2009.05.28

行政・自治No.104 名前無き行政行為・名前無き教示文

090528_2Jidoushazeitsuuchi_2行政・自治No.104 最近、ロー・スクールの講義をしていて、未熟、勉強不足のため、説明できないことが多くて困ります。

 行政行為、行政処分の書類に、行政庁名を書くのは当然ですが、例えば、○○県知事 というだけの発令者名で、懲戒免職ができるのだろうか、などと考えています。

 写真は、処分をした行政庁の名称はあるが、税務署長名のない自動車税の納税通知。もう一つは、今日のロー・スクール講義の際に学生から提供された昨日(2009年5月28日)発行の教示文。日付も、担当者(発行者)も何も書いてありません。何枚でもコピーできそうです。

 国税還付通知などでも署長名などはありません。どの程度まで、行政庁の任にある自然人の名前を書いておくべきなのでしょうか・・・

 これって、適法なのですかねぇ。ともかく、教科書類を見ても、言及はないようです。

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2009.05.15

行政・自治No.103 初体験

Dsc_0606_small行政・自治No.103 初体験をしました。

 今まで、大学内での講義を除いて、約400回くらいの講演・講義・研修などを行ってきましたが、生まれて初めて、シンポジウムに出席したものの、主催者、基調テーマ、出演者、その他もろもろのことが2転、3転どころか、7転、8転して、ついに、主催者も実態があるのかないのかわからない、シンポジウムのテーマも決まっていない、椅子並べをする人さえほとんどいない、シンポジウムが始まったのに、会場に案内の紙1枚貼ってない、基調講演者、パネリスト、スタッフ、一般参加者、全員を含めても15名か17名というすばらしいシンポジウムに参加することになってしまいました。

 元はと言えば、某大学からのお話しで、内閣府も関与し、できれば九州大学主催で、というお話しだったのですが、いつのまにか、企画当初にいたはずの人たちがひとりもいなくなっているような事態に至っていました。

 写真は、基調講演がすでに始まっている時点のものです。写っているのは15名くらいでしょうか。各パネリストが連れてきた知人1名か数名が参加者と言える程度。

 このシンポジウムの広報はまったくされておらず、唯一、私の4月24日付けのブログのみが情報源でした。

 RKB主催のジャーマン・フェスタの会場にも、シンポジウム会場の福岡タワー入り口にも建物内にも一切、案内文はありませんでした。RKBが組織として引いたのもよく理解できます。

 いろいろと振り回すことになってご迷惑をかけた九大本部の職員の方々、誰かに代わって、深くお詫び申し上げます。

 これをもって、私の初体験の日記を終わります。

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2009.04.13

行政・自治No.102 郷里の市長選

Bataden1dsc_3066_smallBataden2dsc_3071_small行政・自治No.102 気がかりな選挙が連続していて、先日は、東京都千代田区(千代田村?)の区長選挙の実態を詳細に知る機会を得ました。今年は統一地方選の年ではないのに、その他にも連続して、首長選が待っています。

 今日は、高校時代の同級生・長岡秀人さんが出雲市長にさきほど当選しましたので、ほっとしたところです。現職市長さんが最下位でした。長岡さんは、合併する前の私の郷里の市の現職市長。そして、2市4町合併後の副市長を経て、今回、市長になられたわけですが、少しまともなもっと良い市政になることを期待しています。


【速報】出雲市長に新人・長岡氏

 ◇出雲市長選挙開票結果
 (12日22時37分、選管最終)
当54,703 長岡 秀人 58 無新
  18,683 菊地 恵介 33 無新
  16,832 西尾 理弘 67 無現

 2枚の写真は、この3月で最後の勤めを終えた一畑電車のお座敷納涼列車。長岡さんの引率で、貸し切り列車に載った昨年(2008年)8月の写真です。納涼電車のチケットを兼ねたウチワを持って乗車案内(?)をし、乾杯の音頭を取っているのが、長岡さんです。

 選挙前でしたので、掲載は控えておりました。この電車引退記念の全線の様子を移したDVDも買いました。

 今日は、このくらいで止めておきましょう。文部科学省科研費の後始末作業の途中ですので。

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2009.03.10

行政・自治No.101 ルビ文化 あるいは フリガナ文化

行政・自治No.101 以前のブログや全国町村会『町村週報』の「閑話休題」で、ルビが振ってない挨拶文を読んだために、一種のスキャンダルになった首長のことも書きましたが、最近、また同じようなことにぶつかりました。この件、まずは2009年1月7日付けの「ブックスタート」に飛んでいただき、そこから閑話休題のPDFファイルに行ってください。

 ある役所で、トップの発令になる辞令をもらいましたが、その辞令を代読した幹部は、「きさしげお」と書かれたポストイットを付けたままで交付してくださいました。

 ちょっと、何か・・・変な感じが。

 例えば、小中学校の校長先生が卒業式で卒業証書を渡すとき、ルビを振ったものとか、フリガナを付けた別紙を横に置いて、証書を読んだりはしないですよね。

 記念に、ピンク色のポストイットの貼ってある白地の辞令をしばらくは大事に保管しておくことにします。ここで、PDFファイルにしたものか、JPG写真で公開するのは簡単ですが、さすがにはばかられます。

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2009.02.26

行政・自治No.100 職員給与額の全面公開

行政・自治No.100 鹿児島県阿久根市の職員全員の給与額公開が話題になっていますが、自治の大原則からすると、どう考えて良いものか。

 目下、九州自治体法務研究会のメンバー間でも、議論の最中ですが、情報公開と個人情報保護の関係からいかがか、単なる悪趣味を広げるだけのものなのか。地場経済との関係で、大事な情報公開なのかどうか。

 正直、たかられることの多い田舎の(都会でも?)首長さんの給与は、首長以外の特別職の給与よりもう少し高くてもよいのではと常々思っています。さらに、首長給与は、一般職に比べてもう少し差があってもいいような気がします。パーマネントの職と、落ちればただの人になる任期制(人気性)特別職とは違いますしね。ドイツだったら、専任の首長制度の自治体であれば、差は大きいですね。責任の度合いが(本来は)違います。

 行政・自治No.100 のテーマが、こういう話題になるとは・・・

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2009.02.11

行政・自治No.99 「普段着のドイツ地方議会」

行政・自治 No.99 掲載するのを忘れておりました。2008年暮れに刊行されました全国町村議会議長会の月刊誌である『地方議会人』の39巻7号(中央文化社、2008年12月号)25~29頁に書きました「普段着のドイツ地方議会」を掲載します。

 転載の許可は得ております。

 今までの公刊物に載せたドイツの地方議会関連の写真や図表などは意識的に回避しました。画像は、講演などでは上映してきたものの、地方自治関係の印刷物・出版物では非公開のものだけ10点程度に絞りました。

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2009.01.08

行政・自治No.98 自治体連合組織のあり方

行政・自治No.98 今更の感もありますが、1995年に公刊した『ドイツの自治体連合組織』(A4サイズで97頁)をアップロードすることにしました。

 これまでドイツを中心に、イギリス、スウェーデン、チェコの自治体連合組織を訪ねてきました。特に、ドイツは、連邦のレベルと州のレベルで、合計15くらいの自治体連合組織でヒアリングをしてきたでしょうか。日本の地方6団体とヨーロッパのそれとは「天と地」ほどの違いがあります。特に、自治体連合組織の幹部人事の違いであり、その結果としての活動スタイル、活動内容、学術的レベル、立法過程への影響などの相違です。

 日本の自治体連合組織の場合、政治全般と同様にほとんど付ける薬がないという感じを持ちます。現在の地方6団体はおそらく変えようがないのです。世界各国の、あるいは国際的な自治体連合組織の発展と比較してもシーラカンス化しています。調査開始から約20年、印刷公表からでも13年が経ちましたが、基本的問題点はまったく変わっていません。そこで、現段階でも掲載する意味があると判断しました。

 これは、北海道町村会の常務理事をされていた川村喜芳氏のご理解があって成り立ったものです。当時、北海道市町村振興協会の補助金により印刷などの費用が出ましたので、全国のすべての県単位の市町村振興協会に謹呈されていますが、おそらく1年以内には廃棄処分されたものと思われます。大学の図書館では、私が寄贈した北大、東大、京大、(着任後に)九大、以外では2大学に入っているだけですので、あまり目に触れていないと思います。

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2009.01.07

行政・自治No.97 ブックスタート

行政・自治No.97 新年のスタートです。遅ればせながら、新春のご挨拶を申し上げます。
 実は、1月7日の今朝、やっと年賀状を投函してきました。2007年の確定申告のため11月中旬にやっと税務署に行ったような始末です。年末に理容室にも行くこともできず、年始の法事や祝い事の宴席の最中にも論文指導関連の仕事をしていました。昨年は、大学から求められている各種の入力作業、ロー・スクールの授業参観やその報告書入力も大体半分くらいしかできまないという情けない1年間でした。当然のことながら、まともな論文の1本も書けませんでした。

 1年の始め、スタートに当たって、それらしく「ブックスタート」というテーマの原稿を、『町村週報』の巻頭言に書きました。12月22日号に載っております。題して、「自治体の幹部と議員にブックスタートを」という品がないというというか、刺激的なものです。

 年賀状では、何名もの首長や議員の方々から、「ブックスタート」で書いた内容に対して共感・同感というご意見をいただきました。ご笑覧いただきますと幸いです。リンクは上記部分からたどってください。なお、昨年8月の閑話休題もリンク切れになっているようです。

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2008.11.06

行政・自治No.96 自治体法務入門講座・特別講演 『逆境が育むまちづくり戦略』

行政・自治No.96 九州自治体法務研究会が開催している入門講座の本年度第2回目にして、最終の特別講演が開催されます。『逆境が育むまちづくり戦略』と題して、恵庭市長中島興世氏にお越しいただきます。2008年11月29日(土曜)、熊本市で開催です。
 開催要項を記したチラシと、ご本人の簡単なプロフィールです。

 同氏のウェブ・サイトとしては、こちら  があります。この市長選立候補時のマニフェストは、「絶対に」ご覧ください。こういうマニフェストがあったのか、と驚かれるでしょう。同氏のお話しは、とても80分やそこらで尽きるものではありません。数日聞いても足りないでしょう。

 同氏の恵庭市職員時代からの市民と手を携えた業績は数え切れないほどあります。私もさまざまな市民活動を同市に住んでいた当時に共に実践し、あるいは学ばせていただきました。
 私のパワーポイント画像には、たくさんの同氏の活躍場面が写っています。

 今、全国に多数生まれている自治体法務研究会のひとつの雛形になっている札幌地方自治法研究会の生みの親の一人でもあります。その経緯は、先般、2008年10月2日付けのこのブログでも紹介しました。

 一人でも多くの方のご来聴を切に願っています。

 九州自治体法務研究会主催の「自治体法務入門講座」は、スタッフのボランティア活動も限界に来ていますので、本年度をもって、いったん休止になるでしょう。今回の特別講演は、おそらく、その最後の特別講師による講演となります。

 北海道では、1995年に始まった「地方自治土曜講座」も、いよいよ幕引きの時期になった、という噂を聞いています。さまざまな意味で、時代の節目が来ています。吉の節目なのか、凶の節目なのか、わかりません。

 人が主人公になった地域社会を作るために、中島市長のような人物もおられることを是非とも知っていただきたいと思います。私個人の私的見解によれば、逢坂誠二氏は、世に知られる段階になったときは、首長でしたが、中島興世氏は、まぎれもなく北海道内職員でもっとも世に知れた(全国的にも知られた)一般職の職員だった、と言って間違いないでしょう。

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2008.10.24

行政・自治No.95 北九州市主催:自治基本条例フォーラムのご案内

行政・自治No.95 北九州市において自治基本条例の策定作業が進められていますが、2008年11月3日に、同市内において、これに関する基調講演とパネルディスカッションが行われます。題して、『自治基本条例フォーラム』。あまりに、タイトルが単調すぎますかねぇ。ご案内チラシの表面と裏面のPDFファイルです。

 会   場: 九州国際大学KIUホール(500人定員)

 開   始: 13:00~

 基調講演: 神原勝氏 『自治基本条例について』
         (北海学園大学法学部教授)

 引き続き:  パネルディスカッション
          「自治基本条例の最前線」

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2008.10.17

行政・自治No.94 「ガラパゴス現象」から「限りなく連邦制に近い道州制」へ

行政・自治No.94 先日、2008年10月8日付けの記事で「ガラパゴス諸島」に触れたばかりですが、この言葉は、本田勝一氏の『週刊金曜日』によって広めていただきました。その前後、「小さな司法」も、司法業界では普通名詞になりました。
 今日(2008年10月17日)の朝日新聞朝刊に「<裁判員>の名付け親」としての松尾浩也・東大名誉教授のお話しが載っていますが、その口語調のお話しの中に、「<精密司法>と呼ばれたが、ガラパゴス諸島の風景を連想させる独自の繁栄だった」というくだりが出てきます。日本の司法が、「繁栄」していたというのは「?」ですが。
 こういうガラパゴスと日本司法を結びつけるのは、本多勝一氏も現に言い、綾小路公磨風に言っても「ガラパゴス諸島の生物に悪いです(申し訳ないです)」

 さて、最近では、私のヒット用語の3つめになりそうな、「限りなく連邦制に近い道州制」という言葉が、妖怪のように出現しています。使われ方の歴史をたどってみると、どうも、私の『公法研究』56号(1994年刊)をも引用する某報告書が初出のようです。もう少し、<精密に>検証しないと断言できませんが、私が言わんとする「限りなく連邦制に近い道州制」とは全く異なり、都道府県制度を抜きにしたものとして、「限りなく連邦制に近い道州制」という語が、あえて誤解を導くように使われ始めたようです。

 ともかく、意図する絶対要件を抜きにして、同一の言葉をもって、実質的に別のことを説明・宣伝する、というのは止めて欲しいものです。

 2000年4月1日施行の地方自治法の2条1項の「総合的」が市町村合併を誘因する語として、意識的に「誤用」をされたように、よくぞ意図的悪用ができるものと、感心します。

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2008.10.04

行政・自治No.93 北海道「地方自治土曜講座」開講10周年

行政・自治No.93 北海道の「地方自治土曜講座」が、1998年5月に始まって、10周年となりました。

 当時の準備、心配、開始後の大盛況、いずれも懐かしい思い出です。主催形態や実行部隊も幾度かの代替わりを迎えたものの、今も、そこから多くの「実践+理論」派が登場しています。

 翻って、九州でも同種の試みをしてきましたが、やはり九州は、一つ、どころか、「ひとつひとつ」。だからと言って道州制論者ではありませんが、まとまりにくいのか、問題意識が異なるのか、なかなか北海道で味わったような高揚感を持つには至りません。「茹でガエル」化を待っているのか、時代状況が諦めを求めているのか、他の学習環境が整備されているためなのか、良くわかりませんが、九州自治体法務研究会がこのところずいぶんと無理して頑張ってきた自治体法務入門講座も受講者じり貧状態です。

 『カムイミンタラ』の記事 『1999年01月号/第90号 [特集] 北海道町村会 分権型社会の到来に備えて学び、実践をめざす自治体職員の熱気がみなぎる 地方自治 土曜講座』を改めて読んで、わずか10年ほどの間ですが、この間の時代の変化を考えてみることにしましょう。

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2008.09.19

行政・自治No.92 「海を見、山を見、人を見て支援せよ」

行政・自治No.92 九州自治体法務研究会主催(熊本日日新聞社、鹿児島県町村会、九州大学大学院法学研究院・後援)による2008年度第3回目の自治体法務入門講座は、「呼子 いか道楽」の宮本幸治社長を招いての特別講演があります。

 題して、「海を見、山を見、人を見て支援せよ」。

 民間で起業を行っている方からの痛烈な行政批判も聞けるかも知れません。宮本社長については、キーワード検索「呼子 いか道楽」で十分にヒットするでしょう。

 日時: 2008年9月27日(土曜日) 11:30~13:00

 聴講料: 1,500円

 会場: 熊本県労働会館

 申込期限: 2008年9月22日(月)

 申込先など詳しいことは添付のPDF版チラシをご覧ください。

 なお、昨日(9月18日)付けの催しと同一日です。私の身体は一つですから、どちらの会場に出没するかは苦渋の選択となります。もともと、昨日ご紹介したフォーラムが、9月22日(土曜)開催の予定だったのですが、諸般の事情で重なってしまいました。

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2008.06.02

行政・自治No.91 スイス視察・調査ツアーは中止となりました

行政・自治No.91 かなり時間が経ってしまいましたが、5月25日ツアーは中止になりました
 あらゆる交通機関や宿泊先のキャンセル期限を迎えたためです。30名の定員、15名なら赤字ではあるが決行、という姿勢で臨んでいましたが、半数どころか、最少催行人数の半数にも満たない応募者がわずか7名ということでやむを得ない決断でした。

 この間の近畿日本ツーリスト社の損失は、人件費を除いても相当の額になると思われます。

 依然として、公務員向けの各種雑誌や、セールスにより宣伝されているヨーロッパの行政視察などは、ほぼ同額でありながら、売れている(応募者があり、黒字でのツアーが可能となっている)ようですので、本企画が、「観光的要素一切排除」を強調したことが、嫌われた一因かもしれませんが、根本的な理由・原因にはもっと多様なものがあると思われます。

 いずれ、分析を進めなければなりません。

 私は、スイスの多数の関係者に、大変な無理をお願いして本企画にご協力を願いましたので、これから、お詫びの説明を長々と書かなければなりません。協力していただく趣旨を理解してくださるまでが大変だったのですが、今度は、「ごめんなさい」と云わなければなりませんから、何ともつらい立場です。

 それにしても、産学共同を謳い文句にするわが大学は、一切の広報・協力・支援もしてくれなかったし、逆に監視されしまい、学部としても「勝手にどうぞ」ですから、どこを向いているのでしょうねぇ。誰のための大学なのでしょうか。有名な他大学で、各種の行事の大々的公開や、大規模研究プロジェクターを誇らしく載せているホームページをみるたびに、情けなくなります。我々は、雑用としかいいようのないデータ入力を、パグの多いシステムの中で試行錯誤しながら期限付きで強制されているだけで・・・

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2008.05.21

行政・自治No.89 スイス視察旅行〔続4〕 募集期間終了迫るものの・・・

行政・自治No.89 いよいよ危なくなってきました。スイスの小規模自治体運営の理論と実態を調べる視察ツアー募集締切まで残り数日になりました。

 あと3~4人ほどの応募があれば、近畿日本ツーリスト社は、大赤字を覚悟で決行するとのことです。

 全国の人口1万人以下の全町村の全町村長・全議長に親展宛てで送った木佐名義の詳細な案内状も功を奏しませんでした。反応はほぼゼロ。

 5月19日に北海道から九州まで250名の市町村議員が任意で集まられた勉強会の席上で、「スイス視察ツアーの情報をご存知ですか」と挙手を求めたところ、「知っている」という方は、「皆無」でした。全議長宛の親展封書による多数の資料を入れた郵便物も、ひょっとすると事務局レベルで廃棄処理でもされているのでしょうか?

 例えて言えば、中小企業がつぶれようとしているのに、社長も同族役員も社員も誰一人、窮状を打開するための勉強さえしようとしない、あるいは、勉強のためのカネもない、というような感じです。あとは、破産法の勉強を、破産後にする、ということになるのかなぁ、と考えている今日です。

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2008.05.06

行政・自治No.88 公式に議論もしていないことが新聞で批判的検討課題にされて・・・

行政・自治No.88 対話を拒否して、最初から、新聞記者にリークするような行為って、まずいですよねぇ。この記事を書いた記者とは、じっくりと「対話」をしよう、っと。

 公式に議論していることがまったく新聞で報道されないまま、市長から、基本条例づくりの全委員を敢えて敵に回すような「良識ある」発言が一方的に大手新聞に載ってしまう世の中。マスコミの倫理はどこへ行った? 公器から私器へ?

