くれぐれも違法コピー・違法PDFが出回らないように
そろそろ、木佐茂男(著)『司法改革と行政裁判』(日本評論社)が店頭に出ます。
そうなると、(邪推に留まることを強く願っていますが)最高裁判所事務総局および全国の裁判所で、相当な勢いで「はしがき」、「序章」および「奥付」がコピーされ、あるいは、PDFの形で、手渡され、あるいは、送信、転送されていくかもしれない、と危惧しています。
もしそういう事態が生ずれば、それらの行為は、著作権侵害の違法行為となります。
もしも、裁判所内から、そのようなコピーを得られた方、PDFを入手された方、あるいは、そのようなコピー・PDFが出回っているという情報に接しられた方がおられましたら、直ちに、執筆者であり、本ブログの投稿者である木佐茂男まで、電子メールまたは所属法律事務所宛の電話・ファクスで、お知らせいただきたくようお願いいたします。
いろいろなコピーのとり方、PDFの作り方があります(例えば、コピーに歪んだページがあるとか、PDFにしたファイルには「○○頁から○○頁まで」が異なるバージョンがあるとか、かなりの不統一なコピーが行われるものと邪推します)がありえます。著作権者として、いくつのバージョンのコピーやPDFが出回るかについて強い関心がありますので、そのような違法コピーや違法PDFを入手された方、噂を聞かれた方は、それらの1件、1件についてお知らせいただきたいと強く願っております。
本書の中では、最高裁事務総局が、最高裁判例に違反して行った違法行為についても言及しています(5頁注(11))。
まさか、事務総局の幹部たちが、著作権というものの権利性を知っていて違法行為をすることはないと信じたいのですが、違法行為があれば、以下のような数字ですぐ判明します。
印刷総部数は600部です。そのうち、5冊がすでに九州大学に納本(寄贈)されています。そして、著者買い取りが発行部数のおおよそ2割ほどあります。昨年刊行した『国際比較の中の地方自治と法』(日本評論社)が約1年の間に、(私による寄付分を除いて)約70の大学図書館に所蔵されていることから推測しますと、少なくともほぼ同部数を大学図書館が購入するでしょう。残る部数は400部です。最高裁事務総局や全国の裁判官・裁判所職員のうち仮に300名が読むとすれば、1冊を数名で読み回したとしても、100冊は売れるはずです。しかし、過去の同価格帯の法律専門書の売れ行きに照らして推測すれば、普通なら1年かかっても印刷部数の半分も売れることはないでしょう。出版社での出荷状況や在庫状況は、日々確認することができます。最高裁に納本する取次ルートも調べております。
かくして、このような少部数の出版物が、もしも裁判所内部で合法的に読まれて話題になるとすれば、本来は売り上げ部数にすぐ反映するはずです。「裁判所関係者が違法コピーするはずはない」、裁判所図書館・図書室に正式に所蔵された本を借りだして読む、あるいは、裁判所として正式に消耗品性図書として購入して読むということであれば、裁判所関係だけでも数百部が購入されるはずです。実際、かつて、『全裁判官経歴総覧』(公人社)は、裁判所・裁判官による「お買上げ」があって大変に売れたという歴史的事実があります。この本は、簡単にコピーできない「造り」になっていたという面がありました。
以上、邪推として、この店頭販売開始時点において、くれぐれも裁判所内で違法行為が行われないように述べておくことにした次第です。
かつて、1999年から2000年にかけて、司法制度改革審議会の審議に向けて、拙著『人間の尊厳と司法権』と、筆者監修の映画『日独裁判官物語』に対して、最高裁事務総局が猛烈な工作をしたことは、本書(27~39頁)で事実をもって論証したつもりです。今回も、無理筋の様々の攻撃があることを覚悟しています。
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