーを始め、実に多数の方々のお世話になりました。
改めて、感謝申し上げます。参加者の会場などでのお写真は、2名のカメラ担当者によりかなりの方につき、保存しておりますが、まだ、お一人ずつにお届けする時間を確保できません。できましたら、4月以降にお送りしたいと思います。
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