 以下、あるブログからの引用:

 「住民投票うんぬんの前に「自治基本条例」などという非民主的制度を作り出す元凶を叩き潰すべきだと思いますがね。頑張ってください、○○○市の良識ある議員の皆様。」


 ここで、「元凶」とは誰のことで、その人を、どうやって「叩き潰す」のだろう? 差し当たりは、これから、○○○市に入ったら、防弾チョッキを着けて、ヘルメットを被って歩かなきゃ。

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2008.05.05

行政・自治No.87 インタビューなきインタビュー記事:自治基本条例編

行政・自治No.87 インタビューを受けてもいないのに、インタビュー記事が載っています(河北新報)。対象の発言に当たることは、『町村週報』の「閑話休題:ニセコ町基本条例の<呪縛>」の中でしか書いたり、言ったりしていないので、孫引きでしょう。それにしても、こういう引用方法は、記者としてまずいんではないですか・・・。
 で、こちらも無断で、PDFファイルにしたものにリンクを張ります。

 テーマは、東北地方でも自治基本条例制定の動きが広がっている、というものです。

 ちなみに、これが憲法記念日の日付で書かれ、テーマが、「自治体の憲法」に関するものだから、まぁ、おもしろい、というか、何というか・・・

 

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2008.04.19

行政・自治No.86 スイス視察旅行〔続3〕

行政・自治No.86  スイス視察・ツアーの申込者は、予想に反して、きわめて少ない状況です。ほぼ中止になりそうです。私費での申し込みは、今のところ、私の知人である村議会議員2名のみ。
 申し込みの少ない理由はいくつかあるでしょう。

・個人が私費で行くには高額である。
・公費で行く人にあっては、首長や議員などの場合、現在の地方財政危機を考えると住民の批判が怖い。

 といったことが考えられます。また、自治体の場合には、4月の人事異動があったというケースもあり得ますが、こうしたツアーに参加する可能性のある方といえば、首長クラスや議員であって、任期制度から考えて、あまり妥当しないように思えます。行こうという気持ちがあるかどうかでしょう。もっと根本的な理由は、『町村週報』に1ページもの紹介記事が載ったとはいえ、この企画が総務省や全国町村会による主催、共催、後援の形をとっておらず、「お墨付き」がない、ということにもあるような気がします。

 今、人口1万人以下の町村が廃村・廃町の危機にあるというのに、それからの脱却策を自ら求めに行くこともできない、参加すること自体が総務省への反逆行為と考えているからなのだろうか、とまで邪推してしまいかねない状況です。

 他方で、関心の高さは、反ってスイス側より示されました。スイスの日本大使館(スイスにある日本の大使館ではない。東京・南麻布にあるスイス国の日本大使館)より、日本人スタッフを通じてですが、この企画に対する高い関心が先日、伝えられました。

 スイス経済省を担当する方からですが、今、米国のサブプライム問題の発生より日本企業の欧州シフトも始まっており、スイスへの関心度が高まっているとのこと。なぜなら、EU加盟国の範囲が広がって、今やスイスはヨーロッパの「へそ」になってきたのであり、26ある全カントン(州)が連係プレーをして、経済振興にも努めていることから、日本企業も注目度を高めている、という話です。その際、平均人口が2千人台でしかないスイスの市町村は、いわば下からの民主主義を確立する細胞として、確たる地位を築いていることをスタッフとしても実感している、と話されました。

 わが国では、小規模自治体は廃止、上級機関による「直轄」制度を目前にしていますが、それを避けて生きていく方策の勉強にいくことさえ躊躇される財政危機と政治的摩擦回避感覚に支配されているようです。

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2008.04.18

行政・自治No.85 行政不服審査法案・行政手続法一部改正案の国会提出

行政・自治No.85 タイトルの通りです。総務省のサイトで、概要、要綱、法律案・理由、新旧対象条文、参照条文を、PDF ファイルの形式で、ダウンロードないし読むことができます。

 あまり市民には注目されないでしょうが、行政不服審査法に併せて、行政手続法も一部改正されます。これで、行政手続法と行政事件訴訟法の間に挟まって、シーラカンス化(シーラカンスが怒るのですが・・・)していた法律も、変わっていくことになります。もっとも、その評価は別問題です。

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2008.04.08

行政・自治No.84 地方自治法施行令 第174条の49の19の2 の廃止

行政・自治No.84 地方自治法施行令174条の49の19の2が削除されています。4ランクにもなる条文はきわめて異例というか、内閣法制局では3桁までの条文しか従来は認めていなかったと聞きますので、極端な数字の条文だと言ってよかったでしょう。ある法律辞典の原稿段階では存在していたのですが(『平成19年版』の地方自治法関連六法にはあり)、校正段階ではなくなっていました。すぐに気づかない私が悪いのか・・・。そもそも、この条文は、「関与の特例」と題するもので、中核市には知事の発する命令等に関する規定を適用しない、という内容でしたが、この条文の削除で、一定の知事の関与は復活したのでしょうかね。そうしたことを中核市側も都道府県側もきちんと認識しているのでしょうか。

 かつて、北大勤務の頃に、ゼミ生を6つのグループに分けて、地方自治法の条文数を数えてもらったことがあります。6つにも分けたのは、条文総数の正確を期すためです。今は、地方自治法の全条文を数えると、実質的に何か条あるのでしょう。重要な条文だけを取り上げた地方自治基本法が必要とされる由縁です。

 ともかく、知らない間に多数の法令改正があり、専門に官報を見たりするわけではないので、とても法令改正には付いていけません。 

 知らない名称の法律もいっぱい制定されています。そこで、最近は、「法化」現象により、ますます法律や政省令の数が増えているかというと、そうではないようです。明後日のロー・スクール講義用に今年3月現在の法令数を、昨年3月現在のそれと比較したら、法律が31件政令・勅令が35件府令・省令が3件減っていました

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2008.03.23

行政・自治No.83 公務員が偽の書類を作らなくてもいいように。碓井光明 『政府経費法精義』発刊

行政・自治No.83  科学研究費などが当たると、その日から私たちは犯罪者予備軍的な扱いを受けます。「研究者は違法・不当支出をするものだ、任せておけない」。実際に悪用した人がいるから、こうした事態になったことは否定できません。しかし、今の現実は、本当に使いたい研究目的に使えない、交際費や外国調査の土産も自己負担。大型研究費を取得するたびに家計の赤字が増えます。会計担当者の目から見て、少しでも(不透明な)基準に照らしておかしければ研究補助金を支出できません。自分たちの給与も、その他の資金も何を基準にどう計算されているか、ほとんど知らされることはありません。

 この融通の利かない研究補助金制度を補うために作られた民間財団などの研究補助金も、それが研究者に支給決定がなされると、大学に寄付する形で納付を強制され、科研費と同一基準でしか使用できなくなり、その補助金設置の目的とは異質な運用を余儀なくされます。加えて、大学本部によって天引き(徴収)されます。大学によっては大学の事務局・教員が一体となって、柔軟な運用をしているところもあるようなことを耳にしますが、我が大学の硬直さには、他大学の同一プロジェクト共同研究者からも、「ヒマですねぇ」、「馬鹿な仕組みですねぇ」と本当に呆れられているのが実情です。

 そうした観点から見て、待望の書が出ました。日本の公金の流れは、本当に不透明です。公務員や研究者が、偽の書類を作る必要がないための法整備と法解釈が必要です。

碓井光明 『政府経費法精義』(信山社、2008年)ISBN 978-4-7972-2524-2 です。

 碓井先生は、東京大学法学政治学研究科教授です。

 「公金の水漏れを防止するために、主要な形態の政府経費の法的検討を行った本格的著書」で、「類書はまったくないもの」(はしがきⅱ頁)と自負される通りです。「サービス残業、会計年度による制約などにも思いを致す必要があると考えている。そして、筆者は、日々献身的に公務の遂行に励んでおられる公務員の方々が、偽の書類の作成などを迫られることなく、安心して公務に専念できることを誰よりも強く願っている者の一人である」(同ⅲ頁)。著者ご自身が「破格の廉価」で刊行されることについて信山社に謝辞を述べておられますが、490頁ものご著作であり、確かに驚くべき廉価です(4,000円+税)。通読は難しいでしょうし、すぐには頭に残らないかもしれません。ですが、座右に置いて、すぐに参照すべきタイプのご労作と考えます。

 ドイツであれば、初級公務員も、旅費法、物品会計法、公務労働法など、仕事にかかわるすべての法の概説を教科書により習うのですが、私どもは行政法の専門家であるはずなのに、こうした分野には完全に無知です。伝票を見て法的な位置づけをすることさえできません。「知らしむべからず」の世界に生きています。

 全公務員が簡単に読み通せる、この本の初級編も是非、早急に欲しいと切に思います。

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2008.03.12

行政・自治No.82 スイス視察旅行〔続2〕

行政・自治No.82 明日、2008年3月13日に、スイス視察旅行の企画立案者である近畿日本ツーリストの吉田課長が直接に九大まで来られて、学内で記者会見が行われます。すでに、プレス・リリースされているチラシですが、明日配布される資料の一部ですが、私のブログでは未掲載のものを掲載しておきます(→プレス・リリース)。すでにリリースされた版が若干手直しされています。

 今、とても奇妙なことが起きているようです。どうも、総務省への気配り(?)からか、事前の潜在的関心の大きさと比較して、申込み手控え現象があるようです。総務省後援とか、全国町村会企画とでもなると、一気に申込みが増えるのでしょうが、下手に参加すると補助金や交付税が減る、と考えている小規模自治体も多いように感じられます。常に、自ら考えて行動する、ということは期待できない国なのかもしれません。

 しかし、現場には、いろいろな期待感があります。〔続きを読む

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2008.03.03

行政・自治No.81 スイス視察旅行〔続1〕 ― 今日のアクセスの多さ

行政・自治No.81 逢坂誠二・衆議院議員前・ニセコ町長)が本日付の同氏の徒然日記の中で取り上げていただき、北海道自治体学会のMLでも紹介がされましたので、今日のアクセス数は非常に多いものとなっています。私のこのブログでは最高のアクセス数になっています。

 さて、近畿日本ツーリスト社によるA4サイズで4ページのツアー紹介チラシと申込書が今朝出来上がり、送信されてきましたので、急ぎ、アップロードいたします〔チラシはこちらから〕。

 すでに、関心をお持ちの方からの問い合わせはかなりあるようです。もともと6月18日出発予定でしたが、ヨーロッパのサッカー大会(ユーロ 2008オーストリアとスイスが共同開催地)の試合当日とぶつかり、スイス中のホテルが満杯ということが分かり、かつ、日本では自治体の6月議会の真っ最中ということで、2転して、出発日が6月25日となりました。当初は、仙台発の「エーデルワイス航空」のチャーター便を利用することになっていましたが、結局、ルフトハンザ航空で、フランクフルトとチューリッヒ経由で首都ベルンに入ることになりました。この時期がいかにサッカーでホテルを確保することさえ大変かは、チケットの販売状況(例えば、このサイト)で分かると思います。

 今後も、続報をこのブログに載せることがあるかも知れません。関心をお持ちの向きは引き続きチェックをしてみて下さい。

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2008.02.29

行政・自治No.80 今日、募集開始 「木佐教授と行くスイス小規模自治体徹底視察研究の旅」

行政・自治No.80 標記のツアーの募集が、今日、開始され、全国町村会の『町村週報』では、2月25日号で紹介されています〔記事はここをクリック〕ので、ここでもご案内しておくことにします。 

 すでに口コミによる情報漏れ?により、定員30名枠のうち、ある程度は埋まっています。このブログ記事及び上記の埋め込まれたPDFファイルは、配布自由です。

 以下は、主催者である近畿日本ツーリスト作成のプレス・リリース用の原稿の抜粋です。

タイトル
  九州大学大学院法学研究院 木佐教授監修・同行
  「スイス小規模自治体徹底視察研究の旅」

内容・セールスポイント
  ① 小規模自治体研究分野において学術関係者の研究
    成果を企画化した極めて画期的かつ実践的なツアー
  ② 九州大学大学院法学研究院「木佐教授」のスイスの
    自治体に関する研究データと多岐に渡る人脈を駆使
    し企画化されており観光色一切なしのツアー。
  ③ 日本における小規模自治体の問題点を踏まえ、研修
    内容をコーディネイトしている。
     主に広域行政サービスの効率化・財政問題・組織運
    営・人材活用・地方自治権などを実地研修できる。
  ④ 監修者である木佐教授が全行程同行し、随時レクチャ
    ーを実施する。
  ⑤ 現地において研修を踏まえ、参加者全員でシンポジウ
    ムを開催し、日本が抱える問題点への改善提言などを
    予定。
  ⑥ 旅行前に木佐教授作成のレジュメを全員に配布し、事
    前学習をしてもらう。
  ⑦ 参加者には事前にアンケート調査を実施し、結果を踏
    まえ視察内容を調整するなど、実情に即した企画を徹
    底する。
  ⑧ 全国町村会の協力により「町村週報」や同会HPに案
    内要綱を掲載。

他社とどこが違うか
  ① 一般のお客様ではなく小規模自治体関係者及び研究
    者に対象を絞った商品

初めて取り組むことか・今までとどこが違うのか
  ① 社会科学系では極めて珍しい産学連携商品

社会性・話題性
  ① 社会科学分野における画期的な産学連携商品
  ② 小規模自治体が抱える諸問題を踏まえた本格的研修
    企画
  ③ 観光色が一切無いこと
  ④ 東北の地方支店が地方である九州大学の学術研究者
    と共に地方の小規模な自治体の為に「想い」を併せて製
    作した企画であり、中央主導ではないこと
  ⑤ 全国町村会が告知協力していること

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2008.02.21

行政・自治No.79 総合計画に対案を出せる議会―自治を実行する町民

行政・自治No.79 遅い昼食を16時前に食べながら、ふと、目にとまった今日(2008年2月21日)の小さな新聞記事(朝日新聞・朝刊「地域格差に挑む」第23回 栗山町(中)総合計画に議会が対案)の末尾で目が止まってしまいました。あれ、よく見た名前が。

 主婦IKさん(記事の中では本名。ただし、新字体で表記)が、「議会は首長の施策の追認機関だと思っていたけれど、違ったですね」と述べた言葉で記事が締めくくられています。

 北海道栗山町議会基本条例は、当然のことながら、議長や議会事務局長を始め議員の努力の成果としてできたものであることはすでに業界では周知のことです。IKさんが、卒業後20年以上も毎年くださる年賀状から、町の委員会などの役職に就いておられることは知っていたのですが、こうした場面でも登場とは。彼女は北大時代の木佐ゼミ生。一主婦となってからも地元の生活者として、こうした場面で活躍しておられるのをみて、良かったなぁ、と思った次第です。教師冥利に尽きると言っていいかもしれません。ある程度の数の自治を本当に理解できる住民がいて初めて、斬新な条例も根付いていくのだろうと思います。

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2008.02.17

行政・自治No.78 是々非々で考える能力はないのか・・・

行政・自治No.78 ある訴訟事件の代理人として某市にインターネット上で情報公開請求をしました。本来は、事件の依頼者がずっと情報公開をし続けて相当程度の役所の悪事について情報を集めていましたが、当事者が請求すると、判断の制限期間のギリギリまで延ばしてくることと、情報公開請求をしている事実が役所内のあちこちに漏れるようで、依頼者に怖い電話がかかったり、不審な車が追いかけてきたり。マスコミにまで役所が圧力をかけたりしているようなので、ついに代理人である弁護士本人らが自分の名前で情報公開請求をすることになりました。

 せっかくさっそうと登場した首長も、前々の首長時代の不祥事事件の内容をほとんど幹部官僚から知らされていないようでもあります。ずっと昔の政権時代の悪事にはさっさとケリを付けて、身ぎれいになって市民のために行政運営を行って欲しいのですが、やはり大きな自治体では「裸の王様」にされてしまうのでしょうね。「行政の継続性」のために、過去の不祥事も「適法だった」と言い続けるのはいかがなものでしょうか。

 情報公開請求をいったんした私は、おそらくその自治体のブラックリストに載るのでしょう。教え子たちも多数就職していますが、彼らに迷惑がかからないことを祈るだけです。自治体であれ中央政府であれ、一度、反抗的行為をすると、ブラックリストに載せてしまうのでしょうね。

 私は、日本で最初の情報公開に関する訴訟となった埼玉県の事件で判例評釈まで書いているのですが、なんと25年もの間、ひとつの自治体からも情報公開や個人情報保護に関して、制定過程であれ、審査会であれ、委員の委嘱がありません。それはそれでほかにすることがたくさんあるからいいのですが、「この人物を委員にしない」という情報は、実に正確に各地の役所で共有されているのに感心します。

 役所には是々非々で行動して欲しいものです。上記の件も、新しい首長が身をきれいにして動けるようにという「側面援護」のつもりで、旧政権時代の後始末のために引き受けているのですが、「自治体を被告にして戦う悪者」というレッテルを一気に貼られてしまうのが悔しいのです。自治体官僚制のひどさ、根強さを日々味わっています。

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2008.02.02

行政・自治No.77 郵便事業がおかしい!

行政・自治No.77 郵政の完全民営化が行われたとか。今、自らの体験だけでも非常におかしい事態が生じています。

 この1月中旬。福岡中央郵便局から100メートルほど離れた中央区内のポストに投函された私宛の封書が、いかに土日を挟んだとはいえ、中央郵便局から3キロも離れていない自宅に6日目に配達されました。

 他方、1月18日にドイツで投函された航空郵便、それも大至急に必要な渡航のための大学からの招待状です。今朝の段階でもまだ届いていません。もう2週間経っています。正式な捺印・署名のないものでもいいからと言って、ドイツに電話して一昨日、添付ファイルで送ってもらったので今のところ実害はありませんが、大学本部では署名がないのですから正式な招待状とは言えないものとして扱われる可能性があります。

 他の方に聞いても、誤配を数件経験したとか、いろいろなトンチンカンな事例があるようです。企業の方は、一律の手数料値上げにかなりの不満を述べておられました。

 思いあまって、今日(土曜日)に小包配達に来た子会社社員の方に聞いたら、やはり現場の混乱は相当のようです。もっとも驚いたのは、一切の福岡市内の郵便物はいったん郊外?のセンターに集められ、そこで機械により配達事業会社向けに分別されるとか。「そのため、市内の郵便物の配達は遅くなるようになりました」とのこと。それにしても、6日目はないでショ。

 加えて、かつてと異なり、インターネットで福岡中央郵便局の電話番号を調べても、担当係(窓口)ごとの電話番号さえ出てこなくなりました。困ったことです。窓口取り扱いの電話、不在時の再配達受付電話なども話し中でつながりません。どうなっているのでしょう?

 そして、あちこち電話して、やっと本局の方が捕まりました。①中央郵便局管内の全郵便物は、②博多郵便局が回収する。③これを新福岡郵便局に持ち込む。そこからさらに、④東区蒲田(?)というところに持ち込んで、機械で各局向けに区分けし、⑤各局に配送する。そして、⑥郵便事業会社が各家庭に配るのだそうです。これが、郵便局が4つの会社に分割されたことの一端の様子です。

 私宛の航空郵便物の行方を捜すのは、もう諦めましょう。

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2008.02.01

行政・自治No.76 いわゆる「つなぎ法案」の審議

行政・自治No.76 逢坂誠二議員の徒然日記(その604)平成20年1月31日号)に、1月30日のいわゆる「つなぎ法案」取下げに至る前後の委員会事情が書いてありますが、そこからリンクが張られている同氏によるシナリオなしの突然の委員会質疑の様子(衆議院収録の動画)は、歴史に残るものではないかと思います。

 おそらくテレビでも一部は放送されていると思いますが(私はテレビをほとんど見ないのでわかりません)、この録画の全部を見れば、日本における「議論」とは何か、が分かるような気がします。すべての国民に、この録画された画像を、最後まで見て欲しいと思います。

 同氏は、この間、日本における民主主義の危機について、日記の中でも繰り返し主張されてきました。まさしく、そのことが問われる重要場面で、同氏が起用されたことは、一つの歴史的必然性ではないのか、とも思います。

 これほど激しく発言される逢坂氏の姿を見たことは当然に今までありません。

 ただ、心配なのは、毎日の日記からうかがわれる超過激な旅程、特に選挙区と東京・札幌との往復などです。画面の表情からはお疲れの様子もうかがえます。2週間くらい、政治家もまとまった休養をとれる環境になって欲しいものです。
 
 同氏の日記そのものは、同氏のホームページのトップから見ることができます。

 この国会審議を、パソコンで動画(DVD)で保存しておくにはどうしたらいいのでしょう? どなたか、私信で教えていただけませんか?

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2008.01.30

行政・自治No.75 遡及効のある税法規定の適用に違憲判断

行政・自治No.75  本日(2008年1月30日)付け各紙に載っていますが、福岡地裁民事2部で、4月に施行された改正税法が1月1日から効力を持つという、いわゆる遡及効規定の適用を無効とする判決が出ました。
 ある女性が、自宅を売却した際に受けられるはずの還付金が法改正により受けられなくなったという事案で、この方は本人訴訟で、こうした遡及措置の違憲・無効を主張されたものです。
 詳しくは新聞を読んで頂きたいのですが、昨晩、19時半過ぎでしょうか、共同通信の記者からの依頼で、結果的に21時頃、コメントをすることになったのですが、共同通信の記事は、通常、各地のいわゆるローカル紙にしか載りません。

 しかし、驚いたことに、今日の午後になって記者からの電子メール連絡で知ったのですが、日本経済新聞や西日本新聞にも、同一のコメントが載っていました。私の共同通信社とのおつきあいの中でまったく初めてのことです。
 新聞コメントについては次のような考え方があり得ます。

 ・全国のなるべく多くの一般庶民の方々に知って頂きたい事項は、読売新聞
 ・世間で言う知識人や研究者に知って欲しいことがある場合には、こうした人々が自宅で取っている可能性の大きい朝日新聞
 ・特定の地元に影響を与えたい発言をする場合は、各地域のローカル紙

 読売・朝日・毎日の記者がどんなに頑張っても各地域ではNo.1になれません。圧倒的最大部数を誇るのは、その地域のローカル紙ですから。今回は、良くてどこかの地域の新聞に載るのかな、という感覚でコメントしたのですが、大事(おおごと)になりました。日経と西日本で同一のコメントなど、通常、あり得ない話でしょう。特に、今回の裁判は、福岡ですから、西日本新聞の記者はどうしていたのでしょう?(ただし、共同通信社の福岡支社は、西日本新聞のビル内にあります。共同通信の記者は、西日本新聞も使うかもしれないと言われていました)

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2008.01.21

行政・自治No.74 『実践 そこにしかない地域経営』

080120fukudashinochiikieiei行政・自治No.74 福田志乃さん(『地域政策プラニング』代表)『実践 そこにしかない地域経営』(時事通信社)(2008年1月20日付け発行)(1,900円+税)が発行されました。データは、アマゾンの本書紹介のところで。表紙画像はまだ載っていませんが、まもなく載るでしょう。
 福田さんの思考・行動は、まさに現場主義。昨年末、九州自治体法務研究会に特別講師として一般公開講演をしていただきましたが、大変好評でした。

 第1章 地方が、生き残るためには
 第2章 地域と大手企業で伝える「唯一の文化(価値)」
 第3章 森林を守り抜く“環境企業”の貢献
 第4章 見直される地域(住民)自治
 第5章 ゼロから築き挙げた産業・ビジネス
 第6章 都市と地方部、互いに魅力を感じ合える空間を

 本書では、非常に大雑把にいうと、11の自治体・地域のまちづくり、福田さんの表現では地域経営、の実践が取り上げられています。一つ一つのご紹介は、ここでは無理なので。
 福田さんの思いと私の思いには、非常に多くの共通点があります。私ども、法を扱う人間の仕事は、彼女の地域経営の理念や実践を、法的な仕組みとして柔軟で、しかし、がっしりとしたものにすることにあるのではないか、と考えています。

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2008.01.20

行政・自治No.73 制限速度とは?

行政・自治No.73 上天草から福岡からは車で3時間の距離です。帰りは安全運転に心がけつつ、現場主義に立って、コンプライアンス法令遵守と訳されていますが、やや疑問)の実証実験です。

 車線変更も含めて、著名な会社の特定の定期高速バス(M交通でしょう。フェX号)の後ろをずっと追って安全運転です。80キロ制限ですが、速度は、ぴったり110キロでした。この速度で走るように、時刻表はできているのですね。改めて確認しました。このバスが基山バス停に定刻で着いた時刻に私も1秒遅れで到着。私は到着後1~2分以内に、そこから私用携帯電話をかけていますので、画像上は証拠十分。基山バス停到着予定時刻は、高速バスの時刻表で確認済みです。プロの運転手の神業的運転については、いずれ書きたいことがあります。第3種免許(?)があってもいいように思うくらいです。

 ちなみに、先般は、K県内のH田バス5台(観光バス)に挟まれて、やむをえずひた走りましたが、大体115キロでした。

 速度制限のコンプライアンスって、どうなっているのでしょうね。この制限スピード遵守問題について、普段から不思議に思っていることがあります。それは、また。

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2008.01.16

行政・自治No.72 「ふるさとは近くにありて守るもの」

行政・自治No.72 「ふるさとは近くにありて守るもの」。これは、『町村週報』の最新号(2008年1月7日号)に載っている大森彌教授の発言です。全国町村会長山本文男福岡県添田町長と大森教授の「町村の行方農産漁村の可能性」というタイトルの新春対談の中で出てくる言葉です。いうまでもなく、オリジナルは、「ふるさとは遠きにありて想うもの」ですが、うまく言い換えられたものです。この対談、市町村合併の功罪、というより、ザイ(罪)について、道州制にも触れつつ、言及されており、共感する内容です。まもなく、ネット上で公開されるでしょう。

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2007.10.16

行政・自治No.71 東京不便化策=分権改革手段

行政・自治No.71 先にこのブログで紹介しました「回り道の唄」をタイトルとしてそのまま拝借して、分権改革の「回り道」として、東京を不便にすれば、地域の過疎化や農山漁村の崩壊は防げるのでは、という乱暴な?趣旨になってしまった巻頭言を全国町村会の『町村週報』最新号に書きました。「随想」欄にリンクをはっておきます。全国町村会広報部でアップされる閑話休題の特集欄にもまもなく掲載されるでしょう。現時点では、別の記事にリンクされていますので、PDFファイルの方をご覧ください。

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2007.08.24

行政・自治No.70 尻尾の更迭

行政・自治No.70 逢坂誠二氏2007年8月23日付けのHPの日記より、引用。

> 4)社会保険庁
> 私もよく知る、
> 社会保険庁の総務部長と運営部長が、
> 更迭されるそうです。
>
> 総務部長は
> 社会保険庁組織全体の管理不十分なため、
> 運営部長は
> 「宙に浮いた」年金記録への対応のまずさ
> これが、それぞれの更迭の理由です。
>
>
> しかし何か釈然としません。
>
> 現職の事務屋さんを更迭する以前に、
> 政治家の対応、
> これまでの積年の政権の対応、
> これを問う必要があるのではないでしょうか。
>
> 二人の部長の更迭では、
> 単なるトカゲの尻尾切りに過ぎません。
>
>
> そして二人の部長の更迭先が、
> 北海道と九州の厚生局長だそうです。
>
> 更迭先になった北海道に住む、
> 我々は、さらに釈然としない気分です。

 まったく、同感。なぜ、たまたま、そのときに、そのポストに居る人が責任を取らされるのでしょう。日本の公務員制度の根幹がおかしいのですが、大きな声にならないのが不思議です。ドイツであれば、退職した公務員も、懲戒裁判所で懲戒裁判を受けたりするのですが、日本の場合、多くは「辞め得」。公務員法の根っこからの改革を行える可能性が、日本型「国民主権」のもとで、あるのかどうか・・・

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2007.02.16

行政・自治No.69 「市町村合併と議会の役割」アップロード

行政・自治No.69 前の記事に書いた「市町村合併と議会の役割」をアップロードしました。短時間で書いたことと、この分量でも指定枚数オーバーですので、おそらくは舌足らずの文章ですが。啓蒙用の雑誌ということで、掲載しました。

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2007.02.13

行政・自治No.68 地方議会のハナシ

行政・自治No.68 え~ッと。いっぱい書きたいことがあるのですが、時間が追いついてくれません。とりあえず、最近出たばかりの小論のご紹介。

 最新号(2007年2月号)の『地方議会人』(全国市議会議長会・全国町村議会議長会の共同編集。発行は中央文化社。37巻9号)18~22頁に「市町村合併と議会の役割」を書きました。お題は、与えられたものですので、変えていません。同誌のこの号の特集は、「検証/市町村合併のその後」で、地方議会ではなく、合併問題ないし合併評価が中心です。

 私の知人の方々も、多数、統一地方選で立候補されますが、ほとんどが一匹狼とか、固定した支持者層のない方達です。そして、当該自治体全域のこと、あるいは広い視野でモノを考えている現職議員ほど、落選の危機にさらされているのですから、コトは、深刻です。

 外国の選挙については、このブログでドイツを例に2005年の9月頃、集中的に報告しました。それと比較して、日本の選挙の後進性については、もう、手のつけようのない状況になっていると考えます。

 日本ほど、地方議員が、フツーの市民ではなれない、といった国はあまりないのでは・・・。

 上記の『地方議会人』には、「議員と市民の同質性確保」と「職員と議員の同質性確保」という課題、「二元代表制というファントム?」、「地方議会態様の選択余地を」といった見だしを付けています。どうしても読んでみたいという方には、PDF版作成という手法がありますが。

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2007.01.17

行政・自治No.67 逢坂誠二『町長室日記 完結編』

07chouchoushitsu_nikki_kanketsu 行政・自治No.67 著者、逢坂氏が衆議院議員になられて、町長室日記も終わりました。最終日のものまでセレクトされて掲載されています。もとより、ごく稀に、ドーデモいいような内容の数行の日記抜粋もあって、清涼剤になっています。

 書かれていることは、まっとうなことが多いので、いちいちコメントしたくなるのですが、なかなかその余裕はありません。

 ときどき、「以上、HPでは公開しません」という部分があります。ニセコ町職員向けにのみ配信されている部分ですが、今回は、少し、この部分も掲載されています。まぁ、時効だから、と考えていいでしょう。

 それにしても、毎日、直接、逢坂氏から配信していただき、毎日見ていたはずなのに、意外に記憶にないものがあります。健忘症の始まりなのか、世の中、情報が多すぎるのか。

 先日の、「自治体職員にお薦めの3冊」を書いたときには、この「完結編」が出ることをまったく知りませんでした。コメントに続編刊行予定と書いておけばよかったですね。

 本書は、柏艪舎(はくろしゃ)から直接いただきました。今日現在は、同社のホームページでは、「近刊」扱いになっています。2007年2月1日発行(1,800円+税)  ISBN978-4-434-10082-6

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2007.01.15

行政・自治No.66 桂歌丸師匠 「透けて見える世の危うさ」

行政・自治No.66 今日、正確には昨日の1月14日、実に久しぶりに「笑点」を録画してみました。その司会者、桂歌丸師匠(落語芸術家協会会長)が、「透けて見える世の危うさ」という記事を朝日新聞1月13日付けに寄稿されています。

 やさしい語り口の中に、ずいぶんと多くの論点を散りばめた、とても読みやすく、かつ、問題提起のある文章です。お笑いの世界にも、ずいぶんと質の違いがあるようですが、行政や大学の世界に置き換えて考えてみても、この文章から学ぶことが、いくつも、いくつもありました。

 「世の危うさ」が「透けて見える」というタイトルは、ひょっとして新聞社の編集レベルで付けられたものの可能性はありますが、「透けて見え(てい)る」のだから、見て理解し、対応する能力だけは身につけたいものですね。

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2006.12.30

行政・自治No.65 「自治体職員にお薦めの3冊」

Gerichtpolizeizeitschrift行政・自治No.65 「自治体職員にお薦めの3冊」を書きなさい、ということで、月刊誌『ガバナンス』新年号に400字という制約の中で31名による「お薦めの3冊」が載っています。

 Reinigenさん(私は面識がないはずです。匿名だから分かりませんが。ひょっとしてよく知っている方、ということもありえないではないですが、本当に存じ上げません)のブログ、Reinigen Tagesbuchにも言及があったので、私も一言。

 宇賀克也先生が、木佐・田中編『自治体法務入門〔第3版〕』を3冊のうちの1冊に挙げて頂いたことは知っていましたが、私の方は、というと、最終的に校正が終わったあとの印刷された文章は手元にないので、ここでは紹介できません。

 私が挙げたのは、以下の3冊。理由は、本誌をお読みください。勘の良い方は、察しがつくでしょう。

 ① 逢坂誠二『町長室日記―逢坂誠二の眼』(柏艪舎、2004年)

 ② 佐藤昭雄『ドイツ秘書教育の語るもの』(近代文藝社、1993年)

 ③ 木村勝美『武富士対山口組』(イーストプレス、2003年)

 今年の本がないのは、まずいですが、あまり読めなかったので、探し出せなかったというのが本音。誰かが挙げられるだろうから、という理由で、五十嵐敬喜・小川明雄「建築紛争」などはカット。そして、最大の問題は、平均的な自治体職員の方がお読みになる本の性質を考えたとき、いわゆる専門書は避けた方がいいだろうし、そうなると新書以外にどのような本が適切なのか・・・ということ。

 某裁判所の警察官控え室においてある 「書籍」 は、全部、週刊誌系のマンガ写真参照)だったので(サンデー毎日、週刊朝日、週刊現代、週刊ポスト、週刊新潮、週刊文春などは1冊もなかった)、同じ自治体職員である方々は、と要らぬことを考え込んでしまったのでした。

 <補足>
 すでに、 「ぎょうせい」のHPに全文載っています。


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2006.11.28

行政・自治No.64 思いもよらなかった中国の地方選挙

行政・自治No.64 061128china_wahllist 中国天津市で2006年11月16日に行われた区(市地域内の区)の議員選挙の投票用紙です。本物は、朱印が押されていますが、これはモノクロのコピーです。

 私は、中国の選挙では、信任投票と思っていました。まったく違っていて、この選挙区では立候補した4名から3名を○印を付けて選ぶ選挙です。しかも、自分が推したいと思う人の名前を書く欄が設けられています。いわば「出たい人より、出したい人を」という仕組みを表現しています。

 実際には、立候補もしていない人の名前は知られていないから当選することはないのですが、次回選挙では知名度が上がることになるのでしょう。この投票用紙を見せてくださったのは天津市内の弁護士。彼の名は最上段に書かれています。来年は、日本の法曹との交流を日本で、と張り切っていらっしゃいます。選挙の前日だというのに、自らが終日、あの広大なことで日本でも既に知られている天津市の大工業開発地域を案内してくださいました。つまり、声をからした絶叫選挙戦はない、ということです。もとより、中国の選挙制度に種々の問題があるかもしれず、それは今後の勉強の課題ですが、なにがしか日本より進んだところがあるのを感じさせられた一コマでした。市内を走っても、日本的な選挙の雰囲気はありませんでした。この辺り、ドイツと似ています。

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2006.11.08

自治・行政No.63 九大で日本自治学会開催

自治・行政No.63 実に久しぶりに、昨晩、正確に言えば、今朝の2時前にブログを書こうとしたら、「メンテナンス中 しばらくお待ち下さい」というのですが、「しばらく」がいつまでか分かりません。諦めました。
 今朝は、研究室に入ってから、いったん、室外に出ようとしたら、ドアノブがポロッと落ちてきて、自分の力では、外へ出ることができなくなりました。仕方なく、今、ブログを書いているところです。

 さて、11月18日~19日に九大法学部を会場に、日本自治学会が開催されます。そのプログラムをPDFにしましたので、掲載しておきます。非常に興味あるテーマが並んでいます。私は、弁当代だけを振り込まなければならないのですが、2日分 2000円の弁当のために、銀行を探して振り込みに行かなければなりません。私の通勤途上には銀行(ATMも含めて)がないのです。振込料やそのためにどこかの地下鉄駅でわざわざ降りて振り込むことも考えると、弁当は高いですね。
 
 是非、日本自治学会の発表や討論を聞いていただきたいのですが、土日の九大近辺にはコンビニもなく、食堂もないと言える状況ですので、是非とも、事前に弁当を買ってからお越し下さい。お茶なら、自動販売機があります。但し売り切れたら、絶望的です。研究室もそうですが、特に、講義棟の方の水道からは、赤い水が出ます。お気を付け下さい。

 私は、九大内で、ほとんどいないと思われる同学会の会員ですが、今回の企画・運営にはまったく関与しておりません。一傍聴者として参加しますので、お声をかけていただいて構いません。

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2006.10.13

行政・自治No.62 「合併の心労 休職の増加」

行政・自治No.62 2006年10月8日付けの朝日新聞・西部本社版の社会面記事タイトルです。
 吸収合併に近い合併が行われたところでは、A市で全職員の1.6%、B市では1.3%心の病による休職者であるということです。休職者のほとんどすべてが吸収されたように見える自治体の職員です。
 この問題は、実に根の深い問題で、まさに、日本の自治体があまりに「内部自治」を行使、あるいは実現しすぎているため、他の自治体における仕事の仕方になじめないからでしょう。本当は、吸収した大規模な自治体の方が、全体として間違ったやり方のこともあるでしょう。
 公務員のほぼ全員が、いつでも他の自治体や組織で働く用意のある国では、仮に合併があっても、合併ストレスで休職ということは考えられません。
 まさに、独自の仕事のスタイルを確立している日本の各自治体が、他の自治体の仕事スタイルを知らないためにこうした現象が起きます。当面は、小規模な被吸収自治体職員が弱い立場で、メンタル犠牲者になっていく構図です。
 そもそも、流動性の高い公務員人事市場ができていたら、あるいは、スイスのように、官公民を問わない人事市場があれば、こうした悲劇は起きようがないのです。合併に伴う悲劇はまた別の形でもあるようで、今後考えていきたいと思っています。

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2006.10.04

行政・自治No.61 『分権の光 集権の影』 韓国語版完成!

Hikari_kage_korean木佐茂男・五十嵐敬喜・保母武彦〔編〕『分権の光 集権の影 ― 続・地方分権の本流へ』(日本評論社)の韓国語版が出ました。論文、座談会などがすべて翻訳され、省略されたところはありません。写真もそのままです。コンピューターで編集するようになった時代の画期的なことだと思います。これまでなら、版下を作るときに使った写真は所有者に返却されて「終わり」でしたから、外国での再現の可能性はほぼゼロだったと思います。本書は、紙質もよく、さらに日本語の注記部分も、韓国史上で初めて(と聞いた気がしますが)、旧字体ではなく、新字体となりました。訳者は、私のところで日韓の地方自治を比較研究する博士課程3年の姜信一氏です。同氏は、日本の地方自治ものの翻訳書は2冊目。価格は、15,000ウォンですから、日本円にして約1,500円です。
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2006.09.06

自治・行政No.60 スピード違反で捕まりました。いわゆる反則切符はなし。

自治・行政No.60 ブログの更新を怠って、早くも1ヶ月が経とうとしています。
 この間、毎日書きたいことが次々と生じていました。しかし、ともかくブログを書く余裕もないまま、世間で言う「夏休み」もすっかり過ぎてしまいました。「夏休み」をとっているからブログを休んでいたのではないのです。

 さて、この8月の末頃、実家から九州へ向かう中国自動車道で、ノンビリと左車線を走っていたところ、突然、右車線からスピーカーで「呼びかけ」を受け、近くの山口県最後と思われるパーキング・エリアに誘導されました。当日は、一人で600キロを走行するため、ただただスピードを出さず、今までの高速走行のうちで、もっともゆっくり目に走っているつもりでした。前後に1台の車もない状況で突然、スピード違反を理由に停止を求められるのですから、こちらも「唖然」。

 そのとき、あることを考えていました。九州から中国道に向かっていた往路で、事故車があったため時速50キロの速度制限が出ているところで、熊本発福岡行きの高速バス(935 ―地元では、キューサンコー、と読みます― のバスですが)などが時速100キロくらいで走っていたので、ああいうのを捕まえてくれればいいのになぁ、と何度も考えていたところでした。ところが、そういう危ない状況で走っている車が停止させられることなく、前後に1台も自動車がいない状況のところでは、安全であるため、捕まるのですね。常識の再確認です。

 警官は、私に免許証の提示を求め、書類に書き写しました。「今回は、切符は切りませんが、スピード違反は危険ですから今後、注意してください」。この書類は、県警で保管されるそうです。「ところで、私のスピードは何キロでしたか?」。「106キロです」。この安全な状況で106キロでねぇ・・・。

 免許更新時と、郵便局などでの身元確認以外で免許証を提示したのは、25年ぶりくらいです。

 私が捕まった後、関門海峡に近づくのにつれて、次第に車が増えてきました。私は、その後、半分意地で90キロ程度で走り続けましたが、ほぼ全ての車が追い抜いていきました。これらは、危ないので、捕まえようがないでしょうね。

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2006.07.28

自治・行政No.59 1,600件の権限移譲。韓国の済州特別自治道の出帆

自治・行政No.59 韓国済州島は、この7月1日に、済州特別自治道となりました。韓国の新聞の日本語版によれば、次のように説明されています。

 「盧武鉉政権による地方分権モデルとなる済州特別自治道は、新たな地方自治時代を開く転換点になるとともに、規制緩和などを通じた観光・教育・医療などの産業育成、競争力を持つ国際自由都市の造成基盤を確保するなど、大きな意味がある。政府から1,600件の中央権限が移譲され、自治警察や教育自治など新しい制度が導入されることから、政府は特別自治制度が定着するまで一定期間にわたり中央レベルで支援や調整役を務めることになる。このため、首相が委員長となる済州特別自治支援委員会が設置され、規制自由化、中央権限の追加移譲、成果管理体制構築などの課題を進めていく考えだ。」

 日本の道州制案と、どう違うのか、今後、丁寧な比較研究が必要でしょう。昨年の秋か年末に、私の研究室に所属する韓国出身の博士課程院生から、済州島が一種の連邦国家の支邦(国)にも当たるような大きな独立化をする立法化が進行していると聞いて以後、注目していました。立法化は早い、ということでしたが、本当に早かったですね。一歩先を越されている感じがします。今回の正式発足についても、同院生からの情報提供です。

 以下、日本語の参考サイトです。ニュース記事を3点教えてもらいましたので、便宜上、としてリンクを張っておきます。

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2006.07.25

自治・行政No.58 ほんとうの「国民保護計画」はどこに?

自治・行政No.58 30数年前でしょうか、宍道湖そのものが溢れたことがありました。偶然に公演をしていたキグレ、木下、矢野・・・、いずれのサーカス団だったか忘れましたが、宍道湖岸のサーカス小屋もひどい状況になりました。このとき、自宅に戻るのにとんでもないルートを探しつつ、いくらかかったかわからい時間を費やしました。当時、何家族もの親戚が、山間部から都心に移りました。鉄砲水のすごさも知識的には分かっているつもりです。

 私自身にとって、今年の水害は、それ以来30数年ぶりという感じです。やはり、災害は、普段は他人事になっていることに、今さらながら自分でも問題だなぁ、と感じます。もっとも、一昨年の台風の時は、マンションのベランダで片づけものをしているとき、50メートルの強風と強雨でガラス扉が開かなくなり、10階から吹き飛ばされそうになりました。ほんのわずかに風が弱まった隙に部屋に戻ることができ、文字通り、一命をとりとめましたが。

 今回の豪雨で、従兄弟の家では、乳牛が濁流に流されたり、頭だけ柵に挟まれたりして、3頭が亡くなったそうです。60頭前後の乳牛は、何とか流されなかったものの、搾乳機や高価な農機具が水没して使い物にならず、仮に搾乳できても、出荷する道路がないとかで、打つ手がないというニュースが過日入っていました。彼の近隣に住んでいる別の従兄弟も情報収集ができず、私の方が電話で先に知って、悲惨な情報に詳しかったりします。この酪農家も今回の水害で、今までの数十年の苦労も水泡に帰す可能性が大きくなりました。山河は荒れて、ますます人々は都会に出るしかない構造になっています。

 私は、危機管理の一環として、使用されていない搾乳機の備蓄箇所整備や緊急時のそうした機器のヘリコプターによる配備など、普段から地域防災計画の中に書かれていなければならないと思うのですが、弱者の危機には、目配りがないような気がします。国民保護法制は、日常に起きる災害を想定したこうした農産漁村の人々の保護法制でもなければならないと思うのです。地域防災計画自体が(自治体職員の中でも)あまり知られていないのに)、国民保護計画に吸い込まれていっては・・・

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2006.07.24

行政・自治No.57 12年ぶりの地方6団体の意見書

行政・自治No.57 1993年の地方自治法改正により自治体連合組織(法律上は、知事、都道府県議会の議長、市長、市の議会の議長、町村長、町村の議会の議長のそれぞれの「全国的連合組織」となっています)が内閣と国会へ意見書を提出できるという規定(263条の2)ができました。その後、最初に実行に移されたのは、地方分権推進委員会の活動が始まる前年の1994年。その後も、たびたび提出されているもの、と思っていたのですが、ナント、12年ぶりに、地方6団体が意見書を出したのだそうです。そして政府が回答をしたのは史上初めてとか。
 神野・東大教授が委員長を務める「新地方分権構想検討委員会」が、今年の3月にまとめた意見書を受けて、6団体が6月に提出していたこの意見書に対して、7月21日の閣議で回答内容が決まり、報道されました。結論的には、読売新聞7月22日付け朝刊(東京版13面)の見出しから拾えば、「分権推進への手順示さず」、「説得力を欠く内容」です。この記事の中に、私のコメントも入っていますので、22日付け読売を今から読むことのできる方は、目を通して頂きますと幸いです。

 ヨーロッパで見てきた自治体連合組織の意見書提出手続には、こういうたいそうな儀式性はありません。地方自治に関係するすべての法案が自動的に各連合組織に提供され、専門家集団(日本で言うプロパー職員(多くは博士号保持者)と、自治体の首長や専門的な幹部職員からなる作業部会)がただちに自治体(ないし住民)の観点から、法案評価をする。この当たり前のことが日本では、まだ実行に移せないのです。日本政府は世界地方自治憲章(案)にまだ賛成していないはずですが、その理由の一つにこういう問題もあります。

 今日、今頃、こういうブログを書いているはずはないのですが、朝7時半に駅まで行ったところ、JRの鹿児島本線が不通になっており、回復は早くても昼頃とか。10時開始の仲裁事件の審査会に出頭できませんでした。今年は、ともかく、雨にたたられ通しで、この1カ月以内だけでも、①5時間かけて大学へ、②21日には8時間半かかって横須賀へ(空港行きのリムジンバスの中に3時間以上閉じこめられました)、③今日はついに不通で職場へ行けず。この次は、何が待っているのか・・・。

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2006.07.06

行政・自治No.56 「中小自治体の現状と課題」

行政・自治No.56 取り急ぎ。「中小自治体の現状と課題」『地域政策』20号(三重県職員研修センター(編)、公人の友社(刊)、2006年・夏号)27-33頁に、ちょっと過激な、しかし、事実を率直に書きました。

 出版社の特別の許可を得て、PDFファイルにしております。本ホームページのトップにある更新履歴から、取りあえず、入って下さい。

 この項、補足記述を後で行います。

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2006.06.14

行政・自治No.55 こんな行政不服審査の運用が欲しい ― 内部告発警官復帰

行政・自治No.55 この6月6日に愛媛県人事委員会は、裁決で、捜査費不正支出問題を内部告発した巡査部長(57歳)が県警により不当な職場に配置転換された処分を取り消しました。13日には、元の鉄道警察隊に復帰されたようです。
 裁決で人事委は、県警が訓令を改正して新設した役職に異動させたことを「本末転倒の決断で恣意(しい)的だ」と指摘して、「公益目的で会見する者に対して不利益を与えないよう慎重な配慮をしなかった。異動は妥当性を欠く不利益処分」としているようです。

 実質的には知事部局に属するとも言える人事委員会が、県職員のほとんどが県の執行機関とは思っていない公安委員会=県警の不服審査事案について、考えようによっては、知事部局の事案より審査しやすかった?のかもしれません。いずれにしても、不服審査制度が機能した、しかも、人事案件での申請認容の裁決とは、本来は当たり前のことではありますが、信じがたいほど珍しいことのように思えます。

 この事例は、これからあっという間に行われるであろう行政不服審査法改正にもなにがしかの影響を与えていいでしょう。

 国、自治体、民間であれ、内部告発者が、ほとんど知らない間に退職あるいは左遷を余儀なくされている日本社会の中で、内部告発者の保護をしたという点でも、記念碑的な裁決でしょう。しかし、同氏に対する次の人事はもっと要注意です。マスコミや社会の目も監視を緩めるでしょうから。

 ところで、公益通報者保護法(2004年6月18日公布。この4月1日から施行されています)では、国家公務員や地方公務員が内部告発を行ったために受ける免職その他不利益な取扱いの禁止については、「第三条から第五条までの規定にかかわらず、国家公務員法(一部略) 及び地方公務員法の定めるところによる」(保護法7条)となっていますが、具体的にどういうことなのでしょう。国や自治体(の任命権者)は、「第三条各号に定める公益通報をしたことを理由として一般職の国家公務員等に対して免職その他不利益な取扱いがされることのないよう、これらの法律の規定を適用しなければならない。」(7条)としていますが、そのようなことを知っている行政機関の幹部職員はどれほどいるのでしょうか?

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2006.06.11

行政・自治No.54 国家官僚と闘うための自治体連合組織創立

行政・自治No.54 日本の自治体連合組織がもともと、高知県関西で、自治権を守るために生まれたことは、随分前から知っていました。全国町村会も然りであることを今朝方、改めて確認しました。

 かつて三重県度会郡に生まれた大瀬東作は、1920(大正9)年三重県町村長会を創立した後、官憲(高等警察など)に監視されながら、「官僚政治と官僚思想」への対抗から、全国を奔走し、大正10年に1道3府43県を網羅する全国町村長会(後の全国町村会)を創立し、副会長に就任しました。37歳のときです。彼は、54歳のとき病没しましたが、「疲れたからもう眠る」と一語を残して昏睡に入り、そのうつつの中で親友に「日本はひどいことになる、軍部が政治を・・・」と口にして逝ったといいます(佐々木仁三郎『大瀬東作伝』(三重県町村会、1971年)217頁)。この頃の自治体連合組織には、事務局に天下り官僚がいる、ということは論理矛盾だったのですね。創設時と今とは思想が違うようです。

 今も、真に地方自治確立に動けば「官憲の監視」があるだろうと思います。現在の日本で、こうしたリスクを厭わず市町村自治の確立にどれだけ本気になっているのか、危機感はあるようでありながら、その実、「何とかなる」という楽観論が過ぎていなければいいのですが。一方で、地方財政は危機である、といいながら、日々の新聞には、各地域の楽しい行事がいっぱい載っています。どっちが本当の姿なのか・・・

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2006.06.07

行政・自治No.53 自治権を与えない方がいい自治体?

行政・自治No.53 尼崎市の健康福祉局総務部長が逮捕されましたね。同市職員であるブロガーは、「そんなに法治行政が嫌いなら、いっそうのこと、自治権を国に返上すべきではないのか?とも思います。 」と述べておられますが、最近、つくづく、日本の自治体には自治権を持っているからこうなったのかなぁ、という思いと、他方では、「自治権があるからまぁまともな団体も少しはあるはずよね」と自分を励ましたり、と複雑な状況です。私の住んでいる街も、尼崎市とどっこい、どっこいだから、自治権付与(奪取ではなく)は間違いだったか、と思うものの、冷静にみて、県庁や国の直轄より良かった点は何だったのか、と原点を考えなければならないと思案するこのごろです。
 わが街の市長選は秋なのに、もう少なからぬ市幹部が新市長候補者のための選挙運動をしっかりやっているという話まで雀たちの間ではあって、しかし、警察が動くはずもなく。どっちに転んでも絶望感。  
 最近、各地で公安条例も広がりつつあるようで不気味です。
 いずれの問題にしても、賢明な方々は、沈黙。あまり、戦前、戦時中と変わらないような雰囲気ですね。

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2006.05.23

行政・自治No.52 熊本市のスキャンダル・リスト(暫定版)

行政・自治No.52 誰でも、自分の住んでいる街のことを良くしたいと思っているでしょう。私もその一人です。しかし、ずっと住んでみて、よくなる気配はほとんど感じません。今回、人事課そのものに不祥事の臭いを感ずる私は、思い切って、これまでのコレクションを公開することにしました。

 なるべく、全国の方に、見て欲しいと思っています。こうした「自治」体もあるにはあるのです。自治体を応援する立場の地方自治法研究者としては言いにくいことですが、「日本の自治体に自治は無理かな」と思わせるほどの迫力のある「量」です。

 この3~4年間の熊本市新聞記事コレクションです。私自身が、コツコツと集めたものです。記事そのものをスキャナーで読み込んでいますので、新聞社に使用料を払って、PDFファイル形式で公開しようとしましたが、新聞社は、特定の目的で集めた記事は、仮に使用料を払っても掲載を許されない、ということでしたので、断念しました。
 したがって、エクセルで、新聞記事につき、新聞社名、日付、見出しを整理しました。若干の発行新聞社がわからないものがあります。

 この掲載記事のすべてが「不祥事」ではなく、解説に属するものも入っていますが、大部分は「不祥事」と断言できるものです。記事の多くには、「人事課」が、「以後、○○○(改善、指導、徹底など)をします」という発言を載せていますが、その人事課が、もしも、仮に、問題のある組織だとすれば、下級の職員の腐敗・不祥事はなおも続くでしょう。

 興味深いことを3点だけ:

① 現市長が若くして当選された直後しばらくは、本当に、不祥事が紙面から消えました。これは、不祥事記事が隠されたのではなく、本当に、庁内に新しい風、雰囲気が瞬間的に流れて、不祥事が起きなかったからだと思います。誰かが、止めることができたのではないでしょう。

② この不祥事一覧で逮捕されるなどの行為をした職員の大多数は、いわば下級の職員だけと言っても過言ではありません。言い換えれば、普通の自治体であれば、幹部に逮捕者が出て当然の質と量の不祥事なのです。本当に不思議なことに幹部には不祥事がないようなのです。つまり、本当に、不祥事を起こさない幹部がたくさんいながら、部下なり下級職員の不祥事に歯止めをかけることが出来ない、という実態を、この一覧表は示しています。普通、部下は、上司の行動を真似て成長していくものなのですが・・・例外的な自治体もあるものですね。

③ この一覧表を、北海道ニセコ町の職員の方に見てもらい、同町でも1件くらいあるのかどうか聞きました。サラ金苦で退職するようなケースも含めて、本表に上がっているような事件は、この10年間、1つもない、とのことでした。結局、原因は、組織体質のようですね。

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2006.05.14

行政・自治No.51 ショッピングセンター誘致で市長選

行政・自治No.51 昨日付の朝日新聞大分版に、私の意見が載りました。(超)大型ショッピングセンター誘致をめぐる住民投票条例制定問題から、これを争点にするため市長が辞職。これを争点に市長選があるならと、条例制定はなしに。そして、市長選が今日14日に始まる、という別府市の件についてコメントをしました。今のうちなら、大分版限りのコメントですが、読むことができるでしょう。熊本市は、大型SC設置を長期間の議論の末、認めない、という結論を出したところです。こちらは、行政訴訟に展開する可能性がありますが、別府市も同様でしょう。両市において企業がすでに投下した資本は相当のもののはずです。私の田舎でも、合併に伴い大型スーパーが撤退という話を聞いており、どこでも買い物の場が一瞬のうちになくなってしまう危険性をもっています。もうすでに、都市中心部でも田舎の地域でも、高齢者や障害者にとり「日用品・食品の買い物をする権利」についての議論が必要になっていると思います。

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2006.05.09

行政・自治No.50 メダカの楽校のホームページが更新されています

行政・自治No.50 熊本市の管理職(課長級)昇任試験に関する情報公開・個人情報開示異議申立事件ホームページが更新されているようです。
 私も、少しずつ勉強して、この事件を根底から、分析し、追いかけていこうと準備中です。
 今日は、取りあえず、更新情報の提供までです。地方自治法の建前では、執行機関多元主義が原則のはずで、人事課(市長)と人事委員会は職務・機能を別にするはずですが、ホームページに公開されているものを読むと、なりふりかまわず、両者は共同作業を進めているようで、両者は、いわば一体的組織であることがわかります。Aさんや弁護士さん(私は、代理人ではありません)は、おそらく、情報公開・個人情報の審査会(なぜか、熊本市では審議会という名称)における意見陳述や、後の裁判のことを考えての戦術面から、具体的問題点は明かされていませんが、ホームページに載せられた書類を分析するだけでも、相当に勉強になります。インターネットで同市の例規集を調べても、また、各種の書式の掲示箇所も、ひな形として挙げられている書式の数も、改正漏らしのある条例そのものも含めて、貧相な法務(法無)の姿が見えてきます。
 次回は、私が住み、愛する熊本市のために行った議会での公聴会において参考人として出頭した経緯、その実態から、この3月に議会が規定改正を行ったこと(議会による自主立法議会による政策法務!!)、その内容が、県庁と熊本市市長部局からは「違法」と言われているようですので、そのことについて、書こうと思います。

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2006.04.24

行政・自治No.49 「日本の行政組織には記憶(力)がない」(山口二郎)

行政・自治No.49 これは、北大の山口二郎教授が、(北海道)地方自治土曜講座の講義の際に述べた言葉です。薬害エイズの資料が厚生省で後から出てきたような例にとどまらず、およそ短期間で官僚・職員が次々と異動し、しかも、できごとを文書として記録にとどめず、仮に文書があっても記録をきちんと整理せず、引き継ぎもしない官僚風土を、当時同僚であった同氏が、表現したものです。私の記憶には、このフレーズが鮮明に残っています。的を射ていて名言だと思います。最近、ご本人に、「活字になっていれば引用したい」と尋ねたら、出版物の中には同一の文言はないとのことです。

 同氏の『日本政治の課題』(岩波新書、1997年)の96ページに、「日本の官僚制には歴史がないという叙述があり、中身としては同じ事なので、引用される際にはこれをお使いください。」ということですので、同じ趣旨で、引用させてもらいます。

 そうした行政組織の記憶喪失現象は無数にありますが、最近、また経験しました。総務省の行政管理局企画調整課行政手続・制度調査室の責任者の方から、直接、『行政不服審査制度研究報告書』が送られてきました。研究会の8名の委員中、6名までは面識のある方です。委員は確実に若い世代の方々に移っています。

 ただ、お送り頂いた方のメールを拝読していて不思議な気がしてきました。10年前の1996年に当時の総務庁で行政不服審査制度の見直しのための研究会がすでに開かれており、私自身が、「日本の現状に照らして見るドイツの行政不服審査」と題して、おしゃべりにも行っているのですが、その時に検討・議論したことは、どうやら今回の検討につながっていないようなのです。あるいは、資料として配付でもされているのかもしれませんが。

 行政不服審査制度の見直しが始まったのは行訴法改革などとの関係でも必然ではありますが、これまでの議論、しかも、総務庁・総務省での議論の蓄積も仮に活かされていないゼロからの出発であれば、国民は、税金を戻せ、と言いたくなるでしょうね。その都度、一から検討する、ということがないように祈りたいものです。

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2006.03.15

行政・自治No.48 市町村合併の帰結

行政・自治No.48 今日(2006年3月15日)の今頃(15時頃)、要介護者3名が助け合って暮らしている私の実家で、光ファイバーの導入工事が行われています。九州からの遠隔操作で、パソコンは、東京の通信販売会社から購入、一部の部品やソフトは、田舎より格安な福岡で調達、そして、地元の方々のご協力を得て、パソコンやプリンターは、セット済み。すでにワープロなりコンピューターとしてはここ2週間ほど機能していましたが、今日をもって、田園の中の1世帯も世界につながることになりました。

 これに先立ち、母が自治体主催のパソコン教室に通ったそうです。3時間ずつ5日間の受講料が計500円、合併した市の中心部にある教室に通うタクシー代が片道2000円の5往復で2万円。合併先の自治体(出雲市)にもっとも近い地域にある私の実家でこの金額。松江市に近い地域の方などは、本庁までタクシー片道なら7000円くらいはかかるのではないでしょうか?

 市町村合併は、経済弱者にさらに負担を押しつけているようです。まがりなりに障害者年金を始め各種年金を受け取っている3名の家族も、今年は10万円を超す税金を納めなければならないとか。ここでも、政治のあり方を考えさせられます。

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2006.02.11

行政・自治No.47 町議会で出訴を否決された損害賠償請求事案の町による出訴

行政・自治No.47 昨日、2006年2月10日の18時半頃、RKB毎日放送で、この件についてコメントしました。今回の放映は、同放送のホームページでは文字ニュースも動画ニュースも載っておりません。

 かつて財政再建団体となったことで有名な福岡県赤池町で、前町長に対する6000万円以上の損害賠償請求訴訟の提起をする町側の議案を、議会が否決しました。地方自治法の常識的解釈によれば、町は出訴できないことになりますが、汚職による出直し選挙で新町長が選ばれ、町として前町長に対して損害賠償を請求することになったのです。この町は、まもなく合併します。そこで、常識的な法令違反解釈を承知の上で、町の新(現)執行部は、損害賠償請求訴訟を2月10日午後に提起しました。

 そのような訴訟を簡単に違法と片づけられないと私は考えています。

 放送の中で利用された私の発言部分は、(1)違法行為の後に選出された町長と彼を支持する民意と、元・町長、さらには議会多数派の意見が、法的観点から見て、一致しているとは限られないこと、という部分程度でした。

 ただ、録画の際には、(2)法定局部制、議員定数、地域自治地区、助役・収入役の設置などを初めとして、最近では、地方自治法上の多くの定めが、一種の枠法化していること、(3)およそ自治体が不服審査請求や訴訟の提起の際に、事前に議決を求めていることは、確かに自治体の意思を確定する上で意味があるが、法的解釈上の争点を一律に政治の領域に委ねて良いか、(4)さらに年4回しか開会されない議会での議決を経なければ提起できないのであれば、損害賠償請求はともかく、60日の不服申立期間や旧来の3ヵ月の行政訴訟出訴期間(旧規定)では現実に時間的に対応できないこと(仮処分申請などもってのほかということになります)、(5)(今回は額が大きいが)些細な争訟まで議会の決定の必要があるかどうか。以上のような事態は、すべて今回の司法改革の文脈でも見直される必要があり、今回の議決を経ない(議決で否定された)出訴が、無鉄砲なものと言い切るのは尚早ないし胆略的であるという意見を述べておきました。

 以上の録画は、事前の電話での調整を別にすれば、撮影準備から録画終了まで10分間でした。赤池町の元・町長らによる一連の不祥事などについては、「福岡県赤池町」で検索すると、記事がかなりヒットします。
 昨日は、朝7時半から動き始めて、長時間の仲裁手続などもあって、昼食は午後5時でした。こんな生活でいいのかどうか。

 さらに、ちなみに、ADRとしてもてはやされている「仲裁」制度なども、「人」を得なければ新たな司法被害が生まれそうです。何しろ、上訴の機会がありませんから。
 

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2006.02.01

行政・自治No.46 地震の義援金配分と「官を開く」

行政・自治No.46 福岡で起きた昨年の地震に対して全国から集まった義援金の配分をめぐって、問題が今頃になって発見されました露見しました。早い話、見舞金が福岡県防災計画に従ってとてもおかしな基準で配分されています。たまたま直感で気づいた記者が丁寧な取材をして特集を組まれました。
 地元のRKB毎日放送が2005年1月24,25日の夕方6時以降のゴールデンタイム(?)に特集を放送した際に、法律事務所で撮ったインタビューが放映されました(第2日目の1月25日放映)。原稿のごく一部を今日現在でも同放送のホームページで見ることができます。 2月1日の夜になって気づきましたが、ニュースの当該部分が音声付き動画になっています)
 配分基準に限りませんが、「人と財産を救う」計画が、今後、防災計画と、各県庁や警察・自衛隊が進めている国民保護計画との間でも、大きな問題になっていく可能性があります。

 さて、今日の日本経済新聞は、長く散発的に続いてきた「官を開く」という特集の最終回でした。第4面でしょうか、1面全部を使った最後のまとめの特集欄があります。そこに虫眼鏡で見なければ分からないような私のコメントが「25文字」載っています。これだけ見ると、記者とのやりとり内容も不明で、中学生・小学生でも言えるようなしまりのない言葉になってしまいます。記者の思惑とは別に、デスク・レベルで大幅にカットされるから仕方ないでしょう。依頼段階では70文字(!)ということでした。記者に紙面の流れに応じてまとめていただくように多め文字数で送稿した文章は、次のようなものでした。

 「日本では官の統制が諸外国に比べて劣っていた。最近の行政事件訴訟法の改正などで少しは改善のきざしがある。だが、官と民の対立構造自体が問われる。例えばスイスではこの20年~30年で官・公・民の間で自由な流動労働市場が生まれている。自由市場をわが国で実現するには、今の公務員制度と省庁・自治体などの共済制度がガンになっている。情報公開により誤ったもたれ合いを本格的に改革する発想転換が必要だ。」

 文意は相当変わっていまして、コメントはこういう風に、変幻自在のものとなります。

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2006.01.31

行政・自治No.45 (旧)紀伊長島町水道水源保護条例事件・差戻審(続報)

行政・自治No.45 紀伊長島町(現・紀北町)と水道水源保護条例を検索語にして、このブログを訪ねていただく方がかなり多いものですから、一言。

 実は、紀北町の担当課長様にお尋ねしたところ、2005年12月に予定されていた判決は延期され、2月24日の午後名古屋高裁で言い渡されることになっているそうです。同町では、ホームページでも、この件については、判決が出るまで一切コメントしない方針とうかがいました。

 そういう事情ですので、あと3週間ちょっと、待つことにしましょう。この項目、「自治体法務・政策法務」のカテゴリーに移した方が適切のようですが、スタートが「行政・自治」でしたので。

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2005.12.03

行政・自治No.44 紀伊長島町(旧)の水道水源保護条例事件差戻審

行政・自治No.44 三重県の紀伊長島町は、海山町と合併して、紀北町になっていますが、その紀伊長島町水道水源保護条例の適用を巡って、最高裁判決が、名古屋高裁に差し戻し判決を出したのは、2004年12月24日でした。差戻し後の高裁判決は、この12月21日に出るそうです。比較的短期間での判決ということになるでしょうか。事件の発端(事業者の設置計画や町の規制対象事業場と認定する旨の処分)からはや12年を過ぎていますが、現地では、処理場はできておらず、結果的に町側の意図は貫かれているようです。合併前の両町とも水源保護条例を持っており、この事件の決着までは、それぞれの条例が合併後も暫定施行されているそうですが、条文でどのように表現されているか知りたいものです。事件終結後は、新たに水源保護条例を作る、ということです。合併後における旧自治体の条例の残し方、という観点からも興味があります。
 この事件、というか、この判決、学界でも関心が大きいので、22日の新聞が待たれます。
 各種検索で、「紀伊長島町」と「水道水源保護」と入れれば、相当の関連資料を見ることができます。

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2005.11.20

行政・自治No.43 「買収、戸別訪問・・・ご自由に」 そして、5人助役制

行政・自治No.43 これは、昨日、11月19日付の朝日新聞(西部本社版)朝刊の社会面トップの大きな記事の見出しです。夕方になって自宅で何気なく開いたら、自分のコメントが載っているではありませんか。そんなはずはない。宮崎県内版と思いこんで話したはずなのですが。話題性があるからなのか、九州(だけと思いますが)全域版になってしまいました。
 全国で3自治体しかないという「特別地方公共団体」としての「合併特例区」になる宮崎県田野町では、住民の直接請求により駆け足でできた住民投票条例に基づいて、 住民投票が実施されます。18日に告示されました。選挙運動期間は10日間。この選挙には公選法の適用がありません。記者の話では、総務省でも警察でも、一応は、「買収、戸別訪問」に制限はない、という見解とか。しかし、現実には、どう扱われるか、立候補者は心配でしょう。
 取材依頼の電話が入ったのは18日の夕方。公職の候補者が公選法に拠らずに、事実上の投票で選ばれる、というのは、かつての中野区教育委員準公選制くらいしかないでしょう。自宅にある資料だけで調べ始めて対応すること2時間半。以下のような進行で、最初は、県内版で11字×30行という話で進行していたのに、30分単位で、行数が縮められ、あれこれ話した重要な話はほとんどカット。何しろ、この投票で選ばれる方は、事実上、新・宮崎市の助役になるのです。新市は、助役が5人の体制に。この投票から助役選任に至るまでの過程には、実にいろいろな考慮事項があり、単に選挙運動の規制の話にとどまりません。
 今回は、現職町議とわざわざ町議を辞職して立候補した方の対決。論点が多すぎます。ただ、単に、現職町議の活動が公選法に触れるのではないか、といった視点だけでは問題ですので、憲法に立ち返って、民主主義の観点、立候補する方の権利の観点も要るでしょう。
  18:40 電話依頼
  18:53 取材情報ファクス(以下、ファクスのタイムスタンプです)
  20:00 30行バージョン
  20:45 24行バージョン
  21:15 16行バージョン
 かくして、2時間半強の拘束の後、なんと言うことのない談話ができ上がりました。誰でも言えるような話に収まって。新聞コメントをするたびに、子供たちから指摘されます。「お父さんの言っていることは、誰でも言えることだ」。大事な部分は、長い説明を要するので、大体はカットになったり、本文で使われてしまいます。1回の短いコメントにも相当の時間を取られます。

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2005.11.15

行政・自治No.42 この間、明るい選挙結果をあまり聞かなかったようなので・・・

行政・自治No.42
 ◆恵庭市長選開票結果
  当18,146 中島 興世 59 無新
    13,971 黒氏 博実 59 無現(自推)

 三重県、宮城県、ニセコ町、佐賀市(も入る?)・・・、その他の自治体もあるのでしょうが、ドミノ倒しのように「改革派」本人またはその後継者が首長選で敗退している状況。これらの自治体で、思考停止、安楽主義、守旧原理がはびこっていくような気配が広がるようでは困ります。「ホッと一息」という職員の方も多いでしょう。そして、合併した自治体の中には、湯布院(由布院)の「潤いのあるまちづくり条例」の迷走のように、「開発」との戦が待っているところもあります。
 そうした中で、この13日に、中島興世氏が恵庭市長選で当選されたことは、一筋の光明ともいえるものでしょう。この間、「あのノンビリした選挙事務所じゃぁ」と何人もの方が言っておられたのですが、最後には爆発的に支持者が増えたのですね。選挙運動最終日に恵庭市を快速電車で13時頃に通過しました。駅の前ではオレンジ色で染まった集会を瞬間的に見ましたが、どちらの候補者側の集会だったのでしょう。私が出会って話をした方々は、すべて中島さんの選挙のことを心配していました。
 開票の時間には、すでに九州に戻ってきて、選挙速報をWEB上で見ていたのですが、結果がわからず結構、いらいらしました。
 23時20分頃、当選確実を知りましたが、おそらく22年来の旧知の方が市長になられたという感慨よりも、今後の日本の地方自治そのものに与えるであろう期待がはるかに大きいです。
 ご本人からは、投票日の朝9時に、

> おかげ様で、なにも思い残すことのないさわやかな朝を迎えることができました。

 というメールをいただきました。その通りに、投票日は、明るい青空が札幌から千歳の間に広がっていました。きっと天も味方したのでしょう。

 1993年(平成5年)の選挙のときには、有権者の3分の1が自衛隊関係票だったようですが、今回は、4分の1ということです。こうした状況のところでの圧勝は、現在の国内情勢を考える限り、非常に稀なことでしょう。ご本人の長い蓄積の賜物です。ちょっぴりは、全国からの支援も意味があったかもしれません。
 どう考えても、今後の道は平坦ではないでしょうが、ご活躍を祈念します。

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2005.11.07

行政・自治No.41 ある市町合併(その2)

行政・自治No.41 知人から頂いた合併劇メールの第2弾です。ご本人の校閲を得たうえのものです。まじめに働いている職員の努力は、どこで報われるべきなのでしょう?

―― 引用 ――
 合併後の初の臨時市議会を2日間の日程で終えました。

 初議会ですから、暫定予算を20本、条例専決処分300本などの報告案件、ほか助役、収入役などの人事案件を提出いたしました。

 議会人事で、2日近く紛糾し、執行部から提出した案件は、まったく質問もなく、委員会に付託されることもなく、承認されました。議案がそのまま、なんのおとがめもなく通るのですから、提案者側として歓迎?すべきことなのですが、議案提出に当たった課の職員の「あんなに苦労してゴミだけを作ったようですね」という言葉になんと反応していいのか困ってしまいました。

 ちなみに、議案は、幅5センチくらいの冊子が4冊になりました。
 印刷は、庁内印刷所で3冊分をこなしましたが、機械に無理をさせすぎ、印刷継続が困難となり、民間印刷所で1冊分を徹夜処理をし、100万円を超えたようです。
 もし、すべてを外注していたら、議案作成だけで400万円を超えることとなります。

 できあがった、条例の専決処分書は、施行規則など含まれていませんから、実務的な利用は困難です。たぶん、古紙回収に近いうちに回ることとなります。

 新聞写真で不鮮明とは思いますが、議案書を議場に持ってきた議員はいなかったようです。
―― 引用、おわり ――

 この議会の実態、わかる、わかる。予算書だって、使うためにあるのではなくて、作るために作っているのかも。

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2005.11.06

行政・自治No.40 政治活動が少し自由になって

行政・自治No.40 今日、11月6日、恵庭市長選が告示されました。告示直前の昨晩の23時58分に送った中島興世候補宛てのメッセージが、同氏のホームページの応援メッセージの8「全国の方々」のところに載っています。2004年4月以降、国立大学法人の従業員になって、ほんの少し、政治的自由が保障されるようになって可能となったメッセージです。

 私は、「協働」とか「マニフェスト」とか、誰もが口にし出す段階になると、少し斜に構えるところがあるのですが、中島さんのマニフェストは、一見・一読の価値があります。このような「お約束」をする首長のもとで暮らすことができるとすれば、住民は幸せでしょう。

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2005.11.04

行政・自治No.39 ある市町合併(その1)

行政・自治No.39 親しい知人からメールが届きました。
 
 「A市は、この秋、B町、C町と設合併しました。合併にあたり条例300件、規則300件など十分なチェックもできないまま、施行することとなりました。法務経験のある職員を5人も動員して当たりましたがだめでした。合併協議は、法的視点が抜け落ちているものがほとんどで、合併1,2か月前に条例をはじめて見て調整したなどというものばかりでした。
 合併GHQを置かないこの2つの町は、ここ1か月合併記念のお祭り騒ぎで、連日の酒盛りが続いていたそうです。」

 このメールで思い出した私自身の(別の合併事例に関する)最近の経験です。合併して大規模市の一地域になる某町では、合併に関する大ホールでの講演会の当日に、町長や総務課長ほか数名の職員以外は、ほぼ全員が、職員慰安旅行でノンビリと船に乗って遠隔地で宴会。合併すれば、合併先の大規模都市と同額の給料になるというので、職員はただただ思考停止状態となり、合併の日と、最初の給料支給日を心待ちとか。合併後に、自分の町(地域)が将来どうなるか、ほとんど誰も考えていないかのようでした。合併に伴う「自治体法務」など、「想定外」のことなのでしょう。
 上記メールには、続編があります。

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2005.10.30

行政・自治NO.38 Samurai Mayors

行政・自治NO.38 竹内謙氏による「竹内謙の『Samurai Mayors』 」というコーナーがあります。このところ、ニセコ町の逢坂誠二町政時代の記録が第7回まで連載中です。1回ごとに、サブタイトルが付いています。今日現在では、町長誕生から「まちづくり基本条例」制定に至るまでが載っています。「まちづくり」に関心のある方は、是非、お読みください。

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2005.10.29

行政・自治No.37 率先して割り込み乗車の高校教師と部活の生徒

行政・自治No.37 日本に帰って1ヵ月が優に過ぎましたが、予想通り、激務の連続。ある他大学の同僚の話では、ロー・スクール発足後に亡くなられた公法(憲法・行政法)専攻の大学教授は4名とのこと。予備軍・待機組は相当いるはずです。このうちの2名は親しい間柄でしたので、ショックは大きいです。1ヵ月経ってやっと、銀行、郵便局などに行く身辺の雑事を昨日やっと半日ほど行いました。土日も皆無の状態が消えるのは退職後なのでしょうか。不在中の郵便物は、研究室、法律事務所、自宅に山積し、今回は腹立ち紛れに巻き尺ではかったら、積んだ状態で総計2メートル50センチありました。当然、未開封の郵便物のヤマです。このため、失礼している返信などが相当あります。関係者の方、申し訳ありません。大学教員宛として来る郵便物のヤマ、弁護士として他の弁護士さん宛てと同一内容のヤマ、さらに私的なものが加わり、非礼の対象、あるいは、届出・返信の期限が過ぎている郵便物がどれかもわからないのがつらいです。

 さて、数日前の夜のこと。通勤に使っている特急電車に21時台に乗ろうとしたところ、1列に整然として並んでいる乗客のラインとは別に、勝手に4人ほどが、先頭から数名のところで割り込んできました。女子高生2名は某会社のロゴの入ったスポーツ用バッグを持ち、ラケットが数本。遠征の帰りと見えます。この女子高生には注意するタイミングを失ったので、次に乗ろうとした男性に、いつも通り、後ろに並んで整列乗車をするように注意しました。私は、いつ刺されても、殴られてもいいと思っているので、たいていの場合は、遠慮なく注意します。その注意「統計」によれば、タチの悪い乗客は、世代、性別、職業などは、あまり一定していないようです。なんと、私が注意した男性は、その女子高生の引率教師でした。最後の1人は誰か分かりません。「スポーツさえできれば、割り込んでいい」、「疲れているのだから割り込み乗車も許される」、そんな感じでした。彼ら3名は、数少ない停車駅で、私より先に降車しましたので、高校名の察しはつきますが、一部の「教育者」って、よく割り込んでくるおばさんたちより悪いのかもしれません。勝利至上主義に毒されている部活も問題なのかもしれないと感じたものです。

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2005.10.24

行政・自治No.36 新しい自治体の協力システムへ

行政・自治No.36 北海道では、この夏、道内市町村職員を中心に「連合自治推進研究ネットワーク」が立ち上がりました。
 研究ネットワークでは連合自治、自治体間協力・連携についての交流・討議を行います。
 結成呼びかけ人の結成趣意書、顔ぶれはここをクリックしてください。なお、ニセコ町は岡内さんが退職したため、の加藤紀孝さんに代わっています。
 11月12日(土)、第1回目の研究会があります。
 
 1 テーマは、ドイツやスイスの自治体の連合などの制度について
 2 日時は、11月12日(土)13:30~15:30頃まで木佐の講演と意見交換
  その後、第2部の研究会で、呼びかけ人が所属する自治体による連合自治の検討状況の報告があります(ニセコと富良野を予定)。
 3 会場は、自治労会館3階「役員会議室」 札幌市北区北6条西7丁目 (連絡先は、上記リンク先に記載)

 九州では、この秋、「まちづくり」の老舗の町が2つ、合併で消えました。大分県湯布院町と熊本県宮原町です。後者では、「合併後のまちづくりを考える九州自治体職員連絡会」がこの11月26日(土曜)に旧・宮原町の「まちづくり情報銀行」で立ち上げることになっています。詳しくは、 宮原好きネット」のHPをご覧下さい。トップページのセンターに、表示してあります。
 新しい動きが出てきたようです。奇しくも、この日は、木佐ゼミが宮原町で合宿を行う予定です。まったくの偶然ですが。

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2005.10.13

行政・自治No.35 ミリタリー国家?

deutschice_fahrer_dsc_0499rhein_dsc_0621行政・自治No.35 日本は自由奔放な国のようにもみえますが、見えない規律は多いようです。東京・大阪間で、新幹線の運転手がで平常時で30秒遅れると訓練所に戻される、という話はもう充分でしょう。
 ドイツで見る、運転手や運転士は、実にのどか。私が暮らしていた町では、大型の定期バスの運転手はときにハンバーガーをかじりながら運転しています。バスに乗っていたある日、あと1つの停留所で大学の寮の前に着くというとき、運転手がバスから降りてスーパーマーケットに入っていきました。何か急な伝言とかの用事でもあるのかと待っていたら、ジュースを買って来て、再び運転を始めました。
 最高速のインターシティ特急列車でも、運転席への入り口を開けたまま、女性の車掌さんと話したまま運転しているヒトもいます(写真左)。
 ライン下りの船でも、船長が操舵しながら少年の質問に答えています。結構な数の船が行き交っているのですが(右)。
 一事が万事。こうした例は事欠きません。安全の点からは大いに問題なのですが、誰も、これを問題視していないようなのです。運転手・運転士は鉄道でも一般に私服です。車掌の車内検札も、車内販売員も、日本のような礼儀正しさ?はありません。相手を見て、シチュエーションに応じた言葉を話しますから、「普通」にみえます。
 もっとも、非番の乗務員や、検札を終えた車掌たちが、1等車の良い席に、客より先に座っているのにはあきれます。
 日本では、車掌が車内に入るたび、出るたびに、多くは帽子までとって、お辞儀をします。数分遅れてもいちいちお詫びの放送です。
 あれやこれやを考えると、日本社会は、本当に、ミリタリー的な規律で動いているように思えてなりません。
 そういえば、かつて「巨泉のこんなものいらない 最高裁!?」という番組で、ドイツ連邦憲法裁判所の守衛さんが、守衛室で勤務中にパンをかじっている様子が放映されていました。こうした執務状態が賞賛できるとも思えませんが、表面的に形だけ集中しているかのようにみえても、実質が伴わなければ、という感じがします。

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2005.10.09

行政・自治No.34 あぁ、ニセコ町!

行政・自治No.34 ニセコ町の町長選挙の結果が出ました。逢坂前町長の意中の人であった岡内総務課長(退職時)が敗北しました。わずか、102票でした。逢坂氏の最初の選挙のときと同様に、激しい選挙だったのでしょう。ニセコ町のまちづくりはどうなるのでしょうか。そして、前の町長派とみられている職員に対する「粛清」などがないことを祈るのみです。今日の読売新聞の見開き特集の表のトップにも、ニセコ町の「予算の本」や「ファイリングシステム」のことなどが載っていましたが、今後どうなることやら。
 投票結果
  佐藤隆一氏 1729票
  岡内隆博氏 1627票
  無効18票

 そして、九州では、まちづくりの「名門」である湯布院町(大分県)と宮原町(熊本県)が、10月1日に合併により消滅しました。自治の行方が、大いに気になります。

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2005.09.30

行政・自治No.33 大学教職員の給与水準

行政・自治No.33 今日9月30日の午前に、最高裁は、最高裁裁判官会議で、人事院勧告の受入れを決めたそうですね。最高裁と下級裁判所を問わず、「裁判官は、すべて定期に相当額の報酬を受ける。この報酬は、在任中、これを減額することができない」(憲法79条6項、80条2項)。今回の「受入れ」は、少なくとも表面的には、これらの条文と正面衝突と思われますが、いかに合憲と説明されるのでしょうか。
 さて、昨日(9月29日)付で配信された教職員組合資料を見ましょう。以下、本学とは、九州大学のことです。

 ―― 引用 (太字は、引用者による)――
4.本学教職員の給与水準は低い
法人の給与を決定する場合に「社会一般の情勢」に配慮するというであれば、法人職員と国家公務員との比較(ラスパイレス指数)を考慮するのが誠実な対応というものであろう。文科省の資料によると、本学職員の給与水準は、ラスパイレス指数で国家公務員を100とした場合、88.6であり11.4ポイントも低い。教員の給与水準についても、国立大学の給与水準は都市部の私立大学と比べて大きな格差(月給で約10万円)があることが指摘されており、こうした格差が国立大学において優秀な教員の人材確保を困難にしている。「社会一般の情勢に適合したもの」であるならば、こうした格差を是正することこそが良識ある法人経営であろう。本学で働く教職員の給与の引き下げは、国家公務員の身分を失った教職員の士気の低下を招き、結果として、九州大学の発展にとってマイナスとなることを指摘せざるを得ない。
 ―― 引用、おわり ――

 教員の給与の差が約10万円というけれど、これは全世代の平均値でしょうね。私どもの世代であれば、15万~20万円の差より大きいでしょうか。ただし、教育の負担は、一般的に言えば、私学に比べて、旧・国立大学の方が少ないのはほぼ間違いありません。しかし、これも一概には言えず、大学により事情は異なります。

 このところ毎年、法学部で行われる大学院進学説明会で必死に「大学研究者」の魅力を説明しているのですが、私の周辺の学生は、誰も受験してくれません。一度「入院」したら、まず、7年~10年間程度は、給料はないですからねぇ。うまく就職できても、同一世代の人と同じ額をやっともらえるだけだから、生涯賃金では回復するはずがない。今や、奨学金も当たらない時代になっていますから、「貧者には院進学は無理」と判断されても仕方がないでしょう。私自身、生活は苦しかったけれど、院生時代、大学には何も納めた記憶がないですし、奨学金は教職についたからチャラ。まだ、大学院に行ける時代でした。いまや、裕福でないと、本もパソコンも買えません。そもそも大学教員が「社会構成」を反映しなくなると、社会科学としては危機的な状況を迎えそうです。そして、何よりも、私たちの世代が大量に退職する時期には膨大な数の研究者欠員が出ます。果たして、どうして充足するのでしょうか。

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2005.09.29

行政・自治No.32 理論と実践を伴った政治家に

行政・自治No.32 日本に帰ってきています。しかし、ただちに、連日14時間勤務。ブログ更新もままなりません。
  
 さて、札幌自治体法務研究会の生みの親で、元・恵庭市職員、そして市議トップ当選を果たした中島興世氏が、恵庭市長選に立候補することになりました。立候補の決意表明文は、ワードファイルでいただいていますが、今は、とりあえず、彼のホームページの紹介にとどめます。本日付で、同氏のブログも開設されました。私の研究活動に与えていただいた影響ははかりしれません。
 本ホームページでは、札幌地方自治法研究会を紹介した『カムイミンタラ』にも登場されています。この研究会の生みの親の2名のうち、1名は、九大助教授に、1名は市長選にと、激動の時代になりました。

 中島さんは、逢坂さんが有名になるまでは、おそらく北海道内の自治体職員でもっとも全国に知られた方であったと言って間違いないでしょう。国立大学法人になって私も政治活動の自由が多少保障されました。彼の当選を願っていることを率直に述べてもいいでしょう。モノを考えている方が、一人でも多くより広い政治の世界に登場することを期待したいと思います。

 中島興世氏、恵庭市役所まちづくり研究会などについては、今日9月29日付の田中孝男氏のブログもご参照下さい。

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2005.09.24

行政・自治No.31 障害者の一人旅

behinderter_zug1_dscf0307behinderterhilfe_hannover行政・自治No.31 今夜は、2万件目のアクセスがありました。ありがとうございます。2004年10月6日が正式公開でしたから、まる1年に満たない間に、これだけ多くのアクセスをいただきました。この間、相対的に見て、学部学生やロー・スクール学生のアクセスは、ほんのわずかであったと思われますので、圧倒的多数は、自治体職員の方々、そして研究者業界のごく一部、法曹界のごく一部、ゼミ生や院生の一部の方々に見ていただきました。そして親族・親戚もわずかに(?)見ていたでしょうか。
 パソコン環境が良くなり、アジア各国からも見ていただいていることが分かっていて、それなりに書く内容にも留意事項が多くなりました。
 どのような年齢・職業・地域の方々に向けて書くべきか、悩むことも多くなりました
 中身がどれほど伴うか、時間が確保できるかが難題ですが、少しずつ、旧稿の掲載も増やすよう準備中です(つまり、出版社と交渉中です)。
 写真掲載による容量オーバーも心配です。ブログも、古いものは少しずつ削除しております。
 さて、今日はドイツからの送信の最後の夜です。2か月と1週間もあっという間でした。
05aug_2behindertenhilfebehinderterhilfe_schweiz

 写真は、ドイツやスイスの鉄道で、障害者の方が一人で旅行をするときの鉄道乗車風景です。事前に電話連絡をしておくと、どの駅にもある簡単なリフトで、女性の車掌さんでも、1分ほどで車イスの乗客を車両に乗せてくれます。上の2枚の写真、ともに女性の車掌が操作しています。下の左は、駅に常備してある物。下の右は、ローカル色のある服でおわかりのように、スイスの鉄道です。日本では、どうなっていますか。以前にも本に書いたような記憶がありますが、ドイツの郊外の停留所で両手とも手首から先を失った若いお母さんが赤ちゃんをだっこして車イスに乗り、バスで街に買い物に行く場面に出くわしました。リフトはないですから、運転手が降りて、他の乗客とともに手伝います。さすがに、その場面を撮るのは躊躇しましたので、画像はありませんが、20年前の記憶、今も鮮やかです。

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2005.09.23

行政・自治No.30 法治国家のビール・ジョッキとワイン・グラス ― 閑話休題

050922glas_dsc_1193行政・自治No.30 ドイツのどんな小さな町に行っても、たいていは中華料理店があります。私が入っていくと、とたんにBGMの音が小さくなるか、消されます。ドイツ料理のレストランでBGMがかかっていることはまずありません。若者が入る盛り場の居酒屋などはうるさい音楽で満ちていますが。
 なぜ、音量が急に減るのか。ある町の中華レストランでは、「北国の春」が流れていました。今夜、さきほど行ったばかりのレストランでは、喜納昌吉 ― すべての人の心に花を」がかかっている最中でした。要するに、日本製音楽の、歌唱を除いた器楽演奏の部分だけがCDにされているのです。日本人とわかると、バツが悪そうに、「対応」がなされるのです。
 今日は、お店の人も暇そうだったので、「対話」をしました。このレストラン、大学から歩いて7分くらいのところで、最近、新装開店したようです。2か月の滞在の最後を締めくくって?、初めて行きました。タクシーの運転手は、「あれはつぶれた店だ」と8月中旬に言っていましたが、このところ再開したようなのです。
 で、お店の従業員は、中国の歌だ、と言い張るので、これは「沖縄の・・・」と説明したところ、素直に白状。中国で買ってきたCDだと。
 よって、ドイツ人の方には、次第にアジアの歌が、国籍不明のままほぼ共通のものとして伝わっていきます。
 先日、ドイツの公共放送ラジオを聞いていたら、日本の音楽としての紹介があって流れ始めた歌は、どう聞いても中国のものでした。
 さて、ドイツ料理レストランでは、ありえないのですが、ギリシャ系の店では支払いが終わると2ccほどのシュナップス(Schnaps。アルコール度の高い蒸留酒。ただし、消化を助ける薬用酒のようです)が出てきますが、今日は、支払い後、2ccの梅酒が出てきました。これも、日本の梅酒と似ている、と思ったので聞いてみたら、正直に瓶を持ってきて、「チョーヤ」の梅酒であることが判明しました・・・(^_-)
 それにしても、ドイツのジョッキやグラスにはたいていは、0.4リットル、0.5リットル、2ccというように線が入っています。写真の両端のグラスに、赤い2ccのラインが見えますでしょうか。左は、チップを払って東ベルリンの旧・東ドイツ警察官養成学校(今はドイツの連邦内務省の研修施設にヒアリングのために行った)の近所のギリシャ・レストランでもらったももの、右は、今日の中華レストランでチップをおまけして堂々ともらったもの。法学教師・弁護士が窃盗罪を犯すわけにはいきません。
 でも、この2か月間の自炊で、大韓航空機から一時借りてきたナイフとフォーク、大変重宝しました。帰りの便では、ちゃんと戻しておかなきゃいけません (-_-;)
 真ん中は、一昨日、正式にもらったシュパイヤー市のワイン・グラスで、市の紋章が入っています。紋章の反対側には、▲印が5つ並んでいて、ワインを入れる基準線になっています。しつこく、こだわっていますねぇ。
 日本で生ビールを注文して、隣の人より何センチも泡の多いビールを持ってこられると、スネますね。法治国家のビールは、きちんとある線までは入っていなきゃ。日本のジョッキ・ビールは、泡池国家風?

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2005.09.22

行政・自治No.29 うわさ話は、世界を回る

050920speyersymposium1_dsc_1187行政・自治No.29 今回の短期留学滞在の締めくくりになる共催シンポジウム21世紀初頭におけるドイツと南・東アジアにおける分権化と地方自治」が終わりました。報告したのは、インド(1名)、スリランカ(1名)、日本(4名)、韓国(2名)、中国(2名)、ドイツ6名でした。
 19日(月)~21日(水)の3日間です。前夜の18日は、18時大学出発。19時~23時はワイン街道のワイン・レストランで上品なフルコースのドイツ料理。私にとっては2度目のレストランですが、小さな町に、こうした立派なレストランがたくさんあるのには改めて驚きます。寮に戻ったのは24時が近かったですね。それから、翌日の、というか、当日の基調講演の見直し、短縮化。
 19日(月)は9時から18時までの基調報告や各国レポート、19時から市庁舎の「歴史の間」で、市長招待のレセプション。ほぼ全員が、担当者の許可を得て、市の紋章や市名の入ったワイン・グラスを記念にくすねて(いただいて)きました。
 20日(火)は、なんと、朝9時から19時23分まで、午前20分、昼食1時間ちょっと、午後の休憩25分を挟んで、えんえんと報告と討論です。その後、大学主催の小さなレセプションが学内で。その後は、大多数は夕食もかねて街へ繰り出しました。
 今日、21日(水)も9時からで、休憩は1回だけ短時間。一応、昼過ぎに終了しました。
 私の場合、最初から最後まで、ピチャース教授と議長席に座っているわけで、居眠りなどはまったくできず、報告を聞きながら進行の打ち合わせをし、ときに司会者、ときに基調報告、ときに日本の状況について補足説明、と息を抜く暇がありません。
 しかし、夕食時・夕食後の酒の席での世間話・うわさ話は、4カ国、5カ国の人物評価などにわたり、良い噂も、悪い噂も、国際的にすぐ伝わっていくことを、これまた改めて実感しているところです。
 本当に世界は狭くなっています。そして、また今回も良い経験ができました。惜しいのは、日本でこのような国際的なシンポジウムを開催する条件が物的にも人的にも、財政的にも不足していることに加えて、何よりもシンポ開催のノウハウが蓄積されていかないことです。いつも、一からのスタートで、そのとき限りのスタッフ「動員」で終わります。多分、日本の国立大学法人などでは、数十年経っても、スマートな運営は無理でしょう。企業に運営を任す、というような形になるのではないでしょうか。ソフトのシステムのあり方に、問題を感じます。
 報告と討論の成果は、来年夏頃までにドイツの著名出版社、Duncker & Humblodt 社から刊行の予定です。

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2005.09.19

行政・自治No.28 静かな選挙と熱い選挙(その7) またまた間違い ― お詫びの上、削除し、後ほど加筆します

行政・自治No.27 昨日付の行政・自治No.27において、「「開票」は、投票翌日の月曜の朝8時から夕方17時までに全国一斉に行われるそうです」と書いた部分は、削除します。
 今日18日(日)は、19時から23時までワイン街道のレストランにおいて、シンポジウムの外国人報告者を招待しての大学主催の食事会がありました。その帰途に、日本人研究者3人が、実際にドイツ連邦議会や地方議会の開票に3回ほど選挙開票責任者として携わったことのある30歳前後の方(女性)から、ドイツにおける開票時間と開票の仕方を聞きました。
 結論は、ドイツでも即日開票であることがリアルに判明しましたので、昨日の記事を2行、カットします。
 即日開票ではありますが、職業公務員が直接開票作業をすることないそうです。100票とか200票の単位で、集会所のようなところで、市民だけで開票し、電話で集計センターに報告するのだそうですが、開票作業にあたっては、守秘義務や疑問票の扱いなどについても開票に名誉職として関わる市民に説明をし、疑問票は市民の合議で決定し、最終的には選挙開票責任者の責任で判断するそううです。この女性の方、学生身分のままの20歳代で、すでに選挙開票責任者を務めているのです。市民の「自治力」の問題でしょう。
 そして、開票結果が、裁判になることは、理論的にはありうるが、実際には聞いたことがまずない、という回答に、日本では当選訴訟や選挙訴訟の活用が活発であるのが、反って異常ではないかとも思った次第です。
 で、もっと正確なことは、後ほど、今日話を聞いた日本人研究者の合議?と、ドイツ人で選挙に詳しい方の意見をさらに聞いてから、ご報告することにします。ただし、この件は、数日以上、あとのことになります。
 どうやら、スイスでも見聞しましたが、われわれ日本人が「自治」と考えていることと、ドイツ・スイスなどで、「自治」として行われていることには、ベースの違いがあるようです。日本で、なぜ、職業公務員が開票をし、あるいは、選挙管理委員会を設けることになっているのか、その歴史をたどり、今、それが必要なのかどうか、改めて、一から考えていく必要がありそうです
 日本で「ガバナンス」とか「協働」とか言う場合に、その中身にも、もっと立ち入っていく必要性も見えてきます。
 ともかく、選挙実態があまりに違うのに、単なる「選挙法制」の文言の比較研究などではすまないのでは、というのが今夜の感想です。

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2005.09.18

行政・自治No.27 静かな選挙と熱い選挙(その6)

050917SpeyerWahlReklameKlein行政・自治No.27 今日は、日本公法学会で行う報告プレゼンのパワーポイント画像の一部や報告目次をアップしようと思っていましたが、急遽、変更です。
 ドイツ連邦議会の選挙は、ドイツ時間であと1時間ほどで日付が変わる18日(日)に行われます。今日は、選挙キャンペーンの最終日。多少は、例のテント下でも賑わっているのではないかと、用事もないのに無理矢理時間を作り、カメラだけもって、丘を降りていきました。ナント、まったく選挙の「気配」の「ケ」の字もありません

 例の選挙運動を各党が展開していた大通り(8月29日付の行政・自治No.22 及び9月4日付けの 同No.23 を参照)には、もはや政党のテントが1つもありません。その代わり、秋の収穫を祝う屋台・露店が、あの700メートルの道路を埋め尽くし、人をかき分けないと前へ進むことができないほどです。この大通りの一番遠いところまで行ってみましたが、ついに選挙の雰囲気を感じるものはまったくありませんでした。
050917SpeyerHelbstFestKlein1 仮装をしてパンを王冠のように飾って歩いているオジさんもおれば、たった一人で7役・8役の楽器演奏をして、投げ銭を集めている人もいます。
 露店は、実にさまざまです。トウガラシだけで作ったリースも見事です。ハロウィンに飾ったり、使ったりするのでしょうか、種々のカボチャの店が多数。男性が持っている青い色の大きな花は、ドライフラワーにして冬の間の居間を飾るのだそうで、多くの人が買い込んで持ち歩いていました。050917SpeyerHelbstFestKlein2 アルコール度数の非常に高い蒸留酒(キルシュ・ヴァサーなど)の専門店も、写真の下の3つの店のように、並んでいます。牧草などで作った大きな人形がドームの横に座っています。一言でいって、収穫祭なのでしょう。その出店申請拒否処分のことが、次回の「行政法教育」のところで出てきます。なんと、順序よく、話がつながっていることでしょう!
 選挙は、郵便投票で済ませている人も多いようです。
 かねがね思っていますが、なぜ、日本では、一刻を争う重要な行政訴訟事件が10年も20年もかかるのに、人命にまったく関係のない開票行為が一秒を争って行われるのか、不思議でなりません。投票所の管理事務から、徹夜で開票作業に当たった職員が、そのまま早朝から平常の仕事を続けることは無理だと思います。非効率を前提に、残業手当、弁当屋さんの営業活動などのために、わざわざ日本では即日開票をしているのですね。私個人は、時間を短縮して早くすべきことは、即日(瞬時)開票よりほかにも、あるのではないか、と思っていますが、遠吠えでしかありません。

 すでに行政・自治No.22, No.23 をご覧になった方は、大型の公営?掲示板が3枚から2枚に減っているのにお気づきでしょう。なぜか、10日ないし2週間前から、2枚になっています。最終段階では、従来からのポスターの上に、さらに、小さなキャッチコピーを貼っている政党があり、道路脇も、従来より多くのポスターが見られます。また、ある政党のポスターは、何枚も取り外して、街路樹の脇に捨ててあります。いたずらで、目がくり抜かれているポスターもあります。
 いずれにせよ、「連呼」は、1回も聞くことなく、静かに選挙「」は、終わったようです。選挙関係の集会は、シュパイヤーの町中で、今日2件はあったそうですが。

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2005.09.14

行政・自治No.26 静かな選挙と熱い選挙(その5)

041021BT_KinderGDSC_0075050913spd_kandidatin_dscf0651行政・自治No.26 ボンからベルリンに移ったドイツ連邦議会の議員は、というと、妊娠中の議員や、小さな子どもを抱えた女性議員がかなり多いです。そこで、連邦議会のあの有名な透明のドーム状の屋根のある議会地下の廊下で結んで、議会に新設した保育園があります。左上がそれです(この写真の左下部分は黒いですが、これは議会棟の翳です。当日はあまりに天気が良かったので)。今、私が今住んでいるいる市のSPDの女性候補者の写真です(写真右)。当選するかどうかはわかりませんが、彼女のおおよその年齢は街角の立て看板の写真でわかるでしょう。彼女たちは、選挙運動で叫ぶことはまったくありません。ほとんど普通に近い生活を送っているはずです。次回に、最終段階のポスターの写真をもう一度載せます。
 静かな選挙が、この週末に終われば、またドイツ連邦議会の保育園は活気づくでしょう。
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 北欧では、大臣が育児休暇を取るのも珍しくないのですが、男性の議員や公務員・裁判官などが育児休暇を取るのは20年前から散見されていました。
 裁判所における女性と子どもという点で、もっともびっくりしたのは、かつて行ったスウェーデンのストックホルムにある高等行政裁判所(写真左下は、同裁判所の行政訴訟事件のためのラウンドテーブル法廷です)です。当日、庁舎内で見ることができた範囲内でいえば、男性は守衛や運転手だけだったですね。裁判官から事務官まで女性だらけ。おまけに、午後は、子供たちが裁判所庁舎・執務室に何人もいましたからね。この写真は1990年の取材によるものです。よく見ると、裁判長席のところに、木槌(きづち)がありますね。

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2005.09.13

行政・自治No.25 静かな選挙と熱い選挙(その4)

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行政・自治No.25 先日もパソコン歴で初めての長期間アクセスなしの時間をもった、と書いたばかりですが、その最新記録を更新し、今回は7日間、アクセスしない状態を意識的に作りました。ブログもお休みにしました。
 本来は、法教育とプールの関係について書かなければならないのですが、日本の衆議院選が終わったので、今日は、選挙後の国会のことについて、触れてみます。
 数年前、司法制度改革審議会設置法(案)が参議院で審議された際に、参議院の法務委員会で意見を述べる機会を持ちました。その際に、参議院の食堂で昼食を取らせてもらったのですが、案内してくださった方の解説によると日本の国会の食堂はもっとも栄養管理に気をつかっているとか。それは、高齢の国会議員が多いため、脂肪分の少ないものとか、食材選択、調理法にも工夫があるのだそうです。
 ところが、ドイツの議会。議会は若い世代や子どもも将来の主役です。写真左は、早い話、ベルリン市(州)議会男性用トイレです。同議会の入り口のロビーでは、多数のナチス時代の残虐な写真・ポスターなどの展示会もしていました。偶然に入った男性用トイレ。左だけ、ドイツのトイレでは珍しく低いものがあります。その上を見ると、右の写真のように、タイル張りで、「あすの議員(Abgeordneten)のために」と書いてあります。議会が身近です。思わず、私も微笑んで、パチリ(2004年11月撮影。)。絵になっている熊は、ベルリン市のシンボルです。
 でも、ドイツ連邦議会は、もっとびっくりです。それは、明日にでも。

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2005.09.05

行政・自治No.24 静かな選挙と熱い選挙(その3)

speyerrestaurant1_dscf0217050828StammtischDSCF0352行政・自治No.24 ここドイツでは、街頭でうるさい選挙運動がなく、せいぜい歩行者専用道路などのテント下でのほそぼそとした「対話」が行われていますが、対話の場所は、そこだけではありません。
 ドイツの場合、どんな田舎の町や村に行っても、たいていは、雇用確保などの目的で意図的に設置された連邦や州の各種の施設があります。私の取材先にも、本当に小さい町や村があります。その小さな村の食堂に夕食のために入ると、さも日本人を初めて見たというような視線を浴びることがあります。そういう村であっても、レストランは実に小ぎれいです。そして、どんなレストランにも地元の常連だけが座れるシュタム・テッシュ(辞書には、「常連用のテーブル」とあります)があって、そこでは、しょっちゅう政治についての侃々諤々(かんかんがくがく)の議論をしています。
 この写真は、今いる大学の交差点反対側にある、近くに店もほとんどない小さなレストランで、その名前は、直訳すると「おばあちゃんの台所」。ここにもシュタム・テッシュがあります。
 日本人は、意識的に自分の政治信条や支持政党についての言及を避けますし、生涯、政治に関わらなかったことを誇りにする人も普通ですが、こちらでは公務員や自治体連合組織の職員などでも所属政党は重要な意味を持つので、給料の号棒と同様に、意外にあっけらかんと所属政党・支持政党を教えてもらえます。どの政党にも所属していない人の場合にも、おもわぬ第三候補者として有力なポストに就くこともありますし、政党人なるゆえに、州によっては不利なこともありますが、16もの州があり、異なった政党、ないしいくつかの政党の組み合わせの妙で、どこで芽が出るかわかりません。
 かつて、ドイツで司法改革を進めた中心人物のヴァサーマン・ブラウンシュヴァイク州上級裁判所長官(同氏については、この私のホームページの「とりあえずのご紹介・3」をご覧下さい)が1986年に著したベストセラー「観客民主主義」(彼の著作のドイツamazonにおける全リスト)。残念ながら、表紙画像がありません。私の自宅には現物がありますが)が描くように、ドイツとて国民は政治劇を芝居として見ているということへの批判がありましたし、今でもあるでしょう。日本から見ると、レベルがだいぶん違いますが。

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2005.09.04

行政・自治No.23 静かな選挙と熱い選挙(その2)

050903SpeyerWahl3DSCF0445050903SpeyerWahl2DSCF0446行政・自治No.23 選挙のキャンペーンが始まってもう1か月は経つでしょう。前回のブログ写真からほぼ1週間が過ぎました。同じ場所で6日後の9月3日(土曜日)に撮った写真が、今日の上の2枚と下の左です。選挙そのものは、9月18日です。白い大型掲示板は公共設置のもののようで、その後、CDUやSPD、緑の党のポスターが張り出されました。日本であれば、同じ面積で、同じ使い方が要求されると思いますが、どうみても、バラバラです。キャンペーン活動は、前回と同じ場所ですが、今日は、右翼政党も同じ形・サイズのパラソルを出して、市民に説明、というより、討論をやっています。母子3人は、SPDの風船を5つももらって帰宅する途中です。SPDに投票する保証ってまったくありませんが・・・。
 それにしても、この写真の対象物さえなければ、選挙が行われているという感じはしません。
 CDUの党首で、首相候補アンゲラ・メルケルさん(女性)は、旧東ドイツ出身で37歳くらいのとき、連邦政府の大臣になりました(経歴)。この当時、コール首相らによる大臣任命は単に人気取りでは、といった風評もありました。今では、党を率いるところまで来たのですね。050903SpeyerWahl1DSCF0447 89deutschvwritag_541
 他方で、これまでの首相SPDシュレーダー氏(同首相の経歴については、ここ、または、これをご覧下さい)。1989年当時、彼はブラウンシュヴァイク市の青年市長でした(といっても、計算すると45歳くらいです。35歳か36歳のときに連邦議会の議員になっています。彼がブラウンシュヴァイク市の市長だったという記録は意外に日本での紹介記事に載っていないようです)。彼がドイツ行政裁判官大会において、地元市長かつ法律家として挨拶をしている様子です。その短い挨拶の全部を理解したわけではありませんが、単なる若い法律家というにはとどまらないな、ただものではないな、と当時直感したものでした。その後、1990年にはニーダーザクセン州の首相、その後、連邦首相と、あっというまに、政治の頂点に躍り出ました。ドイツの政治家は、若くていいですね。
 ちなみに、日本の地方議員ドイツの地方議員の平均年齢は、干支で一回り違います。つまり、平均年齢が12歳ほど、ドイツが若いのです。まぁ、その辺りの仕組みはいずれ。
 こちら、ヨーロッパ。猛烈な暑さで、しばらく大学町を離れていましたが、連日30度を超す日々です。冬物の衣料品が足りるか心配でしたが、目下、真夏の服装です。

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2005.08.29

行政・自治No.22 静かな選挙と熱い選挙(その1)

05wahl_in_deutschland行政・自治No.22 今日は、2枚だけ。ドイツの静かな選挙の様子です。といっても、「静かさ」は、画像では示せないので、ポスター選挙とでもいいますか、相当自由勝手に、サイズ、掲載場所もバラバラの各党や小選挙区候補者のポスターです。左下の大きな看板は、今朝、始めてみましたが、右翼の共和党のポスターが張ってあり、公的な看板なのか私製かわかりません。ドイツ国政選挙の法律の勉強はしたことがないので、詳しいことは説明できません。05wahl_speyer_strasse_dscf0328
下の写真は、8月27日土曜日の昼間、シュパイヤー市(人口5万人)の最大の目抜き通りで、各党がパラソルの下で、政策の説明をしているところです。子どもは、風船をもらっています。ボールペンなども「買収用?」においてありますよ。
 いずれにしても静かな選挙ですが、市民が熱く議論をしている場所もあるのです。できれば次回に。
 実は、選挙の実質をよく比較研究してみないと、日本の国政も地方自治も、ひょっとして間違った議会制度をもっているのではないか、ある選挙形式を普遍的と思いこみすぎていないか、ひいては、新しい議会像についての発想貧困を招いているのではないかが、わかりません。これも、スイスの自治と比較して改めてそう感じています。
 各ポスターの分析は結構楽しいですし、候補者の美人度を強調したものもありそうです。虫眼鏡で見てもわからないサイズにしておきました。
 使用しているカメラが複数のため、縦横の比率が一定ではありません。ご勘弁を。

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2005.08.28

行政・自治No.21 消火栓を考える(2)

schweiz_feuerhahn1_dsc_0386schweiz_ochsedsc_0392行政・自治No.21 まぁ、たいした話ではありませんが、スイスの人口5,000人の町の調査を終えた後、あえてその町のホテルに泊まりました。夕方時間があったので、散歩をしましたが、まあ、農家という農家が美しいこと。1軒のきれいな造りの農家があって、正面から写真を撮ろうとしました。ところが、2階のベランダでは、若夫婦がどこからでも見える角度なのに抱き合っています。こっちが恥ずかしいというか、プライバシー侵害を避けるために、木々が二人を遮るところまで行って、このお宅の写真(右下)を撮った次第です(ちなみに、この話は、今後、なぜ、ドイツやスイスにはラブホテルがないのか、というテーマに発展するかもしれません)。写真で見える部分は、農家特有の設備が写っていて一見汚いようですが、家の正面はペンションを思わせるようなきれいな造りなのです。この町には、50メートルから100メートルおきに、消火栓があります。そんなに火事が多いのか? ともかく不思議でなりません。今でも、未解決です。schweiz_glocke_dsc_0366bauernhaus_dsc_0378
 ただ、迷子になるほど歩いたあと、ある牧草地沿いの道路脇にある消火栓を見ると、牧場の牛の水飲み場消火栓からホースが延びているのです(写真右上)。これは合法なのか、違法行為かは、結局聞けませんでした(牛しかいないのだから)。ただ、道路沿いの消火栓は、家々の側にあって、牧草地側ではありません。知っている方、教えて下さい。
 それにしても、牛が付けている、あのカウベル、たまに短時間聞くのはのどかでいいのですが、付けている本人(本牛)は、1日中、あの音を聞いていて、頭痛やノイローゼはないのかなぁ、と真剣に考えたことでした。私がこの牛だったら、耐えられない。
 この町の自治の仕組みを詳細に役場で聞いて、私は、真の民主主義、自治住民による官僚行政コントロールってこんなものかと衝撃を受けました。これは、また。

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2005.08.27

行政・自治No.20 消火栓を考える(1)

bern_feuerhahn_1723abern_feuerhahn2_1724a行政・自治No.20 まぁ、消火栓もいろいろあって、楽しいですね。おもしろい「縫いぐるみ」風のものは、19年前くらい前に撮ったスイス・ベルン市の消火栓。消火栓であることはわかるのだから、このくらい「遊び」心があってもいいのでは、と考えています。ずいぶん以前から、自治体の研修などでは、このくらいの「遊び心を」と言っているのですが、生真面目な日本の国民風土には「おふざけ」はどうも合わないみたいです。lausanne_feuerhahn_dsc_0415実践例の報告はありません。で、最近のスイスは、いっそうモダンになってきて、デザインがあか(赤)抜けてきた? 3枚目の写真は、ローザンヌ市スイス連邦最高裁判所の近くにて。次回は、消火栓の用途の話です。

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2005.08.26

行政・自治No.19 よその国の災害

bern_hochwasserbern_dsc_0331行政・自治No.19 先日来、スイス、ドイツ南部、オーストリアなどで歴史的な水害がありました。写真左は、著作権法上問題ありの水害状況の写真です。スイスの首都ベルン市の中心部です。沈んでいます。写真右は、2005年8月8日のベルン市内のアーレ川です。スイス都市連盟スイス市町村連盟のそれぞれの事務総長と並んで昼食に向かう途中で、キルフェンフェルト橋という大きな橋から写したもので、とてつもなく美しい街と川でした。ライン川とかドナウ川と言えば、汚水河川というイメージしかありませんが、この辺りは、「美しき青き」川です。アーレ川は、ライン川に合流していきます。
 今、濁流。死者も相当出たのですが、日本は、こういう場合に何か支援をしたのでしょうか?
 両方の写真とも、写っている範囲内に、アインシュタインの生家があります。今は、お菓子屋さんになっていますが、「生家」である旨は、標識でわかるようになっていますし、今年は大規模な展示会というか記念博のような行事が市内で行われています。
 ちなみに、インターネットの検索で「アーレ川」と入れると、たくさんの写真を見ることができます。この川の源は、あの有名な山、ユングフラウヨッホ。いずれ、スイスの自治について触れなければなりません。

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2005.08.25

行政・自治No.18 あのときの選挙

OhsakaWahlWagenOhsakaTousen行政・自治No.18 台湾の司法改革についてはちょっとお休みし、また、ドイツで、選挙が行われているとはまったく気づかないような静かな成熟した選挙については後のこととして、少しだけ昔話をします。今回のドイツの選挙ポスターの写真などは別掲に。後記の和独辞典では、ドイツ語に「選挙カー」というのはないのですが、実際にも1台も見たことはありません。

 逢坂誠二町長の衆議院選 「出馬」 が決まったようです。
 (参考までに、和独辞典をみたら選挙の「出馬」という言葉は当然になく、「選挙に進む(zur Wahl schreiten)」もドイツ語としては良くなく、「選挙を始める(die Wahl beginnen)が良い」、とあります。さもありなん。日本の選挙用語は全部、戦争用語だから。<選挙戦>、<出馬>、<出陣式>、<下馬評>、<勝ち馬に乗る>。戦争と民主主義は矛盾すると思うのだけれど)

 比例区の第1位候補ですから、勝利宣言だの当選の万歳やら、<薄氷を踏む思い>は今回はないはずですが、最初の町長選は大変でした。
 写真左は、弱冠35歳にして、錆の効いた(?)トラックで町内の「遊説」を始める第一歩。最初の町長選の「出陣」?のスピーチです。写真右は、開票場の体育館から「当確」第1報のサインを出す予定の某さんが、サインを出すのを忘れてしまっていて、本当の当確が計算できた時点よりしばらく後に、待ちに待った当確の第1報が選挙事務所に入ってきた瞬間です。カメラもぶれていますが、このとき当選するハズのない逢坂事務所には、新聞記者もテレビカメラマンも来ていませんでした。続きの希望があれば、近所のお寺での深夜の祝賀会の写真などでも回顧談として載せますが。この祝賀会に、当選したとわかってから、<勝ち馬>に乗る人がやってきます。

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2005.08.21

行政・自治No.17 お祭り用の水道設備

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行政・自治No.17 15日(月)から20(土)まで、パソコン生活18年間で初めて6日間も電子メールの送受信ができない環境にいました。最近は、そこそこのドイツのホテルでも、無線LANが使えるようになりつつあります。今回は、ミュンヘンとベルリンという最大規模の都会で5泊していたのですが、私の泊まったところは、モジュラージャックも、電話線も、無線LAN環境もありませんでした。正確に言うと1箇所ではモジュラージャックにつなぎましたが、過電流でモデムチェッカーが赤サイン。ダメでした。2箇所の行政機関では、もしや、ということで自分のPCを面談相手の許可と技術スタッフの協力を得て庁内のLANにつなげてみたのですが、やはりセキュリティの関係からつながりませんでした。ドイツのホテルのどの程度かは分かりませんが、 Swisscom Eurospot という無線LANが使えます。この Swisscom は、スイス全土の公衆電話網と同じ名称ですので、Swisscom Eurospot は、多分日本のNTTの子会社的なものに当たると思うのですが、今や、世界展開をしているようです。昨年はこれをドイツで1週間契約で利用しましたが、結構、高いです。この Swisscom Eurospot は、オーストリア、ベルギー、フランス、ハンガリー、イタリア、オランダ、スペイン、イギリスでも使われているようです。それにしても、なぜ、スイスの電話公社なのか。この辺りのことは、素人ですから、よくわかりません。いや、ちょっと調べた のですが、ヨーロッパでも動きが急なので、即断はできません。
 携帯電話はいつでも日本に、また、日本からつながりますが、今どきの電子メールにはたくさんのPDFファイルや各種ファイルが添付されていますから、携帯電話をパソコンにつなげて日本に電話して、というのはコスト面からちょっと・・・・。
 というわけで、6日以上経っての更新です。
 私がいる市は、15日は結局、祝日ではありませんでした。掃除のおばさんは、どの州とどの州では休日だ、とご存知でした。
 さて、お祭りの際に気づいたことの2つ目です。写真でご覧のように、街の中に700メートルもの臨時レストランを設置すると、膨大な水が要ります。なんと、道路の地下から、各臨時店舗に配水できるように、もともと配水設備が埋め込んである のですね。床を開けると、電源プラグやLANケーブルを接続できるようにしてある、それと同じです。非衛生的なタンクに入れた水で調理、ということはなくなるわけです。福岡の屋台には参考になりそうなテーマです。ちなみに、左の写真の奥に見える建物、1階は多数の用品店などが入っていますが、2階には、この市の法務部が入っています。市役所本庁は、写真を写している場所より手前にあります。距離にすれば100メートル強、離れているといえるでしょうか。
 今日は、ベルリンで、大規模な蚤の市(フローマルクト)を見てきましたが、きれいなトイレが用意してありました。計画的ですね。その話は、また。それにしても、台湾の司法改革に早く一区切りつけなければ。

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2005.08.15

行政・自治No.16 露店や屋台を仕切る人

050827koenigsplatz_frau_dscf0326markt_frau_2_dsc_0472行政・自治No.16 日本の場合、最近では自治体の機関自体できちんと仕切っている日曜市や露店などがありますが、歴史的には、いろいろな「事実上の公共機関」の方々が、ショバ代を取って、市場・夜店の平穏な管理を行ってきました。
 今日、入手した超ローカル新聞によれば、昨日来の路上レストランは、18の本業をレストランとする方々による700メートルに及ぶ「皇帝(カイザー)食卓」だそうです。
 さて、これは、8月13日(土曜日)の、土曜にだけ立つ朝市の一角で、5万人の市の王様広場(ケーニスプラッツ)の一角です。このおばさんは、自家製の野菜と花をほんのちょっとだけ並べています。土曜市ごとに、事前に、2.05ユーロ(約283円)の使用料を市のマルクト・マイスターに支払っているそうで、その許可証兼領収書が写真に写っています。年間を通して出店しているもっと規模の大きな八百屋、香辛料の店、パン屋などの使用料はもっと高いということでしたが、額を聞く余裕はありませんでした。卵屋さんは、鶏の種類を絵に描いて売っていました。とてもおもしろいのですが、しつこいので写真は控えましょう。
 他方で、前回の3日間連続の道路占用については、ある小さめの飲食店のおやじさんは、「3日分で2,800ユーロ(38万6千円)を市に納めるが、高いよ」、と言っていました。確かに、店の設備も規模も違います。その一端を次回に写真でお見せします。小さなテントとは言え、数名が働いていたので、店の規模からすると心配な額です。レストランの配置や金額を決めるのは、市の特別の委員会だそうです。
 それでも、使用料は別として、こわいお兄さんたちが仕切っていないだけ健全のように見えます。

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2005.08.14

行政・自治No.15 自治体ごとに違う祝祭日

FestHausStrasseDSC_0477fest_strasse_dsc_0480行政・自治No.15 8月15日(月)は、聖母マリアの被昇天の日バイエルン州では、カトリック系住民の多い市町村では休日。ザールラント州は州全体がに休日。その他の州は休みではないようです。バイエルン州などは、同じ日なのに、旅行先では休日だったりします。スイスでも26の州のうち、休日の日数は6日も違うそうです。カトリック系住民の多い州では、休日が多いのです。私が今いるラインラント=プァルツ州は、休日ではないはずです。
 そういう例もあるのですから、北海道などは、あの肌寒い4月末から5月始めの「ゴールデンウィーク」を6月にすればいいのですが。まさに、「特区」として。サマータイム並みか、それ以上に意味があるような気もします。
FestTischDSC_0485spiel_dsc_0491 さて、今日から、私の住んでいる町でも3日間は、普段はバスとタクシーだけが通る大通りも、完全に道路全体がレストランとなって、フェスト(祭り)となります。路上のにわかレストランのテーブルにも、装飾用のカボチャや花をきれいにおいて、やはり日本の露店とは違った雰囲気があります。いささか古色蒼然とした遊具も数台あって、こどもたちが喜んで乗っています。
 偶然、買い物のために大学から降りてきて祭りにぶつかったのですが、そこで知った(少なくとも、自分にとってはおもしろい)話を次に2度にわたって書きます。

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2005.08.12

行政・自治No.14 研究助手に80名の応募者

BiblilTischDSCF0148行政・自治No.14 私がお世話になっている講座の教授には2名の秘書がいます。もう10数年のおつきあいです。そして、研究助手がいます。まだ着任後1年半くらいだそうですが、応募して、採用されるまで、この大学とは何の関係もなかったそうです。公募に対して、80名が応募。採用されたご本人は、「私は運が良かった」と言っていますが、やはり相当の力量の持主でしょう。ドイツにおける公募主義の一端を見る思いです。行政の幹部も、皆こういう形で応募して採用されます。もう15年来、調査をしてきていますが、大体、公務員や各種機関の幹部の公募には、20倍から100倍の応募者がありますね。突然の「出向」などや、「不慣れなポストに昇進しまして」と言ったことは許されない社会です。
 図書室で自習をしている学生の机です。このくらいコンメンタールや法令集を並べて勉強をしている学生は、日本にどのくらいいるでしょうね。これまでの司法試験の受験者やロー・スクール生なら当然のことでしょうが。

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2005.08.11

行政・自治No.13 追悼の季節

uenomurajh_pb210018kurosawa_pb210020行政・自治No.13 2005年夏。8月12日。あれからちょうど20年です。初めてドイツ留学をしたのが1985年の6月末。ミュンヘンで語学学校に通っている最中に、日航機の墜落事故の報が入りました。520人もの犠牲者が出ましたが、当時、ドイツ人の中には、日本人は身体が小さいから飛行機にあれほど詰め込めるんだ、と言っている人もいました。確かに、当時も今も、ドイツの国内線に400人も500人も乗るジャンボ機は飛んでいないはずで、普通の市民にジャンボ機自体がイメージできないのはやむを得ないでしょう。どんな大事故が起きても、ドイツの新聞は、日本の新聞のように何面も使って集中豪雨的な報道をしません。その代わり、時間が経ってから冷静な検証記事を載せることがあります。御巣鷹山での被害者捜索に自衛隊がどの程度出動したのか、私自身の記憶は正確ではないのですが、南ドイツ新聞のあの有名な日本特派員であるヒールシャー記者は、自衛隊が夜間の捜索をしなかった理由として、自衛隊は夜間に空から照明をする照明弾(正確な表現ではないです。軍事用語を知りません)を持っていないからだ、ということついて、何のための「自衛」隊かと、痛烈に皮肉った1ページ全体を使った長大な記事を書いていました。ちょうど20年経った今年、私はたまたまドイツで夏を越しています。この事故には、肉親や親戚、知人・友人が関係しているわけではないですが、何か因縁を感じます。昨年の秋、多くの方の遺体が仮安置されたあの御巣鷹山のふもとの上野中学校(群馬県上野村)で市町村合併関係の講演をする機会があったこと、今年の春に、あの事故の生存者である川上さんが生まれた自治体と私の生まれた自治体は、合併で同一の自治体になったことなど、あの事故が、いつ起きたのか、忘れることのできないものとなっています。写真は、昨年の秋に撮った上野村のその中学校体育館です。この墜落事件については、非常に多くの書籍が刊行されていることを、つい今、知りました。上野村の自治についても、黒沢建夫村長ご自身のことを含めて、学ぶ必要があります。黒沢村長(2004年11月撮影)は、この2005年6月13日に、10期40年という全国最長の任期を務めて91歳で退任されたようです。
 アフリカやアラブの天気予報まで流れるものの、日本のニュースはめったにドイツのラジオで聞くことはありませんが、8月6日は、広島原爆追悼の模様が、60周年という節目を強調しつつコイズミ首相の名とともに、繰り返し放送されていました。追悼の季節です。

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2005.07.28

行政・自治No.12 掃除のおばさんもこれから1ヶ月間、長期休暇

speyer1988_hof_38705SpeyerGartenDSC_0195行政・自治No.12 (あとで、文章を若干直します。取り急ぎ)学生の年度末の爆発については、前回の記事の後に、<補遺>を加えておきました。このブログ始まって以来、初めて2通の私信が来ました。私にとって、もっとも、価値がありそうにない、おふざけの記事にだけ反応があったので、今まで書いてきたことは何だったのか、といささかがっくりです。
 さて、この間、新たに、ドイツ的な行政システムに触れることがいくつかありました。

 一般に、私が知る限り、ドイツの教授室の電話は直接にはつながらず、まず、秘書が出ます。この関所を通らない限り、教授本人とは話ができません。それはいいとして、最近気づいたことを2つ。

(1)あちこちの機関にインタビュー取材のアポ取りをしていますが、個人名の電子メールIDに送信しても、長期休暇中のため代理人が受信しています。本人名義の受信確認のメールだけは戻ってくるし、読んだ方から、「本人は○○まで休暇中です」と来るからわかるのです。休暇期間中の代理人は、少なくとも職場の被代理者の宛の電子メールは読めるようになっています。このように、職場には、「」としての側面しかありません。つまり、ある個人宛に、私信としてのメールも手紙も書けません。どんな役所宛の文書も複数の人の目に止まることを想定していなければなりません。その逆に、スタッフの名前や電子メールIDは、最近の日本の傾向とは異なり、全部公開されています。アルバイト的な研究支援をする学生の名前とIDすら、ホームページで公開されています。このことについては、別の「「小さな自治体」の可能性 ― いくつかの国の現実から」にも書きました。

(2)教授の秘書に電話をしました。5~6回ほど呼び出して、秘書が出ない場合には、研究助手の電話を自動的に呼び出すように設計されています。何回目から転送になっているかは、呼び出し音を聞いている限りではわかりません。教授の長期休暇中や海外出張中でも、ドイツの教授からは、秘書や助手が「委任を受けて(i.A. or im Auftrag)」として返事が来ますが、こういうシステムが確立しているから、教授たち自身は、今でもコンピューターを机の上に置いていることは少ないようです。

 さて、私の住んでいるフロアーの掃除の女性も、週末から1ヶ月、長期休暇に入ります。せっかく慣れたのに。しかし、代理の女性が、掃除のため1ヶ月やってきます。そういえば、20年前暮らしたミュンヘンでも、酒屋さんも1ヶ月以上休暇でいなくなりますが、毎年、代わりの人が来て、店を開けていましたね。小児科医や内科医は、長期休暇中は、「○○通りの▲▼医院に代理をお願いしています」という掲示をしてゆったりと休んでいます。継続してかかっていた患者についてはカルテも代行医師のところに行っているのでは。ギリシャ人やトルコ人の露店の経営者たちも、いっせいに夏休で、故国に帰っていきます。

 こちらでは、左側の1988年に写したキャンパスの緑地ですが、今年は、右の画像のように、樹木が生い茂っています。17年間の間に豊かに成長しているようです。さて、その20年の間に日本は、豊かにに成長したのでしょうか。もっとも、ドイツでも労働条件や人間関係は、競争原理で厳しくなってきていますが、それは、別の機会に。

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2005.07.23

行政・自治No.11 職場における電話の公私の区別およびセキュリティ

telephonDSCF0152行政・自治No.11 大学構内の1つの建物である学生寮・ゲストハウスの一室に住まわせてもらっていますが、使えるはずの電話がいくらやっても、学内から外へ(市内電話も含めて)かかりません。内線電話のみがつながるのです。
 入室時にいただいた書類を、やおら読み直しました。まず最初に、他人が勝手に電話できないように使用開始のためセキュリティ解除措置として特定個人に配分された4桁の解除番号と♯をプッシュしなければならないと分かりました。もし、他人がこの部屋で外線を使うことを考えて、同一の番号を入れると、もう外線電話ができないようにガードされます。短期間でも席を離れる場合には、このガード措置を執るように指示がしてあります。ただし、警察と消防への緊急電話は、このガードがしてあっても例外的につながると書いてあります。

 外線使用が可能になった状態で、外線電話をするには、公務であれば0発信、私用であれば8で発信となっています。電話利用規則によれば、外線に発信した記録は、発信時刻、通話時間、相手先番号、電話料金が全部記録され講座に通知されます。また、私用電話は、相手先電話番号の最後の2桁を××として記録され、毎月、本人に請求される仕組みです。
 このような電話システムが成り立つには、教員・職員のすべてが個室または特定の電話機を充てられて仕事をしているからです。
 日本でも民間企業ならこのような記録やセキュリティ対策を実行しているところもあるでしょうが、日本の役所関係ではこうしたシステムを知りません。
 かつて、北大勤務時代の初期から中期にかけて、外線電話は所属学部の会計掛に依頼し、会計掛の担当者が本部事務局の交換手に依頼してつながる仕組みでした。あまりに面倒だったのでこのやり方は廃止になりましたが、当時は、私用と公用の区別がありました。仮に勤務時間内でも、私用電話の可能性はあります。家族の病気とか、ただちに公用とは言い切れない電話で、の勤務時間内でしか連絡のとれない知人との間の研究会運営連絡などです。こうした事情を考慮した使用のための仕組み作りが日本では決定的に遅れているのではないでしょうか。それとも勤務時間中の私用電話は、福利厚生サービスの一環と位置づけられているのでしょうか。

 なお、前回のブログで私の勤務先の汚くかつおそまつな教育環境について書きましたが、この点は法科大学院(ロー・スクール)には当てはまりません。このことに関して ご指摘 をいただいています。これまでロー・スクールの講義担当でもなかったし、ロー・スクール校舎に入ることもほとんどないため、まったく無意識でした。誤解を招いたことをお詫びします。

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2005.07.20

行政・自治No.10 大学の教育設備

050719Seminar_E-Go_DSC_0192050719cabel_DSCF0143行政・自治No.10  数回、台湾の司法改革については休みます。おそらく定年まで最後のチャンスということで、ドイツ側の招待をいただいたので2ヶ月と1週間ほど、ドイツに研究滞在をします。18日の夜にドイツの小さな大学町に着いて、まだ40時間経ちません。あれこれの手続が少しずつ片付き、必須のミネラルウォーターのまとめ買いも、大学スタッフに手伝っていただいてできました。洗濯用洗剤や、水質が違うためのボディーソープから何まで、一応、買い出しが必要です。シュパールカッセ(昔風に訳すと貯蓄銀行)での口座開設も終わりました。これから9月中旬過ぎまでドイツよりブログやホームページを更新します。
 昨晩は、着いてから1日も経っていないのですが、受け入れ教授の大学院ゼミに出てきました。ボリビア出身の院生が、美しいパワーポイント画面で電子政府(E-Government)の導入やその長短について説明をし、討論をしていました。インドネシア出身の女性院生は、同地での電子政府導入の困難性について縷々述べていて、興味深いものがあります。幹部・上司の理解がないなどという部分は、日本の事情とあまり違いないじゃないの・・・などと思ったり。
 ちなみに、画像右は、ノートパソコンでパワーポイントが使いやすいように、プロジェクターにつながった15ピンの接続ケーブル端子が机の上に出ているところです。我が勤務先大学では、あと10数年待っても、こういう設備になるかどうか。毎回、プロジェクターを運び、スクリーンを設定し、片付けている大学で、良い教育などできるかいな、と思いながら、聞いていました。私の勤務先の講義室やゼミ室はゴミだらけなのです。ゼミ室・教室の隅には、髪の毛、古紙、ホコリがたまりきっているし、黒板や机、椅子の上は、チョークの粉やほこり、ゴミなどで、スーツの上着も、鞄もおけないほど汚いのですから、この間訪れたアジアの諸大学より、相当、教育環境は遅れをとっています。いろいろなことを羨望の眼差しで見ていました。演習は、19時開始で、21時半に終わりました。
 1988年4月に、この大学で初めて英語を使ったシンポジウムに参加したとき、参加した19カ国からの実務家・研究者のうち、OHP(オーバー・ヘッド・プロジェクター)使わなかったのは私一人だった、という悪夢を思い出します。あの頃は、まだ、OHPの存在すら知らなかった。恥ずかしい思い出ですが、今も、大学の教育設備(日本の場合には、旧・国立大学を想定して)の差は縮まっていないように感じます。この点は、今年の秋の公法学会報告でも、画像付きで紹介するつもりです。

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2005.06.16

行政・自治No.9 明日6月17日(金)の放送大学大学院講座にゲストで出ます

行政・自治No.9 明日、6月17日(金)の21時30分から、放送大学大学院の講座 「地方自治政策Ⅰ」 にゲスト出演します。当日の担当は、天川晃教授(放送大学の専任教授)で、「第11回 自治体のネットワーク」です。お暇な方は、ご覧ください。 タイトル通りに、自治体が相互のネットワークを張ることの重要性を述べたはずです。収録は、今年の1月、福岡で。話したうちの、どこが、どのように採用されているかどうか、まったく現時点ではわかりません。
 ケーブルテレビが入っている家庭など、視聴できる方は限られると思います。
 放送大学大学院の授業料がいくらか、今日、はじめてホームページを見て知りましたが、1単位1万円となっています。研究指導料だけは1単位当たり2万円です。30単位が修士課程修了に必要な単位数ですから、おそらく膨大な額の国費が投入され、授業料の5~10倍くらいのコストがかかっているのはないでしょうか。旧・国立大学も基本的にはそのような構図なのでしょう。財政面は、良くは分かりませんが、そのような印象を持ちました。

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2005.06.13

行政・自治No.8 ミヒャエル・エンデじゃないが、別の意味で、「時間どろぼう」

行政・自治No.8 多くの役所・大学では、私の知る限り、電話は今でもアナログです。交換機を経由してのゼロ発信であることはともかくとして、電話機の形だけはプッシュ式でも、いわゆるデジタル回線のピポピポではなく、かつ、受話器からは、ジージーと、のどかな音が聞こえます。そして、相手が出ない、本人不在、間違いダイヤル、その他の事情で、メモ帳や電話番号表、住所録などを見ながら、また市外局番から電話をかけ直している風景はざらです。
 今から20年前、ドイツ・バイエルン州の内務省で、1970年代に行政の簡素化・機械化に努めた官僚 ルートヴィッヒ ヴィーデマン(Ludwig Wiedemann)氏に会いました。彼は、パソコンに向かって、クリック一つで、電話をかけていました。日本では、電話機ごとに登録できる短縮番号の機能すら普及していない時代のことです。正直、その「クリック一つで電話」ができる能率性に驚きました。衝撃的でした。彼は、官僚といっても、いわゆる上級職の方で、総合大学卒の高級職ではありません。また、彼が行政簡素化に尽力したのは、彼の30歳代のときですが、数々の行政の能率化に貢献したのです。
 翻って、21世紀に入った日本。今でも、ほとんどの役所・事務所・研究室で、プッシュボタンを押す光景が見られますが、いちいち電話をかけ直しているコストは、私の勤務する大学辺りでも、人件費で計算し直すと年間数千万円では収まらない時間を無駄にしているでしょう。
 大規模自治体では、電子メールの登録アドレスが100件を超すと、自動的にアドレス帳自体が消去されるところもあるといいます。事務能率という点からは、未登録単語や長い文字列の短縮読みによる辞書登録機能をまったく使えない自治体も少なくないようです。私の場合、1万1千語の単語登録をしています。わずかに「ひらがな2文字」でたいていの専門用語も出ます。郵便番号付きの自宅の住所も、ひらがな2文字で、漢字版、英語版がでます。「実家」と打つと、郵便番号付きで、最近自治体名が変わった長ったらしい住所も1発です。ちなみに、「でふぁ」と打つと、大学研究室、法律事務所、自宅、外国向けの国識別記号付きの最低4種類の電話・ファクス番号が、漢字変換機能として使えます。
 多くの事務部門で、毎日、自治体名から、自治体所在地まで、手で打っている姿を見ると、「人件費を戻せよ」、と言いたくなります。
 同じことは電話にも当てはまります。オートダイヤル機能を使えば、クリック一つで、間違いなく電話をかけることができます。私の場合、2000件近くの個人や企業・組織・団体の住所などのデータが、自宅と勤務先の双方とも入っています。これなくしては、事務能率は上がりません。しかし、アナログの大学研究室では、あと10年は使える見込みがないでしょう。ファクスもパソコンから直接送る方が、楽な上に、安いし、何よりもきれいな画質で送れますが、これも大学では使えません。
 あまりに、オートダイヤル機能が使われていないせいか、私のお気に入りの「筆まめ」では、2005年版から、この機能が削除されたと聞きます。先般、法律事務所で導入するために、大規模電気店に依頼して本社在庫を調べてもらったところ、わずかに1セットだけ、2004年版の在庫があったそうで、無事に、オートダイヤル機能付きの住所管理ソフトが入りました。
 一流の民間企業でも、朝から晩まで、一つ一つ、プッシュ・ボタンを押しているのでしょうか? 公務の現場では、行財政改革の一環として、もっと時間コスト意識を持って欲しいものです。この程度のことができないとしたら、その理由は、IT技術のどこに論点があるからなのでしょうか? セキュリティ?

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2005.06.08

行政・自治No.7 「電子メールを送ったから読んでね」みたいな・・・

行政・自治No.7 報道によると、最近、ファクスの送信ミスで、誤送信先に他人宛のファクスが送信されるという事態が、少年事件関係の組織や弁護士事務所で相次いでいるようです。
 私も、弁護士業務を始めた頃に、今や研究者同士ではほとんど使うことのないファクスが、法曹界では「我が世の春」を謳歌している?ことに、まずもって驚きました。
 そして、その次に、事務員さんが、法律相談センターであれ、弁護士会や裁判所、検察庁であれ、1件1件、「弁護士○○の事務所の者です。さきほどファクスを送りましたが、届いておりますでしょうか」と確認の電話をしているのを見て、なんという無駄なことかと思っていたのです。しかし、それがいかに重要なことであるか、すぐに分かりました。確かに、1つのボタン数字の押し間違えで、全く異なったところに着信するわけで、翻ってみれば、私の自宅にも、稀におよそ心当たりのない工事発注書や注文一覧、見知らぬ人宛の通知文書などが届きます。こういうケースの多くは、頭書きがないために、誤った送信者に連絡のしようがありません。
 手動で電話番号を押す方式でファクスを使う以上は、注意力を強化するしかないでしょう。電子メールも送信先を間違えればどうしようもないので、問題は似たり寄ったりでしょうが、認証システムや文書の暗号化技術なりのノウハウの修得が遅れていますから、この業界での安全な送信は容易ではないですね。個人情報保護だらけの文書をファクスで送るのは当分仕方ないでしょう。

 ここで次なる問題だと思うことは、多くの役所や事務所で、いまもってファクスの送信先番号が手作業で入力されるということです。私の自宅は、当然のことながらデジタル回線で、ファクスは、作成した文書を直接に送り状を付してパソコンから送信します。しかし、大学は今もってゼロ発信のアナログ。どうもパソコンからはうまくいかないのですが、そのことを考えると、もっと巨大な「日本の行政組織の欠陥・無駄」というテーマにぶつかっていきます。そのことについては、次回に。

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2005.06.06

行政・自治No.6 最高裁の内部のような自治体議会棟

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行政・自治No.6 この土日は、7月に札幌で開催される自治体法務合同研究会の九州グループ(九州自治体法務研究会)の報告内容を固めるための合宿研究会に出てきました。新幹線の鹿児島中央駅から道路・フェリー・道路とつないで、2時間ほど南下した鹿児島県肝属(きもつき)郡錦江町(この3月に大根占町と田代町が合併した新自治体)が会場です。この九州グループの合宿は、昨年に続いて鹿児島での開催となりました。パワーがあるからでしょうか。
 夕方の野外バーベキューは、研究会メンバーが家族総出で準備していただきました。特に、「子持ちキビナゴ」のバーベキューは、絶品でした。
 今日、月曜日は、自治基本条例の制定を巡って、執行部と議会が全面対立しているとマスコミ報道している案件について、年休をとって、参考人として出てきました。熊本市議会の特別委員会で歴史上初めての「参考人」招致のようでして、日当3300円、そのうち正副議長らと取った食事代1050円をさっぴくという条件で、2250円というすさまじい報酬をいただいて、5時間ほどの拘束を受けて戻ってきました。出頭が決まってから1ヵ月、相当の時間を費やしてパワーポイント画像も含めて準備したのですが、この扱いはなかなかのものです。行くときにはタクシーを使ったので、実質手取り1000円ちょっとです。この間、本もずいぶん買ったのですけどね。
 ニセコ町のように、議会のたびに会議室を議場にする小規模自治体をいくつか見てきたために、膨大な数の委員会室、正副議長用の広大な執務室、超広々とした議長応接室など、自治体の「ゆとり」(?)に、頭の中がおかしくなります。市の職員も議会棟への連絡通路など、あまりよく分かっていないようです。そして、議会棟では、迷子になります。
 今日は、普段の委員会室のレイアウトを完全に変えてもらい、固定焦点カメラもはずし、外注された業者がわざわざウン十万円でセットした立派な撮影用カメラを用いての委員会となりましたので、上映したパワーポイント画像も、庁舎内にあるモニターに鮮明に写りました。今回の「特例」が、議会運営を今後変えるきっかけの一つになることを期待します。
 それにしても、6000人以上の職員のうち、今日の質疑を見てくれた人は、委員会室にいた幹部を除けば数十人にもならないでしょう。自治基本条例の実施には、道遠し、を実感しました。議会の方は、一気に元気が出てくるのかもしれませんが。
 それ以上の諸感想は、あまりにも多いので、各方面への配慮から、遠慮させてください。DSC_0095

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2005.06.01

行政・自治No.5 10,000番目のアクセス

行政・自治No.5  このホームページの10,000番目の閲覧者は、私が代表を務める「自治体法務研究会・さすらいグループ」の代表代行をしていただいている自治体職員の方でした。たまたま、昼の休憩時間にクリックしたところ、番号が10,000だったそうです。
 最初に希望された本が、木佐編『ドイツにおける行政の改革(Modernisierung)の法学的研究』。

 ですが、これは、科研費による共同研究をまとめたもので、簡易製本したものにすぎず、国会図書館と九大が所蔵する2冊しかありません。

 そこで、連絡の結果、論文である木佐茂男「訟務制度にみる公共性と法治主義(一)~(二・完)」『北大法学論集』41巻5・6号(1991年)2407~2438頁、42巻1号(1991年)105~174頁を希望されましたので、これを謹呈することに致しました。
 もし、書籍を希望されない方がいらっしゃれば、ニセコ・リゾート観光協会から、アスパラガスを送ってもらおうと考えていました。

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2005.05.22

行政・自治No.4 激論で放送時間延長!

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行政・自治No.4 5月20日の市町村合併に関する生番組は、スタートして20分経った時点で、シナリオ上では早くも10分の遅れ。7名の市町村長のうち、3番手と4番手の発言を全面カットして、次のテーマに入り、さらにカットが続いて、始まってから50分くらいの段階で、進行表上の時刻とテーマが一致してきました。7名のうち、5名の市町村長は、ほとんど発言の機会がなかったと思われたのではないでしょうか。8時43分終了予定が、8時20分頃の段階で、8時50分の終了ということに突然の変更。いつも発言順が最後になる3~4名の市町村長が、まとめの発言を数十秒ずつにしてくださったので、ようやく会場から2人目の発言を聞く時間がとれました。生番組は本当に大変ですね。肝心の市町村合併後の自治のあり方。これについては、また、いずれかの機会に。全国すべての地域で観光振興、産業振興を模索しているところですから、日本全体から見ると、ほんの片隅にある地域で、独自の産業興し、といっても実に大変なことであるのが分かります。いずれにしても、番組に出たことで、多くの生の資料も手に入りましたし、大いに勉強になりました。
 ご覧になった方、個人的にメールで感想などをお寄せ頂きますと幸いです。

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2005.05.07

行政・自治No.3 逢坂・ニセコ町長の声のブログから

行政・自治No.3 たまたま、長年のファイル類を整理していたら、逢坂・ニセコ町長が就任された翌年の各種電子メール記録など(紙に印刷したセミナー案内その他)が出てきました。当時、「パソコン通信」の「電子会議室」で使われていた<怪人ニセコ>という署名付きです。つまり、1995年夏頃のものです。町長就任後もしばらくは<怪人ニセコ>名義だったのか、とインターネットで調べてみたら、また、別のキーワードが引っかかってしまいました。同氏が最近始められている“声のBlog”で拙著『人間の尊厳と司法権』を紹介されているのが分かりました。今年(2005年)4月18日付のものです。是非、聞いてみてください。Voice of Niseko(VON) ニセコから声の発信 VON(ヴォン) 。確かに、逢坂さんもおっしゃっているように、この本は、「はしがき」、「序章」、「終章」、そして、できれば「第4章」を読んでいただければ、当面は充分です。全部で3000冊ほどしか有料では売れていないという奇書ですが、拾い読みをしていただければありがたいです。売れないために、税務対策の関係から10年くらい前に、200冊ほどは裁断処理されたという歴史も背負っている本です。

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2005.05.02

行政・自治No.2 30秒遅れによる再教育

行政・自治No.2 最近、自治基本条例に関する講演や研修の際に、次のようなことを話していました。「新幹線の運転士は、平常運転のときに、東京―新大阪間で30秒以上遅れると運転手の訓練所に戻され、模擬運転席での訓練や反省文を書かされるそうです。ニセコ町でも、抜き打ちチェックの際に、行政文書をキャビネットから30秒以内に取り出すことができないと、その課では再教育が行われます。30秒がいかに大事か、分かるでしょう・・・」みたいな話です。そういう講演や研修をするところでは、文書なりデータが何年待っても出てこないところが多いわけですから、新幹線運転手の置かれた状況を聞くと「お~ッ」というどよめきがおきるのが常でした。文書管理のいい加減な自治体では、再教育も反省文の強要もありません。「皆さん、恵まれた職場にお勤めですね」、などと冗談交じりに話していたところです。そこへ福知山線の事故です。
 この間、飛行機、新幹線、毎日のように乗っている在来線特急で、あまりにもアナウンスがひどくなっていると感じていました。「3分遅れて離陸しました。お急ぎのご旅行中に大変ご迷惑をおかけしました」という機内アナウンス。飛行機は気流の関係で定時に到着する可能性が残っているのです。列車の車掌も、駅を出発するたびに、また、到着するたびに、数分の遅れのお詫びをしています。その異常さをずっと感じていたところで、起きるべくして起きた事故のように思います。
 いつの頃からか、人々の集いの場所では、「お忙しいところ本日は・・・」で会合が始まるようになりました。「」という字は、心を亡くしていると書きます。実際にも、そうなのでしょう。それほど、競争して、急がなければならないのでしょうか。
 きわどいダイヤで列車が走っています。この件、また次回に。

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2005.04.28

行政・自治No.1 新しいカテゴリー 開始します

行政・自治No.1 司法問題中心の Blog では、やはり自分の関心の半分程度しか示せませんので、新たに「行政と自治を考える」シリーズを設けることにしました。昨晩、眠気のある中で作業したため、今日見たら、せっかく書いた最初の記事が、Blog 欄に反映されていませんでした。今、やり直しです。中身のある「行政と自治」に関することは、次回から書くことにしましょう。
 とりあえず1件だけ書いておきます。合併や財政危機の波に襲われているためか、自治の現象になんとなく気合いが入ったものが少ないようです。分権改革も、遠く、どこかに行ったような気がします。先進県でも、今年度、一挙に55%程度も研修予算が削減されるところもあるようで、これでは確かに気勢は上がらないでしょう。順調に出世している自治体職員もいますが、この新年度にも、全国各地から、理不尽な人事異動の報も多数届きました。公務員制度も自治の仕組みもどこへ行くのでしょうか?

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